Gショックの父・樫尾忠雄｜家族8人の貧困から電卓10億台への道

※写真は二男俊雄さん
#聞き流し用
14歳から働き始め、48歳で倒産寸前。
自宅を担保に入れ、1年間地獄を見た男がいた。
樫尾忠雄。
カシオ創業者、4兄弟の長男。
高知の貧しい8人家族に生まれ、14歳で旋盤工見習いに。
母が米を水で増やす姿を見て育った少年は、「この手で家族を守る」と誓った。
29歳で独立、弟たちと計算機開発に挑戦。
札幌での大失敗。
機械が動かず、契約破談。
帰りの列車で泣いた。
それでも諦めなかった。
なぜなら、4人兄弟だったから。
40歳でカシオ計算機を設立。
世界初の純電気式計算機「14-A」で成功。
年商6億円、2日に1回ゴルフに行く生活。
しかし、油断が全てを奪った。
シャープの電子式計算機の登場。
取引先から「もう来なくていい」と言われる弟。
内田洋行からの在庫引き取り要求。
48歳の決断。
自宅を担保に入れる。
失敗すれば、弟たちの家族も路頭に迷う。
1年間の地獄。
和雄は毎日断られ続けた。
俊雄は徹夜で開発。
社員の給料も遅れた。
ゴミ捨て場でビニール線を拾う社長。
「もったいない」
その姿を、社員は黙って見ていた。
そして、復活。
たった10台の注文で、4兄弟は抱き合って泣いた。
55歳、カシオミニ発売。
12,800円。
10ヶ月で100万台。
64歳、若手社員・伊部が企画書を持ってきた。
「落としても壊れない時計を作りたい」
たった1行。
「好きなだけ、やってみろ」
忠雄は自分を見た。
2年、200以上の試作品。
全て壊れた。
床に座り込む伊部。
「俺も札幌で失敗した時、座り込んでいた」
「お前は一人じゃない」
そして生まれた、Gショック。
今や世界1億5000万本。
「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」
成功しても、自ら値下げを申し出た。
社員を「社員さん」、取引先を「お取引先様」と呼んだ。
75歳で生涯を閉じた忠雄。
遺したのは、製品ではなく、精神だった。
謙虚さ。
もったいない。
誠実さ。
共存共栄。
「一人で抱え込むな」
「仲間を信じろ」
「家族を大切にしろ」
「絶対に諦めるな」
何歳からでも、遅くない。
今日があなたの人生を変える日になりますように。

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※内容は史実に基づいており、ファクトチェック済みです。

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