【3分ドキュメンタリー】石木川のほとりで絵を描く 石丸穂澄さん|撮影年月 2021年6月
Автор: Murayama Yoshiaki
Загружено: 2021-06-18
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長崎県川棚町を流れる石木川には、半世紀前に計画された石木ダム建設事業によって立ち退きを迫られている住民がいます。
「ほーちゃん」の愛称で呼ばれている石丸穂澄さんもそのひとりです。
ダムの水没予定地とされる地域には現在13世帯が生活していますが、県は2019年9月に土地の強制収用手続きを進め、13世帯に対して住居の明け渡しを求めています。
ほーちゃんは石丸家の3人きょうだいの末っ子として生まれ、現在は両親と3人で石木川のほとりで暮らしながら、得意のイラストや絵を用いながらその時々の出来事をSNS等で発信しています。
ほーちゃんが描く絵は、故郷の自然や生きもの、何気ない日常がモチーフです。
幼い頃から手先が器用だった、ほーちゃん。
絵は「人並みに描く程度で、絵が好きだからいまも描いている」わけじゃないと言いますが、誰もが親しみやすく、やさしさやあたたかさに溢れています。
それでも「いまでは描く楽しさよりも生み出す辛さが勝り、心身が不調なときは数週間も絵から離れる」ことがあるのだそう。
それでも、自分の心のなかにある〝よくわからないモヤモヤとしたもの〟を昇華し、自分を納得させるために絵と向き合っているのだと教えてくれました。
インタビューでダムに関する話題になった際、ほーちゃんは度々「私はここでしか生きられない」と口にしています。
心の病から、ほかの地域で暮らす選択はかなり厳しいというのです。
可能ならばもっと自由に外へ出かけたいと、ほーちゃんは思い続けています。
しかしそう思う一方で、子どもの時から慣れ親しみ、自然や環境がほとんど変わっていないこの場所だからこそ、安心して生活できていると、ほーちゃんは話しています。
ほーちゃんにとっても、その何気ない暮らしを続けていくためには石木ダムの見直しを求める以外に選択肢はなく、身の回りにある景色も守っていきたいと。
それでも「○○に反対という言葉は使いたくない」と、ほーちゃんは言います。
その気持ちの表れとして、最近の絵には「 Yes・Ishiki River」の文字が書かれています。
ほーちゃんにとって「Yes 」は全肯定の意味であり、手つかずのそのまんまという意味でもあるのです。
「〝反対運動〟であっても、自分らしさを忘れないでいたい」
無関心であり続ける社会に対して、ほーちゃんは絵を通して石木川のほとりで起きている日常を伝えています。
それは、ほーちゃんにしかできないことであり、地元目線の切実なメッセージでもあるのです。
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