ベビーカーを押す“夫”を見かけた。でも隣にいたのは…私じゃなかった【Part2】

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【エピソードあらすじ】
駅前で見かけた、ベビーカーを押す夫。その隣には、私じゃない“知らない女”と、生後数ヶ月ほどの赤ちゃんがいた。──夫は、笑っていた。私の知らない顔で。
浮気相手？再婚？まさかの隠し子？
頭の中で、あらゆる想像が渦を巻いた。だけどその日、夫は何も言わず、いつも通り家に帰ってきた。
私は気づかないふりをやめた。そして、夫のスーツケースを開けた。──そこに入っていたのは、「ホスピス面会予定」の案内。
名前には、“たちばな れい”という女性の記載。聞いたことのない名前だった。でも私は、以前見つけた古いノートに、その名前を何度も見たことを思い出した。

【夫が隠していた過去】
たちばな れい。それは、10年前の職場で出会った女性だった。
夫いわく、「恋愛じゃなかった」。でも、彼女は“誰よりも心を許せる人”だったと語った。
病に倒れ、家族とも縁を切っていた彼女にとって、夫だけが唯一の“訪問者”だった。そして、最期を迎える直前、夫の手を握りながら、こう言ったという。
「ありがとう」「来てくれる時間だけが、私を人間に戻してくれた」
夫は、彼女のことを「特別だった」と言った。ただの同僚でも、ただの友人でもない。言葉にできないつながりを持った相手。
私は思った。それはもう、“心の浮気”だった。

【妻としての“空白”】
15年、隣で過ごしてきた。家事もして、家計も支えて、子どもはいないけど、ふたりで静かに暮らしてきた。
でも私は、夫の“心の中心”に、一度も立たせてもらったことがなかった。たちばな れいには、それができていた。
亡くなった人に嫉妬なんて、おかしい。だけど、あの人には、夫の“本音”も“涙”も“笑顔”も、全部見せていた。私には、ずっと「疲れてない」「別に大丈夫」としか言わなかったのに。

【そして、れいが遺した“赤ちゃん”】
夫は言った。「たちばな れいには、家族がいなかった」「だから、たまに姪の子どもを預かってただけ」
でも、れいの送った最後のメールには、こう書いてあった。
「あの子のことは、あなたが守って」
その子は……れいの実の子どもだった。そして──戸籍に記載されていた姓は、「◯崎」うちと、同じだった。

【夫の告白と、妻の違和感】
夫は言った。
「俺は父親じゃない」「でも、頼まれたから、守ってあげたいんだ」
でも、私は思ってしまった。あの“少しの間”……迷ったように沈黙した、あの夫の表情。あれが、なによりの答えだったんじゃないかと。
たちばな れいは、なぜ“その人にだけ”子どもを託したのか。本当に父親じゃないなら、どうしてそこまで責任を負おうとしたのか。なぜ、“戸籍の姓”が、私たちと同じだったのか──
すべてが偶然とは思えなかった。

【このエピソードが伝えること】
この物語は、体の関係だけが“浮気”じゃないことを教えてくれます。心がどこか、誰かに奪われているということ。それが、どれだけ残酷なことか。残された側は、何に怒ればいいのかすら、わからなくなる。
たとえ“優しさ”だったとしても。たとえ“救い”だったとしても。自分以外に心を開いたという事実は、静かに、でも確実に、関係を壊していく。

運営者「うわちょん」と、このチャンネルについて
このチャンネル『みんなの浮気エピソードチャンネル』は、視聴者から寄せられた実話、もしくは実話をもとに構成されたフィクションを元に、「感情のリアル」を第一に物語をお届けしています。
制作・構成・ナレーション管理：うわちょんチャンネル運営歴3年、累計エピソード本数200本超。30代〜70代の視聴者から、幅広い共感とコメントをいただいています。

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※このエピソードはフィクションを含みます。