適応障害と発達障害【適応障害を繰り返す時の背景、精神科医が9分でまとめ】
Автор: こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
Загружено: 2022-09-26
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0:05 はじめに
0:37 適応障害と発達障害、背景に発達障害あって適応障害繰り返す事あり
3:04 発達障害の診断がわかれば対策がある
4:43 どのように発達障害を疑い、診断を受けるか
8:30 まとめ
適応障害ではストレスを減らすための「環境調整」が大事ですが、それを繰り返しても再発を繰り返す場合、背景にASD(自閉症スペクトラム障害)やADHDといった発達障害が隠れていることがあります。診断がつくとできる対策もあります。
どのように発達障害の診断を受けるかも含め、精神科医が要点を約9分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
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↓↓内容の詳細は下記になります。
(1)はじめに:「適応障害と発達障害」適応障害繰り返す時の背景
今回は「適応障害と発達障害」ということでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。人によっては、適応障害を何回も繰り返すという方がいらっしゃいます。いろいろ原因はあるんですけれども、人によっては背景に発達障害、自閉症スペクトラムASDやADHDといった発達障害が背景にあることがあります。その場合は、そこを見つけて対応していくということが大事になってきます。今回は、「適応障害と発達障害」ということでやっていきたいと思います。
(2)適応障害と、それを反復する場合
まず、適応障害についてまとめていきますと、ストレスからうつ症状などのいろいろな症状が出てくる心の不調になってきます。ストレスへの対策ということが治療の柱になってきます。その中で、環境調整も大事になってきます。一方で、人によっては環境調整を繰り返し行っても再発を繰り返してしまう方がいらっしゃいます。
この環境調整をしても、適応障害を繰り返してしまうという背景ですけれども、考えられるのは1つ目としてはご本人と環境のミスマッチが繰り返されてしまうという場合もある。2つ目としては、自分を追い詰めたり、ストレスがたまりやすかったりするような考えなどの癖があるということが2つ目の原因、そして3つ目の原因としてが背景に発達障害がある場合ということになってきます。
(3)発達障害(ASD、ADHD)と二次障害での適応障害について
この発達障害ですけれども、これは生まれながらの発達の強い偏りになります。代表的なのが自閉症スペクトラムASDとADHDになってきます。特性自体は取り組みで改善は見込めるんだけれども、基本的には続いていくものになってきます。そして、特性から社会だったり環境に不適応を繰り返して、うつ症状などの2次障害が繰り返していることがあり得るということになります。
少し詳しく見ると、まずADHDについてですけれども、これは不注意・多動・衝動が特徴の発達障害になってきます。幼少期だと衝動を抑えられないところで見つかることが多い。逆に大人になると、不注意で仕事でうまくいかないというところで不適応になることが多く見られます。そして、不適応を繰り返すことで、適応障害を繰り返すことがあります。
2つ目のASD自閉症スペクトラムですけれども、これは対人面人間関係のやりづらさとこだわり、この2つが特徴な発達障害になっています。幼少期から人間関係うまくいかない、孤立するなどが目立つことがADHDと比べても多いですけれども、人によっては大人になってから分かることもあります。同じく不適応から適応障害を繰り返すことがあるということがあります。
発達障害に気づかない時の適応障害ですけれども、どうしても発達障害が一定以上あると、その特性から人や集団の中でなかなか溶け込みにくい対応しにくいということがあって、多くの集団においてストレスが強くかかってしまう。その結果、適応障害になるということがあります。そうすると、仮に場所を変えても適応障害が繰り返されてしまうということが多いということになっていきます。
(3)もし発達障害の診断あれば、対策はある
で、もし発達障害の診断がついたら対応できる部分が一部あるということがあります。1つ目としては、仮にADHDの診断であれば改善を図る薬があるということ。2つ目としては、仮に薬がうまくいかないなどがあっても、特性に対して勉強して対策を始めるということができます。3つ目としてはその特性があった上で、仕事は何かなど特性に合った環境を探していくことができるということがあります。
例を見ていきますと、ADHDに合う仕事の例としては、あまりミスが致命傷にならないというところ。あと変化への対応とか臨機応変な行動力が求められる、これは得意という、そういうところがあります。そして、持久力よりは、その場の瞬発力がしっかりあることが求められるという仕事は一つ向いているんじゃないかと思います。
逆にASDに合う仕事を見ていくと、繰り返しということが大事になる仕事。一方、対人関係の部分はそんなに多くないと。繰り返し、ある種こだわってやり切ることは大事なことというのがいいんじゃないかという風に思われます。
