なぜ不安障害に?その理由3つ【精神科医が解説】
Автор: こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
Загружено: 2025-06-06
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「不安障害になる理由3つ」を精神科医が徹底解説。
#精神科 #不安障害 #理由
0:05 (1)はじめに
0:24 (2)不安障害とは?
2:25 (3)不安障害になる理由3つ
2:33 ①脳の不調
4:28 ②出来事の影響
6:47 ③生来の特性
8:51 (4)まとめ
不安障害は強い不安が生活にも影響する精神疾患ですが、その理由は人により違います。脳の不調が理由なら抗うつ薬SSRIを、生来の特性なら環境調整を重視するように、理由により一部治療や対策が変わります。
「不安障害になる理由」について、精神科医が11.5分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
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(1)はじめに
不安障害になる理由は人それぞれ異なります。そのため、効果的な対策を立てるには、まず自分がなぜ不安障害になったのか、その理由を理解することが重要です。
不安障害の症状は共通していても、背景にある原因には大きな個人差があります。原因が違えば、当然ながら取るべき対策の要点も変わってきます。今回は、不安障害になる主な理由を3つに分けて詳しく解説していきます。
(2)不安障害とは?
不安障害とは、強い不安が生活に深刻な影響を与える精神疾患の総称です。その特徴を整理すると、以下の3つのポイントが挙げられます。
*過剰な不安*
日常生活に支障をきたすほど強く、長期間続く不安が特徴です。誰もが感じる通常の不安とは明らかに異なる強度と持続性があります。
*制御不能*
不安をコントロールすることが非常に困難になります。理性では「心配する必要がない」とわかっていても、不安を抑えることができません。
*生活障害*
強い不安や恐怖によって、仕事、学業、人間関係など、日常生活の様々な場面で深刻な支障が生じます。
不安障害の主な種類
不安障害にはいくつかのタイプがあります。
**社会不安障害**: 人前で強い緊張や不安を感じ、日常生活に支障をきたす
**パニック障害**: 突然の激しい心身の不調(パニック発作)を繰り返し経験する
**全般性不安障害**: 日常の様々なことに過剰な不安や心配が続く
**強迫性障害**: 強迫観念と確認行為の繰り返しが特徴的
主な治療法
不安障害の治療法は確立されており、以下のような方法があります。
**薬物療法**: 主に抗うつ薬(SSRI)を使用し、脳内物質のバランスを整えて不安の改善を図ります。
**系統的脱感作法**: 不安な場面を回避せず、段階的に慣らしていくことで克服を目指す方法です。
**環境調整**: 過度な不安や緊張がかからない環境を選択することも、時として非常に有効です。
(3)不安障害になる理由3つ
不安障害の診断は主に症状に基づいて行われるため、原因は人によって大きく異なります。同じ「不安障害」でも、その背景にある理由は千差万別です。そして、主な原因が何かによって、どの治療法に重点を置くべきかも変わってきます。
①脳の不調
うつ病と似たメカニズムによる脳の機能異常が不安障害の原因となる場合があります。
*脳の変化*
扁桃体(不安や恐怖を司る部位)、前頭前皮質、海馬などの脳領域の活動に変化が生じます。具体的には、扁桃体が過度に活動する一方で、それを制御する前頭前皮質の機能が低下します。
*神経伝達物質の異常*
うつ病と同様に、セロトニンの不足やGABAという物質の作用低下が関与するとされています。
*ストレス応答システムの異常*
ストレスホルモンの調節がうまくいかなくなり、慢性的な緊張状態が続きます。
*症状の特徴*
特定の外的要因なく突然発症することが多い
うつ病に似た抑うつ気分や興味の喪失も見られる
動悸、めまい、疲労感、睡眠障害などの身体症状を伴う
*重要な治療法*
薬物療法が中心となります。SSRI(セロトニンを増やす薬)で気分と不安を安定させ、必要に応じて抗不安薬を頓服として使用します。薬物療法を土台として、脱感作法を併用することでより高い効果が期待できます。
②出来事の影響
特定の強いストレス体験が引き金となって、似た場面で不安を繰り返すタイプです。
*発症の経緯*
それまで目立った不調はなかったものの、人前で恥をかくなどのショックな出来事を経験した後から、同じような場面で強い不安を感じるようになります。
*メカニズム*
**恐怖条件付け**: 扁桃体で体験と恐怖が結びつけられ、似た場面で不安が再現されます。
**汎化**: 最初の体験と似た場面でも同様の反応が起こり、不安を感じる場面が徐々に広がります。
**悪循環**: 不安発作を繰り返すことで、その回路が強化されてさらに過敏になります。
*症状の特徴*
明確なストレス体験の後に発症
動悸やめまいなどの自律神経症状を伴う
不安な場面を回避する傾向があるが、回避は一時的な安心しか得られず、むしろ慢性化を招く
*重要な治療法*
系統的脱感作法が中心となります。回避せずに段階的に不安な場面に慣らしていきます。ただし、いきなり強い刺激を与えると逆効果になるため、軽い負荷から始めて徐々に強度を上げていくことが重要です。この方法は非常に消耗するため、十分な休養と体調管理も欠かせません。
③生来の特性
生まれながらの不安傾向や敏感さが関与するタイプです。
*背景要因*
**遺伝的要因**: 家族内で似た性格傾向が見られることが多く、遺伝的な影響が考えられます。
**気質的要因**: 内向性や神経質傾向といった、いわゆる「不安神経症」的な気質があります。
**生物学的要因**: 神経系が刺激に対して敏感で、興奮しやすい特性があります。
*メカニズム*
遺伝子が脳の構造や神経伝達物質系の発達に影響し、扁桃体の反応性が高くなります。また、幼少期の体験が脳の発達に影響を与え、不安リスクを高める場合もあります。
*症状の特徴*
幼少期から心配性で敏感な傾向がある
特定の対象ではなく、漠然とした全般的な不安が目立つ
慢性的な不安と緊張により、疲れやすさを感じる
*重要な治療法*
環境調整が最も重要になります。マインドフルネスやリラックス法でストレス管理を行い、規則正しい生活習慣、適度な運動、質の良い睡眠によって不安傾向を和らげます。根本的な特性を完全に変えることは困難なため、自分の特性と共存できる、無理のない環境を見つけることが大切です。
(4)まとめ
不安障害は強い不安が生活に深刻な影響を与える病気ですが、その原因は人によって大きく異なります。
まず理解していただきたいのは、不安障害は決して特別な病気ではないということです。誰にでも起こりうる一般的な疾患であり、治療法も確立されているため、適切な対応により改善の余地は十分にあります。
重要なのは、不安障害の原因が複合的だということです。生物学的な要因、心理的な要因、環境的な要因が複雑に絡み合い、人によってその組み合わせが異なります。
だからこそ、原因によって対策の要点が変わってきます。抗うつ薬が主に効果的な人もいれば、脱感作法が有効な人、環境調整が最も重要な人もいます。自分がどのタイプに当てはまるかを理解することで、より効果的な治療戦略を立てることができるのです。
もし不安障害でお悩みの場合は、まず専門医に相談し、自分の状況に最も適した治療法を見つけることから始めてください。一人で抱え込まず、適切なサポートを受けることが回復への第一歩となります。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
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#不安神経症 #精神科医
【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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