南海トラフ地震と北海道・三陸沖後発地震の関連は?青森で震度6強 静岡県内も揺れ観測 津波工学の専門家に聞く
Автор: SBSnews6
Загружено: 2025-12-09
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「見たことがない光景」
青森県で震度6強を観測した地震があり、静岡県内でも揺れを観測しました。聞きなれない「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も発表される中、静岡県で今後注意する点、そして南海トラフ地震の対策に生かすべきポイントについて、常葉大学副学長で津波工学が専門の阿部郁男教授に聞きました。今回の地震は深夜に発生。9日朝になって被害の全容が見えてきました。
12月8日午後11時15分頃、青森県東方沖で発生した地震では青森県八戸市で震度6強を観測しました。気象庁は一時、北海道から福島県の沿岸に津波警報や津波注意報を発表しましたが、9日朝までに解除されました。
被災地では道路が陥没した現場も確認
<現場近くで店を構える人>
「見たことがない光景だった。何が起きたのか錯乱状態だった。どうしたらいいか悩んでいるところ」
JNNの集計では青森・北海道・岩手あわせて50人がけがをしています(午後5時点)。この地震で県内では御殿場市や富士市、静岡市清水区などで震度2、県内の広い範囲で震度1を観測しました。
県によると静岡県内での被害は確認されていないということですが、この機会に南海トラフ地震への備えを確認してほしいと呼びかけます。
<静岡県危機管理部 油井里美危機報道官>
「南海トラフ地震はいつ起こるか分かりませんので、日頃からしっかり家庭内の対策をしていただいて、地震が起きた時にしっかり避難行動ができるように、対策ができるようにしていただきたい」
県は気象庁などから発表される情報に注意してほしいとしています。今回の地震はどういったメカニズムで発生したのか。専門家に聞きました。
12月8日に発生した地震のメカニズムとは
<阿部郁男教授>
「プレートが沈み込んでいる場所が、千島海溝と日本海溝という場所になります。そこで、沈み込んでいるプレートに対して、上の陸側のプレートが大きく跳ね上がって地震を起こす可能性があると言われていて、そこが『想定震源域』と言われているものです。その想定震源域の中でマグニチュード7.5の地震が発生したというのが、今回の地震になります」
<滝澤キャスター>
「巨大地震の想定震源域で起きた地震だったというところが一つポイントだと思うんですが、過去にもここは地震が頻発しているエリアなんですよね」
<阿部郁男教授>
「まさに2011年、東日本大震災のときにマグニチュード9の地震が起きる2日前に、その少し離れたところでマグニチュード7.3の地震が起きています。同じようなことが1963年の択捉島南東沖地震でも起きていますので、同じようなことがひょっとしたらあるかもしれないということで、今回、その情報(北海道・三陸沖後発地震注意情報)が出されたという形になるかと思います」
緊張感は続きますが、今回気象庁から新しい情報が発表されました。静岡県では危機なじみはないかもしれません。いったい何を伝える情報なのでしょうか。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは
日本列島の太平洋沖の海底には関東の房総沖から東北の三陸沖を経て、さらに北へ択捉島の東方沖へとつながるプレートの沈み込み帯、日本海溝と千島海溝があります。
過去にはその周辺で津波を伴う巨大地震が繰り返して起きてきました。そしてその1つが2011年東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震です。この時も起きていたように、巨大地震に先立ち、一回り小さい地震がまれに発生することがあり、それを前兆と捉えて、備えようというのが北海道三陸沖後発地震注意情報なのです。
備えるべき巨大地震とは?
求められるのは地震への備えの再確認の他、非常持ち出し品の常時携帯など特別な対応です。期間は1週間で対象エリアは7道県の太平洋沿岸合わせて182の市町村です。では、備えるべき巨大地震とはどのようなものなのでしょうか?
日本海溝地震が発生した場合、青森県の太平洋沿岸などで震度6強の揺れが、また岩手県宮古市で最大30メートルの津波が想定されています。
また、千島海溝地震の場合も北海道の厚岸町付近で震度7の揺れや大津波が想定されています。
国の試算によると最悪の場合、全国における死者の数は約19万9000人に上る一方で、大半が津波による被害のため、事前の備え、迅速な避難によって犠牲者は8割減らせるとされています。
<気象庁 担当者>
「後発地震への注意を促す情報を発信する基準を満たしましたことから気象庁は本日2時に北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表いたしました」
<内閣府 担当者>
「避難場所・避難経路の確認など日ごろからの地震への備えの再確認。すぐに逃げられる体制の維持、非常用持ち出し品などの常時携帯などのこの1週間の間の特別な備えを行った上で社会経済活動の継続をお願いできれば」
初めて発表された注意情報ですが、静岡県はこの発表に伴う防災対応を取るべき地域には入っていません。
北海道・三陸沖後発地震注意情報への対応と南海トラフとの関連は?
<滝澤キャスター>
「対象地域ではさらに規模の大きい地震が起きうるかもしれない。ただ、静岡はその対象エリアに含まれていないという状態です。県民はどう受け止めたらいいでしょうか」
<阿部郁男教授>
「ひょっとすると、今回の地震をきっかけに、さらにもう少し規模の大きなマグニチュード8ぐらいの地震が起こる可能性もあるのですが、マグニチュード8の地震が起きたとしても静岡県はそんなに大きく揺れません。それで津波がもしかすると起きるかもしれないんですけれども、津波が起きた時もしっかりと津波注意報であるとか、そういった情報が出るかと思いますので、慌てずにそういった出される情報に従ってしっかりと対応していただければなというふうに思っています」
南海トラフ地震との関連は?
<井手キャスター>
「離れた地域ではありますけれども、南海トラフ地震との関連というのは、どういうふうに考えたらいいでしょうか」
<阿部郁男教授>
「南海トラフ地震と今回の地震は、全くそのプレートが違う場所で起きていますので、お互いが直接関係し合うことはないだろうというふうに思います」
<滝澤キャスター>
「はい。ただ南海トラフ地震と聞くと、『南海トラフ地震臨時情報』というものもありますよね。今までに2回出されたことがあり、2024年8月、宮崎県沖の日向灘で起きた地震では臨時情報の『巨大地震注意』というものが出されました。今回の後発地震注意情報とちょっとこれ似ているんですよね」
<阿部郁男教授>
「はい、そうですね。南海トラフ地震の臨時情報も12月8日の地震も、想定巨大地震が想定されている震源域の中で起きたマグニチュード7以上の地震によって、同じように『巨大地震注意』というふうな呼びかけが発表されたということになります」
<滝澤キャスター>
「発生確率でいうと、どれくらい変わるんでしょうか」
<阿部郁男教授>
「10倍になったと。1000回に1回だったものが、100回に1回なったというふうなことになるかなと思います」
<滝澤キャスター>
「ですから、平常時よりは高くなっているけれども、決して高すぎる値ではない。冷静に対応することが求められます」
地震はいつ起きてもおかしくないという状況は変わっていません。今一度、家族で話し合う時間を作ることが大切です。
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