「たった１日で１００万円」手当めぐる新人議員の訴えが波紋

国会議員に毎月支払われる“ある手当”をめぐり、先月の衆院選で初当選したばかりの新人議員の訴えが波紋を広げています。

日本維新の会 小野泰輔衆院議員
　「どーんとこのくらいの厚さの封筒が置いてあってですね。こんな感じですよ、もうこんな感じの封筒が置かれていて、なんだろうと思って開いてみたら現金が入っていたんで」

　先月３１日の衆院選挙で初当選した日本維新の会の小野泰輔議員。

日本維新の会 小野泰輔衆院議員
　「１０月分の日割りの歳費と給与ですよね、それと文通費が１０月分丸々１００万円と。なんか数時間しかやってないのに、新人議員なんでこんなにもらってんだみたいな」

　「文通費」＝「文書通信交通滞在費」とは、給与やボーナスとは別に郵送費や交通費などの名目で国会議員一人あたり毎月１００万円が支払われ、税金がかからず、領収書を提出する必要もありません。

　小野議員によると、１０月分の給料に当たる歳費については日割り計算でおよそ３万円が支払われたということですが、この手当については満額の１００万円が支払われたということです。衆議院事務局によると、この手当については、その月に任期が一日でもあれば満額支給されるということです。しかし・・・

日本維新の会 小野泰輔衆院議員
　「当確が出たのが（１１月１日午前）２時半ですよ。ですからそういう意味だと、１０月は自分の中でも議員の身分が発生していないと思います」

　小野議員は「世間の常識からかけ離れている」と批判しています。街の人からも・・・

男性（７０代）
　「１日だけで１００万か、あんなの絶対おかしい。民間ではあり得ないです」
女性（７０代）
　「（日割りの）必要ないと思います。だってちゃんと働き出して、ちゃんと活動し出してからでも十分だと思う」

　小野議員の訴えを受け、日本維新の会副代表の吉村大阪府知事は・・・

日本維新の会副代表 吉村洋文大阪府知事
　「新人議員が受け取った１００万円については、寄付をするということになると思います」

　吉村知事は、維新として“文通費”を日割りで支給し、領収書の提出も義務づける改正案を提出するとの見通しを示しました。また維新は、この１００万円の手当について「特別党費」として徴収したうえで、コロナ関連の寄付に充てる方針を固めました。

　同様のことは２００９年８月の衆院選でもありました。在任期間はたった２日間でしたが、歳費とこの“文通費”が全額支払われたのです。「国民の理解が得られない」との批判を受け、翌年には国会議員の歳費を日割りにするための法律が成立しましたが、この文通費については見直されていません。こうした状況に、自民党の新人議員や重鎮議員からも・・・

自民党新人 土田慎衆院議員
　「衆参問わず起きてくる話だと思うので、同じことが起きないように法改正をして対応していく必要がある」
自民党 逢沢一郎元議運委員長
　「国民目線に合わせるかたちで新しいルールを作る、新しいかたちを作る。それは避けて通れないと思います」

　今後、この制度が見直される日はくるのでしょうか？（2021年11月15日17:12）

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