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観光列車の色強し 津軽鉄道「ストーブ列車」

Автор: rail よしのぶ

Загружено: 2025-03-06

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2月半ば、青森に大雪が降った数日後の津軽五所川原です。津軽鉄道「ストーブ列車」に乗ろうと訪れました。昨日JR五能線は運休。ここまで来るのに浪岡からタクシーを使いました。
 今朝のJR改札口。やはり列車運休のアナウンスがされています。昨日に続き大雪の影響を受けているようです。海沿いを走るので風の影響もありそうです。一方、津軽鉄道の窓口で運行状況を聞くと「特に問題なく動いています」とあっさり言われました。津鉄が雪に強いこと、またストーブ列車を走らせるという意識(モチベーション)もあるのかもしれないと思いました。
 一日3本走る列車のうち、一番早い午前発の列車「ストーブ列車1号」に乗ろうとホームに向かいます。何故か新鮮に感じられるバリアフリーとは程遠いホーム連絡橋を、結構きつい階段だなと思いながら渡り、津軽鉄道のホームに下りると古めかしい客車が待機しています。客車2両の前に気動車2両が連結され計4両の編成。雪のかき分けられたホーム横には、廃車された車両がずっと長い間放置されています。(手前は元国鉄、奥が元西武鉄道の車両)屋根上の雪塊が、先日から津軽に降った大雪を物語ります。駅構内一面雪の世界。こちらは数年前、同じ時期に訪れた時のもの。除雪車を見ようと駅北側の踏切からホームを望んだものです。通年の積雪はこのくらいが多いと思います。今年のように、これほど雪が積もるのも珍しい気がします。奥羽本線沿いに比べれば、比較的に雪は少ないところの印象があるだけに。(風はとても強い)
 ボックス席1区画分の座席が撤去され、そこに達磨ストーブがあります。(1車両に2つのストーブ)程好い火加減が、アテンダントさんにより維持されています。いかにも観光列車らしいところ。自然の流れでお客がストーブの上で勝手に肴を焼いたり御燗をする・・・のが理想ですが、今の時代そこまでは望めず、全てがアテンダントさんの仕切るなかで行なわれます。購入したスルメイカを焼いてくれて、一口サイズにちぎって袋に入れてくれます。情緒そのものと言うよりも懐かしさを思い起こさせてくれる観光列車と言う方が適切でしょう。
 ごっとんという振動を伴う発車も、国鉄・JRから客車列車が消えて久しく、遠い昔に乗った記憶を思い起こさせるものがあります。いかにもオハの響きです。
 一面雪の津軽平野。午前中からの酒はさすがに控えようと、飲まないと決めていたものの・・・我慢できずにビールを買ってしまいました。(日本酒は控えましたが)
 津軽弁の案内。100%は分かりませんが、内容は理解できているようです。金木の町案内も配布されます。車両の高さほどある雪の壁。これは五所川原ホーム待合室にある絵。妙な色彩を放っていました。アテンダントさんにより支えられているストーブ列車です。
 列車は嘉瀬に到着。嘉瀬は吉幾三の出身地であるそうです。五所川原だと思っていたけれど、何れにせよ大したもんですね。「おらこんな村、嫌だ」と歌詞に出てくるのは加瀬のことなのかしら・・・
 嘉瀬を後に列車は次の金木に向かいます。 金木は太宰治の出身地です。 車窓から街の奥に見える斜陽館の大屋根。町に入る手前から、時を経て尚(益々と言って良い)、巨大な存在となっている太宰の存在が感じられてくるようです。
 金木で下車します。ストーブ列車からとんぼ返りで五所川原に帰る方も居ます。金木は交換可能な駅で、ストーブ列車はこの駅で対向列車と交換待ち合わせをします。津軽中里発五所川原行きの上り列車は単行気動車です。現役気動車全車に共通の、太宰色たっぷりの「走れメロス」のヘッドマークを掲げます。ストーブ列車が先に発車。気動車2両にけん引された客車が金木を後に遠ざかります。駅前では除雪機での雪掻きが行なわれていました。今年大活躍です。
 太宰の故郷、金木駅は交流プラザ併設の近代的な駅舎です。町の中心は斜陽館のあたりなので、そちらに歩きます。斜陽館は県道2号線直ぐ横の大豪邸です。(現在に換算して7~8億円の建築費)津島家から他の人の手に渡り、旅館として活用されてきたものを、町が買い上げ、平成8年~9年の大修復を経て今日に至ります。内部の貴重な建築様式を間近で接することができます。太宰の資料も豊富です→ビデオ、多くの直筆原稿、初版本、例のマントや頬杖をついた写真パネルなど(資料室は撮影禁止)
 県道を挟んで斜陽館対面の観光物産館地元農産物、お土産が揃います。
勿論、太宰治コーナーも。金木を歩いて、私の中ではこの街のイメージが太宰治100%になっていました。
 斜陽館前のバス停から、路線バスに乗って津軽中里まで向かいます。
バスは小泊行きで、恐らく太宰もタケに会いにこのバスの経路を辿ったのでは、と思いました。
 津軽中里駅は、かつては商業施設だった交流プラザ(駅ナカにぎわい空間)を併せ持ちます。太宰治の張りぼてがありました。似て・・・・るのかな?森林鉄道全盛の頃の写真パネルなども展示されています。皇族訪問の写真パネルもあります。この写真と直接関係はないですが、戦中太宰が金木を訪れ皆とピクニックに行った描写を思い出しました。
 ちょうど昼過ぎに到着の「ストーブ列車3号」が来る頃なので、駅を出て踏切の所で列車を待つことにします。何と、踏切は故障していて、津軽鉄道の職員の方が時たま通る車の対応に当たられています。列車が接近しても音もせず、動作もしない珍しい踏切です。
 朝と同じく機関車なし、気動車2両に牽かれたストーブ列車です。係員が車を制止させている踏切を列車はゆっくりと通過して終着津軽中里に進入しました。
 乗客を降ろして直ぐ、機関車ならぬ気動車の機回しが行なわれます。
今度は2両の気動車が五所川原寄り先頭になるように付け替えられます。
牽引が気動車であるための措置です。機関車牽引であれば編成そのままに機関車単機で機回しが行なわれるます。壊れた踏切を通過。平坦部を走るので、気動車牽引でも十分余力をもって走ることができるのでしょう。
が、やはり機関車牽引の列車も見たいところです。 (気動車or機関車牽引どちらになるかは不定期のようです)機回しが終わり、上り「ストーブ列車4号」として発車を待ちます。
 帰途は「ストーブ列車4号」の普通車両で五所川原に帰りました。朝の列車では数人程度だった金木とんぼ返りの方々も、お昼過ぎの便では数十人単位になり、車内は混雑、外国語が飛び交い落ち着かない有様となりました。大雪で奥羽本線、五能線の運行ままならない中、何故津鉄にこれほどの人が集まるのか不思議でしたが、今朝は静寂だったあの津鉄五所川原駅前に、何と大型観光バス3台が待機していました。およそ調和しない光景に、ちょっと苦笑です。
 数年前のポスターですが東北の魅力は尽きません。行くぜ!東北

観光列車の色強し 津軽鉄道「ストーブ列車」

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