【原則マイナ保険証スタート】初日の病院を見てみると…利用者は約3割どまり？「便利」「様子見してる」＿当面は“期限切れの健康保険証＆資格確認書”でOK『いったん10割負担』にも注意〈北海道〉

保険証は原則「マイナ保険証」に。

　2025年12月2日から全国の病院や薬局で適用が始まりました。

　初日の病院を見てきました。

　「インフルエンザの流行と重なって多くの患者が来ている中での保険確認作業が続いています」（小出昌範ディレクター）

　12月2日から保険証は原則「マイナ保険証」に切り替えです。

　札幌市白石区の病院ではさっそくマイナ保険証を提示する人がいました。

　「私は便利だと思っている」（持っている人）

　一方で、大半の人はカードリーダーを使わず直接窓口へ行きます。

　いまは対応してくれる期限切れの健康保険証や資格確認書で手続きをしていました。

　「間違いがあっても困るなという気持ちの方が強いので今のところ（マイナ保険証を）作る予定はない」

　「様子を見ています。個人情報とかいろいろ考えるところがあって」（いずれも持っていない人）


　マイナ保険証の利用率は10月時点で全国で37.1%、道内では34.3%にとどまっています。

　この病院でも利用者は3割程度と話します。

　「（案内が）個人宛てにきていないので知らない人が多い」（勤医協札幌病院 五味川卓医事課長）

　資格確認書は自治体や健康保険組合などが発行したもので最大5年。

　期限切れの健康保険証も2026年3月までは使えるため、急がない人が多いようです。

　現場からは完全移行に向け課題を指摘する声があがっています。

　「2度くらいシステム障害の不具合で保険情報が確認できずにトラブルがあった。問い合わせ先のコールセンターもあるがなかなか電話が繋がらない状況になっているのでそこが課題と思う」（五味川さん）

　全国保険医団体連合会の調査では、全国ではマイナ保険証のトラブルで「いったん10割負担」となるケースが増えていると言います。

　今年8月以降、少なくとも約3400件で、前年の調査から2000件以上増え、倍以上になっています。

　どのようなケースがあるのか、いずれも初診の場合が基本ですが3つの事例が考えられます。

1.有効期限切れ
　マイナンバーカードの電子証明書には発行から5年の有効期限があります。
　これが切れている場合、医療機関で読み込みできず、保険情報を確認できないため「いったん10割負担」になりえます。

2.住所・保険の変更が反映されていない
　引っ越しや転職などで変更していて、保険組合や自治体による情報入力が遅れる場合があります。
　データに反映されていないと医療機関で「資格情報の無効」表示が出て、保険情報を確認できません。

3.カードリーダーの不具合
　接続不良やネットワークエラーが多数報告されています。
　医療機関で読み込みができず、保険情報を確認できません。

　医療機関側は、役所や保険組合などに問い合わせて情報確認をしてくれますが、確認ができなければ「いったん10割負担」の可能性があるということです。

　ではいつ、どのように戻ってくるのでしょうか。

　北海道保険医会によりますと、後日保険情報がわかる書類を医療機関に持参すると、確認が取れ次第保険で賄われる分を窓口で返金されます。

　例えば、「資格情報のお知らせ」、「資格確認書」、または医療機関で「被保険者資格申立書」をもらい記入して渡す方法があります。

　当面は期限切れの保険証や資格確認書の提示で乗り切ることができますが、今後混乱なく完全移行できるのか注目です。