SHINYAKOZUKA AW25 ISSUE#7 ‘Good morning, I wish I could fly, never mind‘ RUNWAY SHOW
Автор: Rakuten Fashion Week TOKYO
Загружено: 2025-02-26
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月
家
鳥
額縁
自身が描く絵には、上記のモチーフがよく登場します。
月と家は ISSUE#4 の際に、「散歩でよく見る景色」
と、納得していたのですが、「鳥」と「額縁」は何故モチーフとしてよく描くのか謎のまま、今の今まで描いてきました。
前回のショーの一ヶ月ほど前でしょうか。ふと、こう考えました。
額縁というのは飾る絵を魅力的に見せたり、絵のテーマを強調するために用いるモノだな、と。
その役割は、まさにファッションだなと思いました。
「絵」があなたなら、
「額縁」はファッションである、と。
こじつけかもしれませんが、そう考えると素敵だなと思いました。
一方で鳥のモチーフを描く理由は、いまだに不明ですが、去年夏前に、
とあるフリマサイトで、とあるTシャツを買いました。
そのTシャツには’I wish I could fly’(飛べたらいいな)と書かれ、ペンギンの絵がプリントされていました。単純にかわいいデザインだなと思ったのと同時に、よく言われる「鳥」という自由や軽快さを象徴するモチーフに憧れ、描きながら、
自身は「飛べないペンギンなのかもな」と、当てはめていました。
この時期によく聞いていた、とある曲の始まりが「ペンギンゲストハウス」という言葉であったり、この上記のTシャツを着ていた時に食事していた友人に「たまたまこの前ペンギン観に行って写真撮ってきた」と写真を見せてもらったり。と、偶然にもペンギンに囲まれているなと思っていました。
自身が鳥であるなら、軽やかに力強く目的地に行けたのですが、
どこかで飛べないペンギンである事を自覚して、
散歩のようにふらふら歩き
平泳ぎのようにゆらゆら泳ぎ
10年かけて、やっと「目的地への目的地」に辿り着いた気がしています。
まるで、夜行バスで朝方にやっとバスターミナルに着いた感覚です。
ここから、本来の目的地へ歩き出す地点な気がしています。
「目的地への目的地」に辿り着いた感触もあり、ある種前回で第1章が終わった感覚もあって、新鮮さを欲しがり、今回から絵の書き方を少し変えてみました。
いつもはiPadで、鉛筆のツールを使っていたのですが、今回は油絵調のツールを使用しました。ツールを変えて思ったことは、鉛筆の時は立体感を出すために、「影」を書き足していたのですが、油絵調の際は、白で「光」を足さないと立体的にならない。
ということでした。
「光を加える」
いいな、と思いました。
自分自身にとっての「光」とは何だろうなと考えると、「言葉」になりました。
絵画や写真展で注釈やタイトルがあることで、その平面作品に奥行きが生まれたり。
詩を読むと、真っ暗な情景に言葉で輪郭をくっきりさせていくライトのようであったり。
言葉は自身にとっての光だなと思います。こうして文章をだらだら書いているのもそういった理由からかもしれません。
立体感を少し出すために、奥行きを少し出すために、輪郭を少しくっきりさせるために、意味が少しあるようで、ないような、ほんの少しの言葉を添えたいなと思います。
「ペンギンな人」は多くいるでしょう。
むしろこれをご覧になっている全員が「ペンギンな部分」を持っていると思います。
そこに、少しでも「これならもしかしたら飛べるかも」と思ってもらえるような「額縁」と「少しの言葉」を描けたらと願います。
今回のランウェイは、夢で見たものになります。
子供の頃によく見ていたような不気味な夢を続けて見た夜があり、あまりにも不気味なのでもう眠りたくないな、と思っていた翌日に今回のランウェイの夢を見て、とある曲が流れ、コレクションが歩いてきました。その曲をひたすら聴きながら、様々な事を想いました。
朝方のバスターミナルの事 目的地への目的地の事
絵と額縁の事 人とファッションの事
言葉と光の事
ペンギンの事 ニッチの事
見上げた三日月が綺麗であった事
色んな想いが入り混じり、繋がっていきました。
そしてリサーチを進め、ペンギンと向き合えば向き合うほど、他人事のように思えなくなっていき、ペンギンに想いを投影し続けた数ヶ月です。いくつかのペンギンも実際に見に行き、ペンギンの中にも色々あることを知りました。
カメラ目線をくれるスター性を持ったペンギン
空を仰いでばかりの一切媚びないペンギン
ひたすら歩くペンギン
海の中を飛ぶペンギン
様々なペンギンに出会えて素敵でした。
「これであなたも飛べますキット」を作りたいわけではありません。
空を仰ぎながら、「もしかしたら飛べるかも」と一瞬でも心が煌めき、また前に歩いていくという小さなきっかけを感じて欲しいです。
たかが布を通したコミュニケーションですが、
結局物質を通したコミュニケーションですが、
世界観というファジーで不確かで都合良いものを通したコミュニケーションですが、
「ペンギンたちに届いてほしい」と愚直に信じてやっているのは確かです。
ただ、どうしても飛ぶ事を手伝うのではなく、そこに想いを馳せ、歩いていくという事が素敵だと、芯から思います。
歩くのもいいですよ。
ペンギンがいい、ペンギン讃歌です。
すなわち、ニッチの肯定です。肯定ペンギンです。
それが、バスターミナルに降り立った今、次の目的地になりました。
そのバスターミナルに着いた朝、まだ月が顔を出しているような時間、目が覚めて、頭はまだぼんやりと、喫茶店にでも入って、モーニングとコーヒーでも嗜みながら、月を見上げ、こう言い合える情景が素敵だと、心から想います。
おはよう
飛べたらいいなぁ
なんてな。
ISSUE#7
‘Good morning, I wish I could fly, never mind’
参考資料
・いとう良一
‘やっぱりペンギンは飛んでいる’
・船田崇
‘詩集 旅するペンギン’
・西岡泉
‘詩集 フンボルトペンギンの決意’
・坂崎千春
‘ペンギンうらないカラフル’
・小山田壮平
‘マジカルダンサー’
・くるり
‘グッドモーニング’
‘ペンギンさん’
‘三日月’
‘静かの海’
・エレファントカシマシ
‘こうして部屋で寝転んでるとまるで死ぬのを待ってるみたい’
‘冬の朝’
・宮本浩次
‘P.S. I love you’
・夢見ヶ崎動物公園
・マクセルアクアパーク品川
・フンボルトペンギンの人形
・イサムノグチ庭園美術館
・メルカリで買った3000円のTシャツ
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