四川の野生ホタル観賞シーズン、環境保護と経済効果両立

「天に広がる星、野を舞うホタル」。四川省の眉山市ではこの時期、日没と共にホタルが乱舞し、幻想的な光景が広がっている。

　青神県は西南地域最大規模の野生ホタル生息地で、数億匹を誇る。毎年3月下旬から4月にかけては竹林を埋め尽くすほどのホタルが楽しめる観賞シーズンを迎える。

　今年も中岩寺観測エリアでは、ホタルの光と夜空の星の競演を楽しもうと、日暮れ前から観光客が列をなしている。

　ホタルは水質清浄度と植生密度を測る環境指標生物だ。青神県では生態系整備を推進し竹林面積を拡大し、ホタルの生息数や種類を増やしてきた。

　さらに、観光資源としても活用。竹細工の無形文化財体験やホタルモチーフの文創マーケットを設け、今シーズンの観光客数はすでに10万人を超えた。宿泊業や農産物販売を含む総経済効果は3千万元（約6億円）に達している。

　一方で、光害防止として観賞エリアでのフラッシュ撮影を禁止するなど、持続可能な観光開発にも力を入れている。ホタルの発生パターンをAIで予測する観光アプリの開発も計画中だ。