【なぜ？】世界の隕石の6割が南極で見つかる理由

「人類の8割が知らない隕石の墓場」
地球には“隕石の墓場”と呼ばれる特異な地帯が存在していた。その場所とは南極大陸である。隕石は地球全域に落下しているが、南極では特に高密度で発見されていた。その理由は地形と気候条件にあった。南極の氷床では長い年月をかけて氷がゆっくりと移動し、山脈などの障害物にぶつかることで氷の中に埋もれていた隕石が表面に押し上げられていた。

加えて南極には風による侵食が少なく、降水も極めて乏しいため隕石がその場に長期間とどまる。さらに氷の背景に対して黒く目立つため発見も容易だった。結果として世界で発見された隕石の実に6割以上が南極から回収されていた。中には火星や月から飛来したとされる希少な隕石も含まれていた。

この“隕石の墓場”は、太陽系形成の痕跡をとどめた科学的な宝庫であり、宇宙の歴史を紐解く鍵となっていた。

ナレーション
VOICEVOX:青山龍星