【梁塵秘抄】空には織女よばひ星【猫村いろは】
Автор: nozomimatuki
Загружено: 2025-12-15
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◆梁塵秘抄の「星」の歌3首に曲を付け猫村いろは&Feng Yi(Synthesizer V2)に唄ってもらいました。時に寄り添い、時に重なり合うふたりの美しい歌声をご堪能ください。
◆ちなみに梁塵秘抄の月の歌は20首ほどでわりと多いんですが、星の歌となると全部で5首くらいしかありません。残りの2首は287番の仏歌と303番の僧歌で、今回の3首とは方向性が違っていて、かつあまり需要も無さそうなので、やるならまた別の機会にと相成りました。
◆なお1曲目は以前に曲を付けている(↓)のですが、
• 【結月ゆかり】空には織女 流星【梁塵秘抄】
練り込まず即興に近い形で作ったこともありかなりあっさり風味で(これはこれで嫌いじゃないんですが)。再生数も伸びていませんし、いっそ新たに曲を付けてしまえと、今回まったく別の曲として練り直すことに。
◆以下、各歌の現代語訳と解説と英訳、および私の感想です。AIの力を借りていますが、AIの解説は何でもかんでも仏教的解釈に結びつけて、だいぶ偏向していまして。自力で調べて修正した部分も少なくありません。AIは本当に自信満々に嘘をつくので危険ですね。危うく騙されるところでした。
◆『空には織女よばひ星』
1.現代語訳
「常に恋をしているのは、空においては織姫星、流れ星、野原においては山鳥、秋には鹿、流れの中では(つがいの)鴨たち、冬には鴛鴦(おしどり)である」
2.解説
この歌は、季節の移ろいとともに現れる具体的な「恋の象徴」を列挙する。
◎織女・流星: 空のモチーフ。織女(たなばた)は彦星と年に一度しか会えない伝説的な恋人たち。流星(よばひぼし=呼ばひ星=夜這い星)は「求婚する星」であり、燃え上がる恋心の象徴。
◎山鳥・鹿: 野辺のモチーフ。山鳥は常に雌雄で行動し、鹿は秋に互いを呼び合って鳴く(妻乞い)姿が恋の象徴とされる。
◎流れの君達・鴛鴦: 水辺のモチーフ。「流れの君達」は鴨などの水鳥のつがいを指し、「鴛鴦(おしどり)」は夫婦和合の象徴として有名である。
これらの描写は、当時の人々にとって身近で視覚的な「恋」の例であり、歌の聴き手にそのイメージを効果的に伝えている。
3.英訳
Ever in love: In the sky, the Weaver Star and shooting stars; On the wilds, the mountain birds; Autumn brings the deer, You who dwell by the stream; Winter brings the mandarin ducks.(DeepL)
4.作曲者の所感
当時の七夕は旧暦の7月で現在だと8月。なので夏から冬にかけての自然描写になりますね。「常に恋するは」と言いつつ通年見られるものじゃないのは不自然な気もしますが、毎年変わることなくってことで「常に」なのでしょう。
描写が非常に具体的で当時の人々が見ていた風景が目に浮かびます。法門歌なども当時の人々の精神世界が垣間見えて興味深いですが、やはりこういう歌のほうが個人的に惹かれます。
過去作に比べて格段に山あり谷ありでドラマチックな楽曲に生まれ変わりました。かなり難産でしたね。最初のフレーズが出てきたら割りとスムーズに曲が流れてきましたが。各モチーフを単純に並べただけにならないよう気を付けました。
◆『月は船 星は白波 雲は海』
1.現代語訳
「月は(海を渡る)船であり、星は(砕ける)白波、空の雲は(広大な)海原である。さて、その月の船を、いったいどのようにして漕いでいるのだろうか。月に住むという桂男(美男子)は、たった一人で」
2.解説
(1)雄大な「見立て」の技法
