【朗読】芥川龍之介「雛」【プロ声優】

335本目です。芥川龍之介「雛」です。

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   • 芥川龍之介  

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芥川龍之介がこの作品を書き上げたのは、横浜のイギリス人の客間で紅毛の童女が古雛の首を玩具にしているのに遭ったからだという。
お鶴の家は徳川時代は裕福な商家であったが、明治維新になって没落した。一家は家財道具などを売りやりくりしていたが、年を越すためについに大事にしていた雛人形を売る事になった。相手は横浜に住むアメリカ人で、売るように勧めたのは文明開化の影響を強く受けている兄である。最初はそれ程悲しいとも思わなかったお鶴も約束の日が近づくにつれ別れが辛くなり、もう一度土蔵に飾ってよく見たいと頼むが、父は手付金を受け取った以上それはもう人様のものだから手は触れられないと許さないのだった。そのことで兄とも喧嘩になるが、あきらめきれないお鶴は受け取りの前の晩、ひとりでこっそり見ようかなどと考えながらうとうと寝てしまう。ふと目を覚ますと土蔵に薄暗い行燈をともした明かりが見え、中から誰か人の起きているらしい物音がするのだった･･･

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芥川龍之介は大正期の小説家です。1892年東京都生まれ。東京帝国大学在学中の1916年に第四次「新思潮」創刊号に発表した「鼻」が夏目漱石に絶賛され文壇にデビューしました。初期の古典を材料にした「羅生門」「芋粥」「地獄変」などの名作を経て、「点鬼簿」「歯車」など自己の周辺にテーマを得た作品に移行。様々なトラブルで心身とも衰弱し、1927年に自殺して36歳の若さでこの世を去りました。没後、親友である菊池寛によって、芥川賞が創設されています。

主な代表作に『羅生門』『鼻』『戯作三昧』『地獄変』『奉教人の死』『藪の中』『河童』『歯車』『蜘蛛の糸』などがあります。

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