”無人島”の世界遺産「野崎島」は今…輝く信仰の歴史と進む荒廃 保全への挑戦最前線
Автор: NBC長崎放送
Загружено: 2024-11-06
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きっかけは一本の電話「世界遺産の島「野崎島」がいまどんな状態か知ってますか?」 2024年夏、これまでもいろんな情報を伝えてくれていた長崎大学の出水享(でみずあきら)さんからそう聞かれたとき、何のイメージもわかなかった。世界遺産の取材とは縁がなく、野崎島どころか野崎島がある小値賀町にも行ったことはなかった。野崎島は2018年に世界文化遺産の構成資産に認定された長崎県小値賀町の島だ。漠然と思い浮かぶのはこの島を象徴する「旧野首教会」。世界文化遺産に登録されてからは多方面から注目され島に光を当てた施設だ。今も何も変わらずにあの集落で存在を放っていると思っていたのだが・・・・。「教会は今大規模な修理中で中には入れませんよ。周りの石垣をイノシシがいたずらして壊すので島は割と大変な状態です」出水氏から聞いたのはともすれば人の目の届きにくい長崎の離島で起きている深刻な現状だった。世界文化遺産の構成資産なったものをどう保存していくか?これは世界文化遺産に指定される前から課題として指摘されていたことでもあった。課題は現実の問題になっている。現状を取材すべく島へと渡った。今回の報告は野崎島で行われた保存の取り組み「野崎島レスキュー隊」の同行取材です。時間とともに表面化する世界文化遺産保全の課題「ADOPTED!(採用)」
歓喜の声が上がったのは今から6年前、2018年でした。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産への登録。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、17世紀から250年も続いたキリスト教禁止令の下、信仰がどのように続いたのか?その歴史を伝える12の構成資産で成り立っていて、その中に野崎島もあります。世界に認められた地元の宝。しかし時間の経過とともに問題が表面化しています。無人島の世界遺産「野崎島」に上陸NBC 長記者:
「小値賀町にきています。私の後ろに見えているのが野崎島で『潜伏キリシタンが信仰を継続した取り組みの跡』が残されています。島そのものが世界文化遺産の構成資産になっています」島全体が世界遺産となっている、野崎島。その象徴といえるのが旧野首教会です。信者たちが《信仰の自由》を手に入れた証。島には禁教の時代、信者たちが暮らした跡も残っています。その野崎島の現状を知り、保全をはかろうと行われたイベント「野崎島レスキュー隊」です。小値賀町の呼びかけに、県の内外から50人が参加しました。小値賀町 中村慶幸教育長:
「風が吹いていて強いので、定期船も欠航するぐらいの天候ですけども、最後までけがのないようにどうぞよろしくお願いします」この日の野崎島は、近づく者を拒むような強風が吹きあれていました。管理の人が一人いるだけで、事実上の無人島となっている野崎島。上陸し教会に向かってみるとー。NBC 長記者:
「野首集落の象徴ともされる旧野首教会ですが、現在は足場が組まれ補修工事が行われています。完成から100年を超える旧野首教会は、老朽化が深刻な状況です」風雨で傷んだ世界遺産の現状瓦は痛み、内部では大規模な工事が行われていました。「令和の大修理」とも呼ばれる3年がかりの修復工事です。株式会社 友建設 池田徹さん:
「上の彫刻ですね。その彫刻がむこうの壁のほうはもう腐っているんですよ端々が折れているのでキリスト教のローマ法王とかのあの時の彫刻をやられた方がいらっしゃって、で、その方に頼んで今修復中です」さらに驚いたのは、建物を支えていたはずの柱の中が空洞になるほど腐食していたことでした。外側の壁に近い程、傷みも進んでいます。株式会社 友建設 山下政樹さん:
「雨漏りが西側面かなりひどくて、もう埋められている木が腐ってなくなっている状態で。これじゃもちろん屋根を支えることができない」建物の劣化に詳しい長崎大学の出水享工学博士は、事実上の無人島となっている野崎島の状況も劣化の一因と指摘します。長崎大学 出水享工学博士:
「元々とここら辺はたくさん家があり人が住んでいましたし、教会の周りも昔は防風林みたいなものがあったという風に聞いています。そういうものが少しずつ減ってきて、風当たりも強いし」50年前の野崎島明治以降、教会が建設されてからの野首地区では、教会が集落の中心でした。この映像は1970年ごろに撮影された野首地区です。教会の周りには家がたっていて木も生えていました。こうした建物や木が、結果的に教会を風から守っていましたがーいまは何もない斜面に教会だけが残り、厳しい自然の中に取り残された状態です。長崎大学 出水享工学博士:
「やはり一番は無人島になって人がいなくなって手入れができなくなった、難しくなったというのが一つの原因」実は石垣こそが世界遺産!そして別の問題もー。教会近くで撮影された写真には、檻にとらわれたイノシシの姿が映っています。島では今、イノシシによる被害も深刻です。小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「イノシシが土を掘り起こして、下に石を落とし、石垣を崩していってしまっている」石垣はイノシシに掘り起こされて崩れていました。イノシシは遊びで石を掘り起こしているようですが、この被害がなぜ深刻なのか?小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「この石垣は当時の方々の生活を知る上でも重要な構成資産ですので、それを崩されるということは世界遺産、もうこれがもうまさに世界遺産そのものなので」石垣は人々がここで信仰を守り、生活した証であり、これこそが野崎島が世界遺産となった根拠なのです。支えるのは島民と全国の有志たち「カンカンカン」
この日レスキュー隊が行ったのは、石垣に網を掛ける作業でした。イノシシは網がかかった場所を避けるので、これで石垣を守ることができます。滋賀県から参加した人:
「世界遺産になった所を守っていくことは必要だと思って参加させていただきました」県庁職員:
「実際自分も体を動かしてということがないので、その点で普段の仕事とは違った保全への関り方ができていると思います」この日、レスキュー隊の作業により、のべ250メートルの長さで石垣に網がかけられたほか、集落を覆っていた草が払われました。作業に参加した大学生:
「なかなか人生で一回二回あるかないかのチャンス」
「貴重な体験できて恵まれてるな。やりがいありましたね」世界遺産登録で一気に価値を高めた野崎島。しかし、高まった分だけ厳しい自然や時間の経過で失われていく痛みも大きくなります。そしてその保存は現状、小値賀町と一般の人の取り組みに支えられていました。小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「世界遺産を守っていかなければーというのが私たちの使命。今からやっていかないといけないことになってきます。当然自分たちだけではできない。世界遺産は皆さんの遺産でもありますので、一緒にこういった活動をさせていただきながら、来ていただいた皆さん、町民の皆さんにも少しずつ広まっていけばいいなと」世界遺産認定から6年。認定の時の熱狂が薄れる一方で、構成資産そのものの劣化は着実に進んでいきます。人類の遺産である世界文化遺産、地域の宝をどうやって守っていくのか。野崎島に限らず、県内すべての世界遺産が抱える課題ともいえます。
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nb...

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