歌の前半「月は船 星は白波 雲は海」は、夜空の風景全体をダイナミックな海原の情景に重ね合わせている。これは和歌における典型的な比喩(メタファー)の技法である。
この壮大なスケール感は、同じく空を海に見立てた柿本人麻呂の有名な歌「天の海に雲の波立ち月の舟 星の林に漕ぎ隠る見ゆ」(『万葉集』巻七・1068)など、古代からの伝統的な表現を踏まえてる。
(2)「桂男(かつらおとこ)」という存在
歌の後半の焦点は「桂男」という存在にある。中国の神話では、月には巨大な「桂(けい)の木」(モクセイ)が生えており、呉剛(ごこう)という男がその木を永遠に切り続けている、あるいは月に住む美しい男(桂男)がいるとされた。日本ではこの伝説が伝わり、「桂男」は月の別名、転じて美男子を指す言葉となった。
(3)歌の眼目と「一人」のユーモア
この歌の最大の魅力は、前半の荘厳な風景描写から一転、後半で具体的な「桂男」という人物像に焦点を当て、ユーモアと人間味を帯びた問いかけをしている点にある。
「これほど広大な海原(空)を、たった一艘の船(月)で、しかもたった一人の男(桂男)がどうやって漕いでいるのだろう?」という問いかけは、壮大な自然描写と、伝説上の人物の「孤独」や「苦労」を対比させることで、聴き手に親しみやすさや滑稽味を感じさせる。
3.英訳
The moon is a ship, the stars white waves, the clouds the sea,
I wonder how he manages to row it, the Moon-Man, all alone?(DeepL+Gemini)
4.作曲者の所感
元ネタを単純になぞるのではなく、桂男という乗組員を登場させ、発展させているのが冴えているなと。月の船⇒乗っているのは誰だろう? というように思索をめぐらせたんでしょう。
短いけれど壮大。それを表現するにはどんなメロディが適切なのか? いろいろ試した結果をお聴きください。前半を一息に歌い上げ、「如何に漕ぐらん」で盛り上げ、最後は切なく締める感じです。
◆『流るる星の位まされば』(現代語訳と解説と英訳)
1. 現代語訳
「(ご両親である)月や太陽も、さぞかしお喜びだろう。(わが子である)星が、まるで夜空を駆け抜けるような速さで、これほどまでに高い位へと昇り詰められたのだから」
2. 解説
貴族社会において、子の立身出世は家名を守る親にとって最大の喜びだった。この歌は、その目覚ましい活躍を「流れ星」という美しい天体現象に託して祝福した、華やかな慶事の歌である。
◎月・日(親): 天空で不動の輝きを放つ、尊くも安定した存在。
◎星(子): 次世代を担う存在。
◎流るる(スピード感): 通常の官位昇進の階段を飛び越えて、一気に高位に達した「異例の速さ」を、一瞬で空を横切る流れ星に例えている。
◎位(階位): 官位の高さ。
3.英訳
The moon and sun must feel such joy,
As common, falling stars now rise in rank above them. (Gemini)
4.作曲者の所感
AIの解説だと『月や太陽は、仏教的な真理から見れば、本来あるべき秩序が乱れていること、つまり末法思想的な世の乱れを目の当たりにして「(皮肉にも)嬉しい」と感じているのではないか、という深い皮肉や感慨が込められている』と、深読みにもほどがあることを言ってきて惑わされました。
引っかかりは覚えたものの、あまりとらわれず言葉そのものに従って曲を付けました。嬉しい=祝福で祝詞系のメロディがハマるんじゃないかな、流るる=流麗で転がる感じにしよう、みたいに。
最後の最後にこの説明文を書くにあたって、改めてネットで調べて『官位昇進の祝い歌。「月」と「日(太陽)」は親を、「星」は子を喩えていて、流れ星のように早く昇進する我が子を、親もどれほどお喜びだろう、というような意味』と知ってようやく腑に落ちました。AI怖ろしや。
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