ゴンドラの唄/東京混声合唱団
Автор: 流れ唄
Загружено: 2017-03-31
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作詞:吉井勇 作曲:中山晋平 編曲:林光
↓『甦る〈ゴンドラの唄〉』(相沢直樹・新曜社)第9章4節より引用----------
最初ピアノが華麗に『ゴンドラの唄』のイントロを奏で、楽団の甘美な演奏に合わせて客と女給たちがダンスを始めますが、すぐに渡辺が絞り出すような低い声で歌い出します。それを聞いて一同気味悪がって踊りをやめ、渡辺を遠巻きにします。
『ゴンドラの唄』を歌う場面は当初のシナリオでは「生命短かし/恋せよ乙女」だけでしたが、一番と四番を丸々歌うまでに拡充されました。このことは、『生きる』におけるこの歌の重要性を改めて物語っているでしょう。
渡辺は帽子をかぶり、コートにマフラーをつけて腰掛けたまま歌いますが、四番を歌うところでは正面から見た渡辺の顔が画面いっぱいのアップになります。彼は両目に涙をため、「心のほのお」を歌うあたりで大粒の涙がハラハラとこぼれ落ちます。またこのあたりではピアノ伴奏からかなり外れてきています。この場面での渡辺の歌い方は、自分の生をはかなみ、運命を嘆き、女給や踊り子たちに若さを無駄にするなと諭すかのようです。
なお、メフィストフェレスを自認する作家が主人公を外へ連れ出すとき、シナリオでは「生命短かし、恋せよ親爺、だッ!!」と叫ぶことになっていますが、今日DVDの映像を見るかぎり「生命短かし」と口ずさむところまでしか聞こえません(ワイプですぐ次のシーンに移ってしまいます)。
↓『甦る〈ゴンドラの唄〉』(相沢直樹・新曜社)第9章4節より引用----------
黒澤明の映画の登場によって『ゴンドラの唄』は復活しました。しかし、『ゴンドラの唄』の受容史のなかで映画『生きる』の登場が真にエポック・メイキングだったのは、単にこの映画が「大正時代の流行歌」としての『ゴンドラの唄』の存在を人々に思い出させ、その歌詞とメロディーを改めて世間に広めたというだけでなく、『ゴンドラの唄』の歌の性格を一変させた点にあります。
『ゴンドラの唄』の歌詞の直接の内容は、若い女性を恋に、熱い生き方に誘うものです。芸術座の『その前夜』劇では初めに少年船頭が、次に女主人公エレーナ(松井須磨子)が歌っていました。それを映画『生きる』では死期の迫った初老の男に、特にどの娘に向けてというでもなく、人びとみなに、あるいは自分に言い聞かせるように歌わせているのです。『生きる』で渡辺勘治がしみじみと歌って見せたことで、『ゴンドラの唄』は単に若い女の恋の歌にとどまらず、性別・年齢を問わないすべての人に開かれた歌となったのです。
その際、「恋せよ」の「恋」が文字どおり男女の恋愛の意味だけではなくなって、一種の比喩として、人間が情熱をかけて探し求めるものをさすように変わりました。先ほど公園のブランコの場面によって、歌の詩句全体がフィジカルなものからメタフィジカルなものへと変容を遂げたと申しましたが、「恋せよ、少女」はいまや人間がいのちをかけて臨むこのできる(あるいはそうしなければならない)抽象的な価値を追求するスローガンとなったのです。
ちなみに、『生きる』において『ゴンドラの唄』の精神的価値が強調されているように見えるのには、この映画で歌の一番と四番のみが歌われていることも関係しているのではないでしょうか。二番、三番は「アルス・アマトリア」(恋愛指南)ばりの少し淫猥な感じのところがありましたが、映画ではそれらが外されています。私は渡辺が「心のほのほ 消えぬ間に」と歌うのを聞く度に、深く胸を打たれます。
http://www-h.yamagata-u.ac.jp/~aizawa...
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