「税金の公平性」を指導する
Автор: 社会科の授業をつくろう
Загружено: 8 дек. 2022 г.
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「税金の公平性」を指導する
ー 「思考力・判断力・表現力」を育てる授業に挑む ー
元関西学院大学非常勤講師 倉橋忠
小単元「政府の役割と国民の福祉」の授業の実際
1 「税金の公平性」の教育目標を設定する
(ア) 財政の仕組みと税の種類を説明できる。
(イ) 公平で公正な税制度のあり方を、政府や国民の様々な立場の視点から検討して、自分の考えたことを説明できる。
2 「税金の公平性」授業の概要
(1)教科書では「私たちの生活と財政」が1時間の学習内容。
(2)「財政の仕組み」、「さまざまな税金」、「税金の公平性」の小項目で構成されている。
(3)すべてを1時間の授業で指導しようとすると、網羅的な授業になる。それを避けるために、2時間に分割した。
(4)第1次は、「財政の仕組み」と「さまざまな税金」の指導に留め、代表的な税を通して、財政と税の関係を理解させることに絞り込んだ。
(5)第2次は、「税金の公平性」で、納税が、私たちの生活と密接に関係していること、財政状況にも直接的な影響を及ぼすことを具体的に追究する。
3 「税金の公平性」指導過程
授業は、所得税の概略を説明することから始めた。その後、実際に所得税を計算させることで累進課税を理解させる手法を採った。
4 所得税の説明
(1)所得税は、個人の所得に課せられる税です。
(2)所得税の徴収方法で世界のほとんどの国で採用されているのが累進課税です。
(3)所得が大きければ大きいほど、税率も大きくなります。
(4)ただし、収入金額がそのまま課税対象になるのではありません。課税所得は、収入金額から種々の控除額を引いた後の所得のことです。
(5)収入700万円の給与所得者で、専業主婦の妻と15歳以下の子どもだけの世帯の場合は、おおむね課税所得330万円になります。控除には給与所得控除や扶養控除などがあります。
5 課税所得331万円の人は、330万円の人より手取りが少なくなるか
(1)累進課税では、税率の境目にいる人は、多い所得の方が税を支払った後の手取り額が少なくなるから、税率を超えないように稼ぐほうが得だと言う人がいます。
(2)課税所得331万円の人は、課税所得330万円の人より手取りが少なくなるのでしょうか?
6 所得税を計算してみよう
(1)「分かりませんか。もう少し質問を具体的にします。例えば、課税所得195万円を超え330万円以下の場合は税率10%、330万円を超え695万円以下の場合は税率20%となっています。
(2)もし、課税所得が330万円の人が1万円多く稼ぐと、所得税は、330万円×10%=33万円から、331万円×20%=66.2万円になるのでしょうか。
たった1万円多く稼いただけで、66.2万円-33万円=33.2万円も多く所得税を払い、手取り額が少なくなるのでしょうか? 計算してみて下さい。」
7 逆転はしない
(1)超過累進税は、「課税される所得金額」がその枠を超えた際、超えた分に対してのみ、高い税率となります。税額は、それぞれの「枠」で算出した後に合計します。
195万円×5%=9万7500円
(330-195万円)×10%=13万5000円
(331-330万円)×20%=2000円 の所得税となります。ですから、
課税所得330万円の場合は、9万7500円+13万5000円=23万2500円となり、
課税所得331万円の場合、9万7500円+13万5000円+2000円=23万4500円です。
したがって、課税所得が1万円超過の場合は、所得税は2000円高くなるだけです。
(2)税引き後の手取りが逆転することはありません。
8 所得税の税率は推移してきた
9 所得税をどのように増税するか
(1)国の仕事は国民から徴収した税で支えられています。
(2)今日の政治は国民の福祉のために行われているのですから、国民が税を納めるのは当然です。
(3)そして今、日本の国は恐ろしいほどの赤字財政になっています。
(4)増税しないとやっていけない状況です。
(5)増税する方法として、次の4つの意見があります。あなたはどのように考えますか。自分で考えた後、グループで意見交換して下さい。
10 国民の間には所得格差がある
11 所得税の増税を考えるためヒントを与える説明
(1)所得税の増税を考えるに当たっては、効率的な増税方法はどんな方法か、どのようにすれば公正な増税方法になるのか。
(2)累進課税の目的は、税負担において公正の原則を実現すること。
(3)課税所得の段階をどのように設定するのか、段階別に設定する税率をどのようにするのか、課税の最低限度や最高限度をどのように設定するかなどの問題。
(4)様々な要因があって、国民の間に所得格差が生まれています。
(5)家計の学習を通して、暮らすのに、一年間にどれ位の生活費が必要なのかも学びました。
(6)経済力に応じた公正な税負担は、現実の社会で生じている所得格差を調整する、所得の再分配という役割も果たします。

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