アフタヌーン・エキシビション第15弾 東京国立博物館をまるごと詰め込んだ『東博～テイスト of アーカイブ～』　

【DJAIKO62のアート噺・グルメ編】

アフタヌーン・エキシビション チャプター15
『東博～テイストofアーカイブ～』 概要
2025年12月1日（月）～2026年3月31日（火）
メズム東京 16階 バー＆ラウンジ「ウィスク（Whisk）」

メズム東京と東京国立博物館のコラボレーション企画
「TOKYO WAVES」アフタヌーン・エキシビション チャプター15
『東博～テイストofアーカイブ～』を取材しました。

スタートは、東京国立博物館の情景をイメージした前菜プレートとペアリングモクテルから。レモングラス香るバニラパンナコッタと、シンボルツリーであるユリノキをモチーフにしたモクテルの組み合わせが、東博のエントランスに立ったときの光景をそっとよみがえらせながら、このあと登場するキューブスイーツへの期待を爽やかに高めてくれる導入になっていました。

テーマは「テイスト of アーカイブ（記憶の保管）」。
メインとなるのは、東京国立博物館所蔵の国宝・重要文化財の作品からインスピレーションを受けた、8つのキューブスイーツです。
四角い形を「記憶をしまう箱」になぞらえたプレゼンテーションで、それぞれが異なる作品・時代・モチーフを背負いながら、ひとつの台に横一列に整然と並びます。
同じキューブ型でありながら、味わいも見た目もまったく違い、まるでアーカイブを一つひとつ開いていくような楽しさがありました。手がけたのはクリエイティブディレクター小泉堅太郎さんと、マスターキュリナリーアーティスト養父直人さん、「食のキュレーション」という言葉がしっくりくる仕上がりです。

どれも美味しく印象的でしたが、もし一つだけおかわりしていいと言われたら迷わず選びたいと思ったのが、国宝《八橋蒔絵螺鈿硯箱》から着想を得た「八橋タタンガトー」。濃厚なチョコレートの層に、生八つ橋のもっちりとした食感がアクセントになっていて、一口ごとに「もう少し味わっていたい」と思わせるバランスでした。作品の意匠をそのままなぞるのではなく、和菓子と洋菓子の要素を織り交ぜながら、モチーフの世界をさりげなく立ち上げているところに、チームのセンスと試行錯誤の跡を感じます。

キューブスイーツとともに供される、ほうじ茶ベースのホットモクテルも印象的でした。香ばしさとやわらかな甘み、そしてパンチの効いたスパイスが、どのキューブとも相性がよく、最後までテンポを崩さずに楽しめる一杯になっています。

全体としては、作品モチーフを起点にしながら、東京国立博物館という場に蓄えられた記憶や物語を、味とかたちに置き換えたアフタヌーンティーという印象です。取材時にうかがったところ、お一人で静かに過ごされるゲストも少なくないとのことで、それぞれの思い出の東博体験と重ね合わせながら、自分のペースで「記憶のアーカイブ」を開いていくような時間を過ごせそうだと感じました。博物館での鑑賞体験とあわせて思い返したくなる、静かに贅沢なひとときです。

詳細は公式サイトからご確認ください。
https://www.mesm.jp/news/AE15-tohaku....
https://www.mesm.jp
https://www.tnm.jp

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