在原業平生誕1200年記念 特別展　伊勢物語ー美術が映す王朝の恋とうたー根津美術館　

【見るアート噺】（取材・制作　DJAIKO62）
在原業平生誕1200年記念 特別展
伊勢物語
美術が映す王朝の恋とうた
2025年11月1日（土）〜12月7日（日）
根津美術館

ポッドキャスト、ウェブマガジン、そしてショート動画で美術展紹介をしているアート噺。今回は【見るアート噺miscellaneous】として、根津美術館で12月7日まで開催している「在原業平生誕1200年記念 特別展　伊勢物語ー美術が映す王朝の恋とうたー」をご紹介します。

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在原業平の生誕1200年に合わせて、『伊勢物語』にまつわる書や絵画、工芸が幅広く紹介されています。物語を軸にしながらも、和歌や造形表現の広がりがさまざまな角度から示されている印象でした。

写本の料紙や筆致、絵巻の構成など、時代ごとの受容をたどる資料が並び、物語の成立背景に触れられる章から始まります。
江戸初期の嵯峨本が契機となった伊勢物語絵の展開も見どころで、和歌と情景が呼応するような作品の多様さが感じられました。恋の場面が強調される近世作品の表情も興味深いところです。
さらに、和歌の情趣を意匠に取り入れた作品や、工芸とのつながりが見える資料もあり、伊勢物語が持つ文芸性がどのように造形へ広がっていったのか、自然と意識が向かう構成でした。209首の和歌と絵を合わせたカルタなど、資料の幅も広めです。
今回とくに目を引いたのが、《在原業平像》室町時代（16世紀）〈初公開〉。筆と紙を手に思案する姿が描かれており、容貌秀麗と伝えられた人物像として眺めてみるのも興味深いところでした。
和歌、物語、そして美術が重なりながら展開していく伊勢物語の世界。その一端を静かにたどれる展覧会でした。

【開催情報】
在原業平生誕1200年記念 特別展
伊勢物語
美術が映す王朝の恋とうた
会期：2025年11月1日（土）〜12月7日（日）
会場：根津美術館
公式サイト：https://www.nezu-muse.or.jp

※プレス内覧会に参加しました。

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