「二本松の菊人形」（華やぐ江戸文化～蔦屋重三郎の生きた世～ )2025 福島：二本松市　菊の花の数々をお楽しみ下さい

撮影：2025年11月4日
00:00　序章
01:13　場面１　連獅子（れんじし）
02:02　場面２　助六由縁江戸桜（すけろくゆかりのえどざくら）
03:14　場面３　江戸の秋・菊見（えどのあき・きくみ）
05:08　場面４　東海道中膝栗毛（とうかいどうちゅうひざくりげ）
06:01　場面５　江戸の花形（えどのはながた）
07:45　場面６　花魁道中（おいらんどうちゅう）
08:47　場面７　浮世絵名画（うきよえめいが）より
11:04　場面８　五重塔
12:41　場面９　二本松のお酒
13:01　場面１０・１１　千輪咲　菊のドレス
13:34　場面１２　お月見
14:10　場面１３　菊づくし

場面１：歌舞伎舞踊「連獅子」は、獅子が我が子を谷底に突き落とし、這い上がってきた強い子だけを育てるという中国の故事に基づいた、親子の情愛と獅子の勇猛さを描いた作品。能舞台を模した松羽目板の舞台に二人の狂言師が現れ舞い始めます。
狂言師・右近と左近が白い毛の親獅子の精と紅い毛の子獅子の精となり、毛振りを披露します。その力強い動きは圧巻、歌舞伎の人気演目として知られています。

場面２：助六由縁江戸桜（すけろくゆかりのえどざくら）歌舞伎十八番の中でも特に華やかで人気のある演目。
粋でいなせな伊達男・助六と吉原一の花魁揚巻との恋模様を中心に、源氏の名刀「友切丸」を巡る騒動や、仇討し話が絡み合います。
満開の桜が咲き乱れる吉原を舞台に、助六の威勢の良さ、揚巻の美しさ、そして二人の粋なやりやり取りが大きな見どころ。江戸の粋と美意識が凝縮された、時代を超えて愛される作品。

場面３：江戸の秋・菊見（えどのあき・菊見）　江戸時代には菊の品種改良が進み、菊見は秋の風物詩として庶民に親しまれました。初期には嵯峨菊、伊勢菊、丁子菊などの古典菊が珍重され、その優雅な姿が鑑賞されました。
中期以降には江戸菊を初めとした多様な品種が生まれ、大菊、小菊、懸崖（けんがい）など様々な仕立ての美しさが競われました。
また、鶴や象、富士山、宝船などを小菊で形作る細工物が評判を呼びました。特に菊人形は人気を集め、歌舞伎役者や歴史上の人物などを扱ったものが造られました。

場面４：東海道中膝栗毛（とうかいどうちゅうひざくりげ）江戸時代中期になると、各街道の整備が進み、消費生活が向上します。平和が続き経済的に余裕のある階層が増え、幕藩体制の規制も緩やかになってくると、庶民も旅を楽しめるようになっていきます。
この作品は弥次郎兵衛と喜多八が伊勢詣でを思い立ち、東海道の旅の途中で体験する様々な騒動を、面白おかしく描いたものです。
作者は十返舎一九（じっぺんしゃいっく）で約２０年にわたって続編が出版され続け、大名から庶民にまで、幅広く読まれ笑いを提供しました。

場面５：江戸の花形（えどのはながた）「火事と喧嘩は江戸の花」、江戸時代で起きた火事は約１８００件、火消しは火災から街を守る重要な役割を担いました。
火消しには、武士によって組織された「武家火消」と町人たちによって組織された「町火消」がありました。「町火消」は町ごとに組織されていて、命がけで消火活動にあたるその勇敢な姿は江戸っ子の憧れでした。彼らの行動は単なる消化に留まらず、町民の連帯意識を高め、江戸の文化を象徴する存在として人々に深く記憶されていきます。

場面６：花魁道中（おいらんどうちゅう）吉原は幕府公認の遊郭で、江戸時代最大の娯楽施設でした。花魁（おいらん）とは吉原で最高位に位置する遊女のことです。「花魁道中」は、花魁が禿（かむろ）や振袖新造（ふりそでしんぞう）など、多くの付き人を引き連れ、客の待つ茶屋へ向かう華やかな行列のことを言います。
豪華な衣装に身を包み独特の歩き方でゆっくり進む様子は豪華絢爛であり、花魁の美しさや遊郭の格式を示す一大宣伝活動になりました。庶民にとっては目を見張る壮観な見世物でした。

場面７：浮世絵名画（うきよえめいが）より「浮世絵」は江戸時代に庶民の間で流行した絵画で「この世の世相や風俗を描いたもの」として人気を博しました。木版刷りの発展で大量生産できるようになり、安価に手に入るようになった事で庶民の間に広く浸透していきました。題材は役者や美人が中心でしたが、次第に風景や日常生活など当時の世相や流行を反映したものが描かれるようになります。その芸術性は海外にも波及し「ジャポニズム」として評価され、印象派などの画家たちに影響を与えました。　　　　　　　　　　　　　　　　（文献：二本松の菊人形より）