最古の雅楽録音・盤渉調「白柱」
Автор: Heiangakusha Office
Загружено: 2024-08-21
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【動画データ】
演奏:宮内省雅楽部東儀季熙、他11名。
録音:フレッド・ガイズバーグ。
明治36年(1903)の最古の雅楽録音で、曲目は盤渉調「白柱」です。
明治22年に『式部寮御撰定御譜』(通称『明治撰定譜』)の撰定を終了してからわずか14年後の録音であり、現行雅楽の常識を根底から覆す、衝撃的な録音となっています。
一方、画像は雅楽の歴史的変化を明示するため、盤渉調「白柱」初拍子の龍笛譜を比較したものです。
さて、応仁の乱から大阪夏の陣まで150年近くに及ぶ戦乱の世を経て雅楽は廃れ、太平の世となった江戸時代に復興された時には、旋律だけでなく楽譜の形式さえも変わってしまいました。その復興された江戸雅楽のスタイルを受け継いだのが『式部寮御撰定御譜』です。
そこで、平安時代中期の『新撰楽譜』と比較すると、『式部寮御撰定御譜』のこの曲の変化率は85.5%にもなります。(総譜字数172、同位同音数25)
この演奏は、現行雅楽と楽譜は同じでも、作法と奏法が異なります。これは、白柱だけでなく、越殿楽、武徳楽等、他の管絃曲でも同様です。作法とは、龍笛の音頭が演奏する吹き出しの後、一斉に演奏を開始する付け所の位置であり、奏法とは、楽譜に息継ぎ記号のない箇所で行う息継ぎです。
これは、息継ぎ記号がない奇数拍箇所に斜線を書き込み息継ぎを加える奏法で、明治雅楽では、このようなことをするのは吹き出しだけですが、現行雅楽では曲全体でこの奏法が行われるように変化しています。
そして、付け所からの演奏速度は明治雅楽の方が約3倍早いのです。というより、現行雅楽の方が信じられないぐらい極端に遅くなっているということなのです。
すなわち、現行雅楽は第二次世界大戦を契機に、「軽快な雅楽から重厚な雅楽へ」と転換し、作法、奏法、そして速度が明治雅楽とは全く異なる演奏となった昭和雅楽と位置づけられます。(長谷川景光)
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