こういった中で(合う)環境を探していくんですけれども、どうしても適応が難しい場合も打てる手がありまして、こういう時は福祉的なサポートを検討する。1つ目としては障害者枠といって、発達障害を理解してもらいながら(の)仕事を探すということが選択肢になっていきます。2つ目としては、就労移行支援といって最大2年通うリハビリがあって、そこでリハビリしながら仕事を探していくというやり方も出てきます。
(4)発達障害の診断を受けるには、その4段階
ということで、もし背景に発達障害があれば、それを知るということは非常に大事ですよという話をしたんですけれども、ではどうやって診断を受けますかということになってきます。今回、これを4段階で見ていきたいと思います。1段階目は「発達障害の可能性を考える」、2段階目は「受診して相談をする」3段階目が心理検査、4段階目が診断ということになります。
1つ目の可能性を考えるということですけれども、適応障害をなぜか繰り返してしまうという時に発達障害はないかというところで、今や最近の症状、あと子供の頃の症状。この双方で発達障害の特性・症状がなかったかを振り返ってもらえたらと思います。
ちょっと今回は少し大まかに見ていきますけど、ADHDの今の症状ということで例を出していくと、仕事でミスや遅刻などが目立ってくると、2つ目が課題を先送りにして間に合わないということでうまくいかないこと出てくる。3つ目としてはつい言っててしまう不用意な失言が目立つというところ、こういったところは一つ目安かと思います。
ADHDの子供の頃の症状を見ていきますと多いのが、宿題などを先送りにして間に合わない。もしくは全部手伝ってもらったり、直前でもう一気にやるとかそういうことがあります。2つ目としては、衝動的にかっとなりやすい、喧嘩になってしまうということがあります。これは大人になると改善することもあります。3つ目は授業でよく眠くなる。特に興味のない授業でよく眠くなるということがあります。
次に、ASDの今の症状ということですけれども、1つ目としては対人面がなぜかなかなかうまくいかない。2つ目が細かいことにこだわりすぎて全体が見えないと言われる。3つ目が場の空気が読めず、浮いてしまったりするということがあります。
子供の頃の症状というのを見ていくと、なかなかなぜか友人ができない孤立してしまう。なぜかいじめに遭うというところが背景かもしれません。2つ目としては、独特なことに細かくこだわってしまうという傾向がある。3つ目が頑固であったり、予想外の時に混乱するということが過去に結構あったというところがヒントかもしれません。
これらで可能性を考えた上で、2段階目受診で相談をするということになってきます。発達障害を扱っている心療内科、精神科を初診という形で受診をすると。もし「うつ」など別のことで受診されていたら、そこで相談するのもいいと思います。いろいろ聞きますけど、主には今の症状と子供の頃の症状。ここの2つを主にお聞きすることになると思います。その中で、過去の客観的にわかるもの。通知表など、過去の情報があるに越したことはない。ただ、大人の方だとないこともあるので、絶対ではないと思っております。
3つ目としては心理検査、いわゆるWAIS検査での心理検査になってきます。どうしても症状というのは主観的なものになりますので、客観的にどうかというのを見ることによって、より診断精度が上がっていくということがあるので、基本的にはお勧めをしています。そして、何か得意・苦手のばらつき、聞くのが苦手だとか視覚優位であるとか、そういった他のヒントが見つかることも中にはあります。一方で費用であったり、IQがわかってしまうという心理的負担というのはもちろん否定できないので、そういうことを踏まえた上で総合的に検討してみていただけたらと思います。
そして、4段階目の診断です。典型的には、2段階目の問診と3段階目の心理検査、主観的症状と客観的症状を照らし合わせて最終診断になってきます。その中でクリアに診断がならない、いわゆるグレーゾーンということもありますし、ASDとADHD合併ということもあるかもしれません。その中で、もしADHDが合併も含めてあるときは、改善のためのお薬をどうしましょうかということを検討することになるかと思います。
(5)まとめ
今回は、適応障害と発達障害ということで見てきました。適応障害を繰り返す時に背景に、ASD・ADHDといった発達障害がある場合があります。この場合は、診断を受けることで対策を始められるということがありますし、それだけでうまくいかなくても福祉のサポートを受けるということがありますので、有効なことがあるんじゃないかと思われます。具体的にどう診断を受けるかというと、まず今と子供の頃に症状があったかで可能性を考えまして、その後、受診・心理検査を経て最終的に診断を受けるということになります。
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#適応障害 #発達障害 #ASD #ADHD #アスペルガー
【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
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