音楽性幻聴［臨床］自分だけ聞こえる音楽

「音楽性幻聴」について精神科医として解説しています。
音楽性幻聴とは実際には存在しない音楽や歌が幻聴として聞こえてくる現象です [00:06]。
頭の中で特定のメロディが繰り返し流れ続ける「イヤーワーム（Earworm）」が、より強く、リアルになったようなものとして説明されています [01:00]。

統合失調症の幻聴との違い
音楽性幻聴は、統合失調症などで見られる幻聴とは全く異なるメカニズムで起こることが多い現象です [00:27]。
音楽性幻聴の場合、聞こえている本人が「これは実際の音ではない」と自覚していることが多い点が、統合失調症の幻聴と異なる特徴の一つです [02:31]。

主な原因
脳血管の問題、脳腫瘍、てんかん、その他の精神障害、薬物の乱用など、様々な原因が考えられます [01:29]。
しかし、一般的には聴力障害（難聴）が原因となっているケースがほとんどです [01:43]。

聴力障害が原因となるメカニズム
私たちの脳は、外界から入ってくる音の情報と、頭の中で浮かぶ内部の音楽のバランスを保っています [01:54]。
聴力障害によって外部からの情報が減ると、このバランスが崩れ、脳が内部から作り出す音楽が抑えきれなくなり、本当に聞こえているかのように感じてしまうと説明されています [02:11]。
特に高齢の方や女性に多い傾向があります [02:23]。

対応と治療
聴力障害が原因の場合、統合失調症で使うような抗精神病薬は効きません [02:52]。
聴力障害による症状だと説明されるだけで、安心する人も多いです [03:07]。
聴力障害の治療や補聴器の使用によって、音楽性幻聴が減るケースもあります [03:13]。

Reference
https://doi.org/10.1176/appi.neuropsy...