オフノートoff note
わたくしたちが目指すもの――レーベルという運動体
わたくしたち、オフノートは1994年に発足した「自由な表現」と「音の力」の両翼で〈予兆〉と〈記憶〉の間を自在に翔ける前未来音楽レーベルです。脱ジャンルを志向し、けっして既成概念に属さない自由な表現による「他の音楽」の創造を目指す同時代の一人ひとり(我×我)が「一期一会」の出遇いとわかれを幾度となく繰り返し時間と場所に即応ながら刻一刻と変化してゆくひとつの有機運動体です。
また、同列にオキナワ――本土のコラボレーションを基点に汎アジア、環太平洋をネットワークしようする楕円型「世界音楽」レーベル・ディスクアカバナー。過去と未来をいまに繋ぐ作業をとおして、歴史の裏面を射抜く鋭い眼差しを養い、世代を超えて同時代の結集を呼びかける邑楽舎。「大衆」不在のこの季節に記憶を記録して、忘却の彼方から在りし日の大衆の原像を召び戻し、力ずくで「大衆藝能復興」を引き寄せようとするルネサンス運動、ミソラレコード。この3つの関連レーベルが置かれ共に並走してゆきます。
表現の沃野にあってそれぞれ手段も目的も異なるこの4つの運動体が融合と分離を繰り返し繰り返しながら渾然一体となって止揚される「思想」「行為」「動機」を貫く真に自由な作風による同時代音楽。「多様性の調和」を雄渾且つ自在に奏でる「地球規模のオーケストラ」の創出こそが究極わたくしたちが求めるものにほかなりません。とうぜん、各楽章はいままでどこにもない形式で構成され演奏されるでしょう。夢幻の形象こそがわたくしたちが求めるものなのですから。
オフノート=記載漏れ・裏面史・調子っ外れ。わたくしたちはこの夢幻工房に拠って、闇の歴史を繙き、夢魔を幻視する踏査作業「ルポルタージュ=幻視行」を志向し試行しながら同時代のノートへと丹念に綴りにつづり写しにうつして、やがては生死を超えて繋がるだろうわたくしたちの「未来記」を粗々あらわしていきたいとおもいます。
ここに紹介する諸作品は先人たちがのこしてくれた「記憶の堆積」と、いまを懸命に生きるわたくしたちの渾身の音の力の合作によってできています。そして、同時にそれは未来圏から吹いて来る透明な清潔な風が運んでくる「唄の捧げもの」でもあるのです。(2014.12.7)
やぐじゃーま節 / 大工哲弘(2025年)
カチューシャの唄 / 大工哲弘(2024年リマスター)
遠い果てから / giingoo(2024年)
小さな花 / giingoo(2022年〕
生活戦線異常あり / 岡大介(2022年〕
さかさまの世界 wonderland / 風巻隆
凍える声 / 古藤只充(2022年)
Oogomadara / 沖至トリオ(2021年)
銀河の岸辺 / giingoo(2021年)
標準語励行の唄 / 大工哲弘(2003年)
僕と僕の犬と犬の僕とイヌの会話 / ナマステ楽団(2020年)
美童花染小 / 玉城一美(1997年)
0美童花染小 / 玉城一美(1997年)
秋田三味線独奏 稲穂 / 梅若鵬修(2019年)
あいそ / giingoo(2018年)
旅する者 / giingoo(2019年)
じよんがら節 / 津輕家シワ子 梅田豊月(2019年)
中山安兵衛 / 日乃出家小源丸(2019年)
海辺のワルツ / 古藤只充(2019年)
A night has a thousand eyes / 沖至6(2019年)
国頭大福 / 嘉手苅林昌 with 大城美佐子(2019年)
ダ世界Ⅰ / 鈴木翁二(2018年)
東京万化 Tokyo Banka 01 / 原田依幸 川下直広(2018年)
いつか / 碧エルテル(2005年)
朝吉喧嘩鳥 / 三音家浅丸
川平節 / 大工哲弘・神谷幸一(2018年)
tor / umoretaEmd(2008年)
だれがこしらえたの / 岡大介 小林寛明(2010年)
むらさき節 / 岡大介 小林寛明(2008年)
SAKABAでダンス / 岡大介 武村篤彦 仲井信太郎(2018年)