大阪万博開幕記念 太陽の塔を思ふ【Vlog

彼女と私と母。

遥か彼方から輝きを放つ太陽は、古来より人々にとって畏敬と憧れの象徴であり続けてきた。1970年、大阪万博の会場にそびえ立った岡本太郎作「太陽の塔」は、まさにその太陽のエネルギーを凝縮したかのように存在感を放っている。一方、日本神話に登場する八咫烏（ヤタガラス）は、太陽神の使いとして神武天皇を導いたとされる霊鳥である。この二つの象徴が持つ共通の精神性を考えるとき、私たちは何を見出すだろうか。

太陽の塔は、その名の通り太陽そのものを形象化したものだが、それは単に自然現象としての太陽に留まらない。塔には過去、現在、未来という三つの顔が刻まれ、人類が歩んできた時間軸と生命の力強さを示している。ここに表現されるのは、混沌とした世界に希望をもたらす「光」の力である。

八咫烏もまた、太陽の象徴である。神話において人々を導いたその姿は、まさに迷いの中の光といえるだろう。

両者に通底するのは、「光による導き」である。岡本太郎が追求した生命の躍動と未来への眼差しは、八咫烏が伝える神話的導きと響き合う。私たちは日々、何らかの暗闇や不安の中を歩く存在だ。しかし、歴史や芸術、神話を通じて受け継がれた「光」は、時代を超えて私たちの行く手を照らし続ける。

太陽の塔を見上げる時、私たちは八咫烏の静かな羽ばたきを感じることがあるかもしれない。それは目には見えずとも、時代を超えて私たちを励まし、導いてくれる光の化身なのだ。