学校の寮で出産… 「ゆりかご」預け入れた母の声
Автор: 熊本ニュース KAB ONLINE
Загружено: 2022-05-10
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慈恵病院が設置するこうのとりのゆりかごが運用開始から15年を迎えました。これまでに159人の命が預けられた一方で出自を知る権利や養育状況の把握など課題を抱え運用されています。当事者の声を伝えます。
慈恵病院のこうのとりゆりかごに子どもを預けた経験を持つ女性に話をききました。
「これが赤ちゃんの時、可愛いでしょ、そりゃ一緒に暮らそうかなってなりますよね。うちの子可愛かったんですよ」
30代のさおりさん(仮名)、専門学生時代に妊娠が分かりました。予期しない妊娠でした。
両親は離婚していて、2人で暮らし何でも話せると思っていた父親にも、相談できませんでした。
「怒られるのが目に見えていたから言っていなかったです」「とりあえず妊娠が検査薬とかで分かってからも、まあ間違いだろうという感じで無かったことにしようとしていました」
現実を受け止められず先送りに。学校の実習に追われる日々を過ごし陣痛は始まりました。
「学校の寮で1人で生みました。トイレで生んで、生まれてから出てきて、最初生きているか分からないから、見ていたら動いたので、生きていると思って、そのまま風呂場に行って、2人とも血まみれなので洗い流しました」
自分では育てられない…。「ゆりかご」の存在を思い出し新幹線で熊本へ。赤ちゃんを預け入れ立ち去ろうとしたとき看護師に呼び止められました。
「基本的に泣いていました。後悔と、預けて不本意というか、本当は離れたくないし、悪いことしたなとか」
赤ちゃんを引き取りたい。数日後勇気をふり絞り父親に打ち明けました。
その後、父親の支えもあり猛勉強の末、就職。子どもの小学校入学を機に一緒に住むようになりました。子どもにゆりかごのことを伝え始めています。
「結局赤ちゃんポストに預けられたことが、間違いなくあの時では最善策だったと今自分では信じているんですけれど」
訴えるのは、母子に寄り添った分かりやすい支援の必要性です。
「行政に相談したって何をしてくれるか分からないし、相談しないでおこうとなっちゃうと思うんです」「分からなかったら預けるしかないんですよね、だからそこがもっと明るかったら、私も預ける預けないとか、相談するしないとか、あの時の人生が変わったと
思う」
さおりさんは、ゆりかごがあったから親子の関係が途切れずに保つことができたと感じています。
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