春日大社の勧請元。「元春日」と呼ばれる河内国一宮：大阪府・枚岡神社（Hiraoka Shrine | The first shrine in Kawachi Province）

▼チャプターリスト（目次）
0:00 オープニング
0:21 社号碑、一之鳥居
0:43 二之鳥居周辺
1:34 蹴鞠場周辺
2:03 参道階段周辺、神鹿像
2:59 拝殿
3:49 中門、本殿
4:40 境内摂末社
6:16 禊場
6:42 神津嶽本宮

どうも、管理人のヒロリンです。

今回は大阪府東大阪市に鎮座する、河内国一宮・枚岡神社（ひらおかじんじゃ）を紹介します。

近鉄奈良線枚岡駅のすぐ東、生駒山の西麓に鎮まる枚岡神社は、初代天皇・神武天皇即位の3年前の創祀と伝わる古社です。河内国一宮で、世界遺産・春日大社の勧請元としても知られています。創祀の年は西暦換算では紀元前663年。伝承が事実なら枚岡神社は3000年近い歴史を持つことになります。

神武天皇が現在の宮崎県から奈良県へ東征される際に勅命を出され、それを奉じて天種子命（あめのたねこのみこと）が国の平定を祈願するため、天児屋根命（あめのこやねのみこと）と、比売御神（ひめみかみ）の二神を生駒山中に祀ったのが枚岡神社の始まりです。

創祀当時は現在の枚岡神社のある場所より更に生駒山を上がった神津嶽と呼ばれる場所に鎮座しており、現在その場所は多数の磐座があり、枚岡神社の元宮が鎮座しています(動画内では6:42)。

「枚岡（平岡）」の社号は、枚岡山の中腹に位置し、神様のご降臨を迎えるために大きな岩を積み上げて造られた大きな聖地（ご神体）の神津嶽を含む、枚岡山山頂から麓までがゆるやかで平坦であることから「ひらおか」と呼ばれた説があります。

奈良の世界遺産の一つである春日大社は、鹿島神宮・香取神宮の主祭神である武甕槌命（たけみかづちのみこと）と、経津主命（ふつぬしのみこと）、それに枚岡神社の祭神である天児屋根命と比売御神の二神を招き、最強の四祭神で平城京を長く守り続けました。この四祭神は、「春日神」と呼ばれ、全国に1000社余りある春日神社に祀られています。

春日大社に祀られている春日神の二祭神が、枚岡神社から分祀されたものであるため、同社は春日大社の元になった神社、つまり「元春日」として篤い崇敬を集めてきたのです。

その後、難波宮に都が置かれた頃に、難波宮の鬼門を守る神社として、春日大社より、武甕槌命と経津主命の二神をお迎えし、現在の地に春日神の四祭神を祀る姿となりました。枚岡神社の本殿は春日大社と同様に、四柱のご祭神それぞれのための四棟が横一列に整然と並ぶ形(動画内では3:49)。ここにも春日大社との深い関係が見て取れます。

枚岡神社で祀られている神々のうち、天児屋根命は主祭神、そして比売御神はその妃神です。天児屋根命は「祝詞の神」ともいわれていますが、それは日本神話の「天の石屋こもり」に基づくもの。天の石屋に閉じこもった天照大御神（あまてらすおおみかみ）を誘い出すべく、天児屋根命は太玉命（ふとだまのみこと）と占いを行い、さらに天の石屋の前で祝詞を唱えます。こうした儀式が祭祀の起源になったといいます。このことから天児屋根命は、「神事宗源の神」ともみなされています。

また、天児屋根命は天孫・瓊瓊芸命（ににぎのみこと）に随行する五伴緒神の一柱に選ばれ、高天原から地上へ降臨。瓊瓊芸命に忠孝を尽くし、「天孫輔弼の神」とも称されました。そして古代の豪族・中臣（なかとみ）氏の祖となり、中臣鎌足を源流とする藤原氏の氏神として敬われることになります。

Hiraoka Shrine is a Shinto shrine located in the city of Higashiōsaka, Osaka Prefecture, Japan. It is the Ichinomiya of former Kawachi Province.

Hiraoka Shrine is located in the western foothills of the Ikoma Mountains in central Osaka Prefecture. In its earliest days, it was a center for mountain worship and the kami of Kozudake, the peak immediately behind the shrine, came to be identified with Ame-no-Koyane, the tutelary deity of the Nakatomi clan, the ancestors of the Fujiwara clan. There is no documentary evidence of when the shrine was first constructed, but it is believed to be sometime during the Kofun period. When the Fujiwara built Kasuga Taisha in Nara, two of the four kami enshrined (Ame-no-Koyomi and Himegami) were bunrei transferred from this shrine, and the Hiraoka Shrine was thus given the name of Moto-Kasuga ("former Kasuga"). During the Heian period, Hiraoka Shrine was designated a shrine of the first rank and its name appears repeatedly in the Shoku Nihon Kōki, Nihon Montoku Tennō Jitsuroku, Nihon Sandai Jitsuroku and the Engishiki and other official chronicles. In the Engishiki, the shrine is styled as a Myōjin-taisha.

At some time during the Heian period, the shrine came to be identified as the ichinomiya of Kawachi Province. The shrine's subsequent history is very sketchy. During the Kamakura period, it is recorded that the monk Eison from Saidai-ji led 100 priests in prayers for deliverance of Japan from the Mongol invasions in 1275. During the Sengoku period, the shrine was burned down by Oda Nobunaga in 1574. Toyotomi Hideyori sponsored a reconstruction program from 1602 to 1605.

Under the Tokugawa shogunate, the shrine was accorded some small estates and privileges for its upkeep, but the general attitude of the shogunate was one of neglect. The current main shrine buildings were rebuilt in 1826 through the efforts of local parishioners.

After the Meiji restoration, the shrine was given the rank of Imperial shrine, 1st rank (Kanpei taisha) in the Modern system of ranked Shinto shrines.