【ルームシェア】この後絶対出てくる奴選手権【伏線】
Автор: 板橋ハウス
Загружено: 2 мая 2023 г.
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「あっ、すみません!」
「いえいえ、こちらこそ」
曲がり角で知らない美女とぶつかりそうになる。何年前のトレンディドラマの始まりなんだ。
これがドラマや漫画の中だったなら、この女の子とは確実に後でもう一度会うことになるだろう。
なんて馬鹿な妄想をしながら
いつも通りのくだらない日常に戻って
いつも通りのくだらない通勤路を歩いていく
ここはドラマや漫画の中では無いのだから
くだらない日々でも、くだらない道でも当たり前に続いていく。
誰にも見られていないものというのは手抜きになっていくもので
客人の来ない成人男性の一人暮らしの部屋は汚れていくし
買い手のいない中古車を扱っている車屋に置いてあるワゴンRはどんどん錆びついていくし
打ち切り間近の漫画の作画はどんどん壊れていく
そういうものなのだ。
これが、遅刻しそうになり汚い部屋から飛び出して、いつもの道にある汚い車屋を一瞥し、コンビニでジャンプだけそそくさと買った俺の人生経験が導き出した真理なのだ。
だからこのくだらない日常がもし作品だったとしても、この後美女と偶然の二度目を成し遂げるには、手を抜かずに偶然を必然にする準備が必要だったし
俺にはその準備が何一つできていなかった。
それこそ準備もなく重なったのならば、それは偶然じゃなく奇跡なのだ。
そういうことなのだ。
こうやってうだつの上がらない自分の日常に理由や言い訳をつけるのも日課になってきた気がする。
理由が無いというのは、もっとも残酷で虚しいものだから
だからしょうがないと思っていた。
割り切っていた。
いや、割り切れていた。
環境の、性格のせいだと、いやそもそも始まりの瞬間、連載の瞬間から間違っていたのだから、仕方のないことなのだと
だから二度目の偶然、もとい奇跡が目の前に現れたとき、喜びなんかよりも『やめてくれ』という感情の方が先立った。
自分の真理が壊れてしまうという理由をまたつけて
何よりもこれから先は準備していない自分には余る奇跡だと震えた。
誰かに見られているのなら、手を抜いてはいけないのだ。
頑張らないといけないのだ。
自分は頑張っていますとアピールしないといけないのだ。
それは目に見えない視聴者か
今まで目を背けていた自分自身か
なんだかんだ理由をつけても目を離せなくなるほどに恋をしてしまった君にか
これがドラマや漫画なら
いや、現実だとしても
この気持ちがある以上君にはまた会うことになる。
というより会いにいくことになる。
久しぶりの恋ににやけづらいが作画崩壊しないように
軽自動車でも良いからドライブに連れて行って
部屋に落ち着ける2人分のスペースぐらい作りたいな。
なんてまだ先の馬鹿な妄想をしながら。
#ルームシェア
#板橋ハウス
#振り返り

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