【五十肩 保存版】肩関節周囲炎・腕の痛みの原因と治し方をすべて語ります！

#五十肩 #腕の痛み #日本一の整形外科医YouTube Ch. | 歌島大輔

五十肩は「放置で自然に治る」は誤解。古典研究でも完全回復は約4割に留まります。外旋の低下が早期サインで、痛みは肩だけでなく二の腕〜前腕に広がることも。保存療法は炎症コントロールと毎日のセルフストレッチが軸。短期なら関節内ステロイド注射が有効だが持続は限定的。一方、単独の肩峰下除圧術はプラセボと差が乏しく推奨しにくい。重症例は関節鏡下関節包リリースなどを検討し、サイレントマニピュレーションの合併症には要注意。五十肩と肩関節周囲炎の本質をエビデンスで解説します。

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【歌島大輔】
整形外科医／コンテンツ戦略ドクター
勤務医を経て、フリーランスの医師として年間400件を超える肩関節鏡手術の執刀実績を持つ。医学情報を提供する自身のYouTubeチャンネルの登録者数は20万人を超え、オンライン講座の受講生は延べ500人以上にのぼる。

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まだ「そのうち治る」と言われていませんか

五十肩は放置で勝手に治る。そう思い込んで何カ月もロスする人が後を絶ちません。古典的な前向き研究では、自然経過だけで完全な可動域まで戻れたのは約39％に過ぎません(*1)(*2)。つまり半数以上は可動域や痛みを残しうる疾患。放置戦略は、あなたの肩にとって最善ではありません。

名前に惑わされないための超要点

・五十肩と肩関節周囲炎は「肩周囲の炎症」と「関節包の癒着」の連続体。特に凍結肩は関節包が分厚く固くなる病態です。
・早期サインは外旋制限。小さく前ならえから外に開く動きが痛い、または左右差が大きいのは要注意(*11)。
・痛みは肩だけでなく二の腕、時に前腕まで広がる関連痛パターンも珍しくありません(*7)(*8)。

正しい保存療法の柱

炎症コントロール
　非ステロイド性消炎鎮痛剤は痛みの強い時期に短期で。関節内ステロイド注射は短期の痛みを素早く下げるエビデンスが複数あり、持続は限定的です（おおむね数週レベル）(*6)。副作用や反復回数には主治医と相談を。

可動域（ROM）回復のセルフストレッチ
　最優先は外旋、次に挙上、最後に背中に手を回す内旋。ルールはシンプル。
　・当日のストレッチ痛は少しOK。
　・翌日に痛みが増悪していたら強度と回数を下げる。
　この微調整こそ最短ルートです。

肩甲帯とインナーマッスルへのやさしい刺激
　強い筋トレは不要。肩甲骨の滑りを取り戻し、腱板に低強度で長く刺激を入れるメニューが効きます。テレビや民間療法の「一撃で剥がす」「即時で可動域爆上げ」は根拠薄。痛みを悪化させがちなので要警戒。

やってはいけない落とし穴

・「炎症期だから一切動かすな」vs「痛くてもガンガン動かせ」など極端な指導。現実はグラデーションです。
・画像で石灰が映っただけで犯人扱い。石灰は無症候でも見つかり、痛みの本丸は関節包ということも多い。
・首由来と誤診され続けるケース。肩を動かすと再現され、首では再現されない痛みは肩由来を強く示唆します。

手術は「最後のカード」だが、質が命

・肩峰下除圧術の単独実施は、プラセボや関節鏡観察のみと差が乏しい高品質RCTが相次ぎ、第一選択にしづらいのが現状です(*3)(*4)(*5)。
・一方、凍結肩の難治例では、関節鏡下関節包リリースで癒着部を狙って開放しつつ出血制御や合併損傷の評価・同時修復が可能。術者の熟練が結果を大きく左右します。
・麻酔下徒手操作（MUA）は入院不要で一気に可動域が広がることがある反面、関節包の裂創、腱板損傷、関節唇損傷、稀に骨折などの有害事象が報告されています。骨粗鬆症や腱板病変が疑われる症例では特に慎重に(*9)(*10)(*12)。

今日からできる3ステップ

外旋セルフチェック
　脇を締め、肘90度。前ならえから外へ。左右差が大きい、または30度未満なら要ストレッチ強化。

1日合計10〜15分の分割ストレッチ
　外旋、仰向けでの挙上、タオルを使った背中回し。翌日の痛みを見て微調整。

痛みが強い週は炎症優先
　短期の鎮痛や注射を活用し、落ち着いたらROMにギアチェンジ。

結論

五十肩、肩関節周囲炎は「放置で勝手に治る病気」ではありません。短期は炎症コントロール、中長期は毎日の可動域回復が主戦場。手術介入の是非は、MUAのリスクと関節鏡の利点を比較し、病態と術者の経験で決める。エビデンスと現実解の両輪で、あなたの肩を前へ動かしましょう。