【ルームシェア】起きてる人に寝起きドッキリする【ぐっすり】

「早く起きてくれないかなー？」

「あ！そうだ！起きてきたら買ってきておいたケーキ一緒に食べようかなー」

「、、へ？おはよう、、、」


君には狸寝入りをする癖がある

付き合い始めた頃だろうか、助手席で寝てるフリをしている君の頬にキスをした事を今でもイジられる


あの日の焦った僕の顔をみて味を占めた君はいつもこの可愛い悪戯をしてくる


僕もバカじゃないし、君との付き合いが長くなればなるほどに、呼吸や瞼の動きで寝てるか悪戯か見分けがつけられるようになっていた


だからそう言う時は、ほっておくか、お菓子トラップをしかければ一発で引っかかる

君のお茶目な

そして驚くほどに単純で純粋な所が

愛おしくてたまらないんだ



だいたい些細な環境の変化ですぐに眠りが浅くなる君は車の助手席なんかじゃ滅多に寝ないし

朝ごはんを作っておいて、僕が起きるタイミングで布団に入ってきて寝たフリをされても気づかないわけがないし

僕が話しかける言葉で少し口角が上がるのは、狸寝入り常習者としてはあるまじき失態だろう

そうやって君の事は、君の些細な仕草でわかるようになってくるんだ

起きてる

起きてる

本当に寝てる

起きてる


怒ってる

落ち込んでるのに元気なフリをしてる

楽しんでる

本当は欲しいくせに僕に譲ろうとしている




「わ、私は一人の人とずっと一緒にいる自信なんてないかなぁ」


本当は


「だって、未来のことなんてわかんないし、変に期待して落ち込みたくないし」

本当は


「ていうか、あなたの事もすっごく好きって感じじゃないしっ！」

本当は

「え？、、、今なんって？」


本当は


「いいの？私で、、、本当に、、、でも、、、まあ、、、うん、、、お願いします」


本当は嬉しくてたまらない癖に強がってる顔だ

今にも泣き出しそうだし


「大好きだよ」


まあ、僕の怖くてたまらない癖に強がってる顔もバレてんだろうな

お互い今にも泣きだしそうな癖に平気な顔して強がって

これじゃまるで狸寝入りってよりも

狐の嫁入りだな

なんて

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