【吹奏楽_自作曲】Hello, World!

Hello, World!
2025年作曲

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《作品紹介》
「Hello, World!」（ハロー・ワールド）は、プログラミングの世界で最も有名で、最も伝統的なフレーズである。新しいプログラミング言語を学ぶ際、最初に書くごく簡単なプログラム、「画面に『Hello, World!』と表示せよ」として広く知られ、プログラマーにとってなじみ深い存在となっている。
このような初歩的なコードは、学習言語の基本的な構文を理解し、観察可能な結果を得て、出力に至るまでのプロセスを把握するという、機能的な導入の役割を果たす。それと同時に、命令が即時にフィードバックされるという小さな成功体験が、学習へのモチベーションを育む。それは、プログラミングの世界へ足を踏み入れる際の、ひとつの「通過儀礼」とも言えるのかもしれない。

そうしたソースコードの記述から着想を得て作曲したのが本作品である。一行一行、ソースコードを書き進めるような規則的な楽想に乗せて、コード（chord）によって音列を宣言し、限定された素材を重層的に展開していく。ネストが深まるほど、音楽の音響構造はより複雑に組み上がっていく。作品の構造自体もアーチ状を描き、ネストした処理が（括弧などで）閉じられていくプログラムの記述をイメージしている。

音楽とプログラミングには、一定の秩序、ルール、文法の中で処理を記述し、ひとつの構造体を生み出していくという共通点がある。その一方で、書かれた内容が一意に定まらず、実行者によって解釈が異なるという点は、音楽に固有の魅力と言えるだろう。
新しい世界への扉が開かれるような期待感、初めての成功がもたらす小さな達成感と興奮、「Hello, World!」という言葉が持つポジティブな印象を、譜面の実行者の思うままに表現してほしい。


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《作品概要》
■編成：35人～

Piccolo
Flute 1
Flute 2
Oboe
Bassoon
E♭ Clarinet
B♭ Clarinet 1
B♭ Clarinet 2
B♭ Clarinet 3
Bass Clarinet
Alto Saxophone 1
Alto Saxophone 2
Tenor Saxophone
Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1
B♭ Trumpet 2
B♭ Trumpet 3
Horn 1
Horn 2
Horn 3
Horn 4
Trombone 1
Trombone 2
Bass Trombone
Euphonium
Tuba
String Bass

Percussion 5 ～
Timpani
Drum Set
Crash Cymbals
Suspended Cymbal
Tambourine
Wind Chime
Glockenspiel
Xylophone
Vibraphone
Marimba

■譜面
作曲者管理（お問い合わせください）
https://www.ototsukulabo.com/contact/


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第３回古関裕而作曲コンクール、その他応募作品。
そのため、委嘱とかではないです。実演求む。

《工場夜景－吹奏楽のための》は奏者に厳密な音楽だったので、カジュアルでミニマルな音楽をイメージして作曲しました。

変わった拍子なのは、プログラミングがテーマなのである程度数字由来の着想が欲しく、フィボナッチ数列からアイディアを得て、
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13⇒これを1,3に読み替え
1, 3, 4, 7, 11⇒これを1,1に読み替え
｜1+1+2+3｜5｜8｜1+3+4｜7｜ ……　という拍子になっているからです。

間の４分の３拍子の ff 強奏は、コードの宣言です。
そのコードの音を用いて、その後の音型を作っています。

これまた自分らしい作品にもなっていると思います。多分。