2025年12月14日「苦難の中にもある喜び」 配信

要約

　＜苦難の中でも失望してはならない＞
BC587年､イスラエルの民はバビロニアという国に滅ぼされ、イスラエルの主だった人たちは、バビロニアの都であるバビロンに捕虜として連れていかれました。年月が過ぎ、世代も代わっていった。いくら祈っても、いくら待っても、救いは訪れない。人々のヤハウェの神に対する信仰は冷めてしまった。しかし神はその中で、預言者を通して語られます。40:1「慰めよ、慰めよ、私の民を」(大丈夫、国が滅んだのは、神様が死んでしまわれたことを意味するのではない。ヤハウェはイスラエル民族だけの神ではなく、全世界の創造者であり、唯一の神なのだ。だからこそ、ご自分の民イスラエルを裁くこともおできになる。神に立ち返りなさい。神は私たちを見捨てられたのではない)｡「慰め」は単なる心理的な励ましではなく、「罪の赦し」を含みます。40:2｢その過ちは償われた」という宣言は、赦しが既に神の側で確定していることを指しています。40:3｢荒れ野に主の道を備えよ｡私たちの神のために荒れ地に大路をまっすぐに通せ｣｡この呼びかけは、約束の地、故郷へ帰ることを指しています。更に、故国に帰るために神様が先立って導いてくださるのです。40:5｢こうして主の栄光が現れ すべての肉なる者は共に見る｣｡神は生きておられ、その栄光が神様のなさり方で現されるときが必ず来る。民はそれを｢共に見る｣ことになる。それが、いつ、どのような形で実現するのかはわからないが、苦難の中に置かれていても失望してはならない。
　　　　　＜神の言葉(約束)は、とこしえに立つ＞
40:8｢草は枯れ、花はしぼむ。しかし、私たちの神の言葉はとこしえに立つ｣｡
バビロン帝国の強大さは、絶対的に見えました。しかし預言者は、最強の国でさえ､草や花のようだと語り、人間の力のはかなさを静かに示します。対照的に｢神の言葉｣は永遠に立ちます。結果的には、バビロン捕囚から50年後、ペルシャ王キュロスがバビロニアを征服し、紀元前538年にイスラエルの民を解放しました。預言者はそのことを確認できたわけではありません。しかし、神から与えられた慰めの言葉を苦難のただなかにあるイスラエルの民に語ったのです。40:11｢主は羊飼いのようにその群れを飼い、その腕に小羊を集めて、懐に抱き乳を飲ませる羊を導く｣｡神は、疲れたもの、弱いもの、小さきものを抱き上げ、胸に抱いて導かれます。捕囚という深い挫折を経験した民に対し、神はただ｢救い出す｣だけでなく､｢抱き寄せ､癒し､導く｣羊飼いのような慈しみを示されます。
　　　　　＜待ち望むものに主は来てくださる＞
40:31｢主を待ち望む者は新たな力を得　鷲のように翼を広げて舞い上がる。走っても弱ることがなく歩いても疲れることはない｣。捕囚の民が現状をすぐに変えられなかったように、私たちにもすぐには変わらない現実があります。しかし、神を待ち望む者には「上から与えられる力」が継続して供給されます。この力が私たちの歩みを支え、再び立ち上がらせます。闇のような状況に生きていた捕囚の民イスラエルにイザヤが「「慰めよ、私の民を」と語ったように、今、闇の中を歩んでいるように感じるこの世界に、そして、私たち一人一人に、絶望するなと呼びかける。自分は、神に心をかけていただけるような人間ではないと感じている方。キリスト者であっても、神の前で堂々と立てないと感じているあなた。飼い葉桶の幼子は、そのようなあなたのところに来てくださった。あなたの闇を、あなたの罪を赦すための十字架の主が、この幼子です。馬小屋のような罪をかかえている私たちのところに、この幼子が来てくださったのです。そこに喜びの根拠があります。

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