【探訪】気を再現 己と対峙するMR(複合現実)剣道
Автор: 産経ニュース
Загружено: 2025-11-30
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「ヤァーッ!」。一人きりの空間に気勢が上がる。対峙しているのは自分自身。剣を交わすことのできない唯一の相手がいま〝目の前〟に現れた。
日本の伝統的な武道の一つ「剣道」。技の優劣で勝敗を決する競技的な側面と、相手や場に対し礼を尽くすことを重んじる心身鍛錬の側面を持つ。生涯スポーツとして老若男女に親しまれ、2027年には世界大会が東京で開催される。
筑波大学修士1年の古田花恋さん(23)は小学3年生から剣道を始め、高専の全国大会では団体戦優勝の経歴を持つ。日々「自分に負けるな、自分に打ち勝て」と指導を受ける中、より強くなるために「自分自身と稽古する」アイデアを膨らませた。けがにより競技者として一線を退いた経験からも、より体への負担が少ない稽古法として有用なのでは、と考えた。
新しい稽古システムの完成には約1年を費やした。現実の空間に仮想の分身を映し出すMR(複合現実)という技術を用い、体の動きをデータ化して取り込んだもう一人の自分=デジタルヒューマンを生み出した。接触があると、小手の代わりに着けた手袋が振動し、触覚による反応も得ることができる。
剣道と新しい技術の親和性は低いのではないか、と懸念していた古田さん。あくまで稽古法の一つとして受け入れてもらうため、勝敗判定などの要素を省き、ゲーム性を排除した。そのために重要視したのが剣道における「気」の存在だった。目で見ることはできない、ともすれば精神論で語られる存在を再現することに注力した。発声による気勢を聴覚で認識するため、複数のスピーカーを配置。気を満たしていると視覚的に判断するため、『分身』はデフォルメせず、構えや着装にもこだわった。
実際に体験すると、リアルな感覚に驚かされる。生身の人間と向き合う緊張感。意思を持っているかのように打ち込んでくる際には、「におい」といった気配まで感じ取れるようだった。
武道に限らず伝統芸能など、競技人口や担い手の減少傾向は著しい。技術や発想により新しい視点をもたらそうとする試みが、裾野を広げる一助になる。
(写真報道局 川口良介)
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