SNSと自傷［臨床］なぜネットで自傷のコンテンツを避けるべきか

この動画では、自傷行為に関心のある人でも、ソーシャルメディア上で自傷に関するコンテンツを見たり投稿したりすることを避けるべき理由について精神科医として説明しています [01:52]。

自傷関連コンテンツを見たくなる3つの理由
自傷行為をしている人がソーシャルメディアで自傷関連コンテンツを見たがるのは、以下の3つの理由から、理解できる行動だと説明されています [00:22]。
関心がある情報を求める サッカー好きがサッカーの情報を見るのと同じように、自傷に関心がある人がその情報を求めます。具体的な方法など、新たな知識を得たいと思う人もいるかもしれません [00:35]。
アイデンティティの確立 投稿や他者の投稿を見ることを通じて、自傷コミュニティの一員としての存在を意識し、アイデンティティを確立する人がいます [01:01]。
孤独感・疎外感の緩和 自傷について人には話しづらいと感じる人が多いため、メディアで同じ行為をしている人を見ることで、「自分だけではない」と感じ、孤独感や疎外感が和らぐことがあります [01:24]。

自傷関連コンテンツを避けるべき5つの理由
しかし、自傷関連のコンテンツに触れることは、自傷行為の増加を招くことが分かっているため推奨されません [01:56]。メディアで見た内容を模倣して自傷行為が引き起こされる現象は「コピーキャット効果」と呼ばれています [02:15]。
避けるべき具体的な理由は以下の5つです [02:26]。
模倣の誘発 プロのスポーツ選手のプレイを見ると自分もやってみたくなるのと同じように、他者の自傷行為を見ることで、自分も自傷をしようと思ってしまうことがあります [02:32]。
自傷欲求の高まり 断酒中の人がビールを飲む画像を見ると飲酒欲求が高まるのと同様に、自傷の画像を見ると自傷したい気持ちが引き起こされてしまいます [02:48]。
行為のエスカレート 他者の画像と比較することで、「自分の自傷は大したことない」と許容したり、場合によっては他者に張り合ってより深刻な自傷をしようとしてしまうことがあります [03:04]。
方法の学習 料理のレシピを学ぶように、ソーシャルメディアの自傷画像を見て、その方法を学んでしまい、同様の自傷が誘発されることがあります [03:25]。
正常化効果 自傷の画像が存在することで、自傷が異常なものではなく、一般的で正常なものだという認識を与えてしまう効果（正常化効果）をもたらすと考えられています [03:43]。

推奨される行動
自傷行為をしている人は、自傷に関する情報から離れることが勧められています [03:58]。
ソーシャルメディアへの投稿も避け、その代わりに「どのように自傷を抑えているか」について投稿すれば、誰かの助けになるかもしれないと提案されています [04:28]。

Reference
https://doi.org/10.1177/1461444819850106
https://doi.org/10.1027/0227-5910/a00...
https://doi.org/10.1016/j.adolescence...