「米はあるのに、なぜ高い?」業者の倉庫に眠る新米 品薄への恐怖が招いた“集荷競争”が「高止まり続く要因に」
Автор: tbc東北放送 公式YouTube
Загружено: 2025-12-18
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2025年は新米の出荷が始まってからも、コメ価格の高止まりが続いています。その一方で、卸と小売りを行う業者の倉庫には大量の在庫が。コメの現場でいま、何が起こっているのでしょうか。宮城商事・佐々木理恵さん
Q.ここが倉庫ですか「そうです。全部今年のコメ、新米です」宮城県石巻市でコメの卸と小売りを行う宮城商事です。「令和の米騒動」とも言われた2024年のコメの品薄を経験し、例年より新米を多く買い付けました。宮城商事・佐々木理恵さん:
「うちも(例年より)30~40%多く仕入れたので、在庫をこれくらい抱えている。なかなか動きが鈍くて在庫が余っている状態」
備蓄米はすぐに無くなったのに…倉庫内に眠る「大量の新米」
猛暑による不作などをきっかけに2024年から始まったコメの品薄とそれに伴う価格の高騰。スーパーでの販売価格は、2024年の春は全国平均5キロ2000円ほどでしたが、2025年に入り4000円台を突破しました。そんな中、政府がとった政策が備蓄米の放出でした。宮城商事も2025年6月、10トンを購入しました。宮城商事・佐々木理恵さん:
「年金暮らしや子育て中の客から安いコメないのという話が多々あった」(今年6月)発売日には、大勢の人たちが買い求めました。購入した人:
「税込みで2000円。びっくりした」購入した人:
「安いですね。味も悪くないと聞いたので買いに来た」10トンの備蓄米は、1週間ほどで売り切れたと言います。
在庫抱える理由は「仕入れ値の高さ」その原因は夏の「集荷競争」
しかし、それから半年後の今は、倉庫に大量の新米が残る事態に。実は、「仕入れ値の高さ」がネックとなっているのです。宮城商事・佐々木理恵さん:
「(2024年の品薄を経験し)うちもコメが集まらないと思った。うちもこのくらい(の金額を)出すという話をして。仕入れの価格が上がってしまっているので、売値の方もなかなか安くは出せない状況」専門家は、2025年の夏に起きた「新米の集荷競争」が仕入れ値を高騰させたと指摘します。宮城大学・大泉一貫名誉教授:
「2025年は高温障害や洪水、干ばつなどの自然災害で不作になるんじゃないかという予測が出ていた。2024年もお米が足りなかったということで、集荷業者は不安を抱えていた。それで結局業者さんたちの集荷競争が激しくなった。そのことによって(農家からの)買取価格が非常に高くなった」
「集荷競争」でコメ価格も再度上昇「業者が様子見」
コメ価格の推移を見ても、備蓄米の放出によって一度は下がった価格が、集荷競争があった夏ごろを境に再び上がっているのがわかります。宮城大学・大泉一貫名誉教授:
「高く買った米なので、安くできないという状況があって、業者間での様子見がずっと続いている。誰が最初に安くするかを、お互い様子見しているという状況で高値が続いている状態」コメの価格が高止まりして在庫も増えるという悪循環。そんな中、政府が新たに打ち出した政策が物議を醸しています。
「おこめ券」価格維持につながるのでは?
税金を投入してのおこめ券配布。しかし、消費者から疑問の声が上がっています。街の人:
「おこめ券は私は反対。農家には国の税金も入っているでしょうし、それにさらにコメのために税金を使うのはおかしい」
街の人:
「おこめ券もね~、欲しい人は欲しいでしょうけど、現金給付の方が良い」
街の人:
「商品券でも良いのでは」
街の人:
「普通に安くなってくれた方がありがたいです。あれ(おこめ券)を出しても出すことにまたお金がかかっているわけですから」宮城大学・大泉一貫名誉教授:
「おこめ券はどちらかというと需要を支えるもの。ということは需要が増えてくるから、コメの高値を維持するということになってしまう。米価を維持して農家を再生産可能なものにしていきたいというのが農水省の基本的な考え方。だから消費者のためにコメ価格を安く提供しようという発想は、元々農水省の運営方針にはない」
コメ価格が上がり農家は喜んでいるのか?「生産コスト上がっている」
石巻市の宮城商事にはこの日、契約農家の男性が農業資材を買いに訪れていました。米価の高騰は、生産者にとっては追い風になっているのでしょうか。宮城商事の契約農家・横山茂さん:
「生産資材、肥料、農薬。一番は機械なんかも値上がりした。農家自体の生産コストはものすごく上がっている。2025年は少しコメが高く売れたかもしれないが、2026年も大変な年になるのではないかと思っている」宮城商事・佐々木理恵さん:
「コメが高くなって、『きょうは特別な日だからコメを食べよう』という状況ではなく、三食の食卓に当たり前にコメが並ぶような世の中になってほしい」消費者、生産者、販売業者は2024年に続きコメ騒動に翻弄される1年となりました。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/...
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