新米が“高すぎて売れ残る”異常事態。それでも値下げ出来ない深い事情がある
Автор: 聞き流して学ぶ『未来経済』
Загружено: 2025-12-02
Просмотров: 35
日本のスーパーで、いま「新米が高すぎて売れ残っている」という異例の事態が起きています。
例年であれば収穫期に合わせて多くの消費者が新米を買い求め、季節の移り変わりとともに売り場は活気づきます。
しかし、今年は違います。
店頭には大量の在庫が積み上がり、バックヤードには段ボールが押し込まれ、販売担当者が頭を抱えています。
なぜこんな事態になってしまったのか。
ただ単に「高いから売れない」という単純な理由ではありません。
その背景には、日本の米市場が抱える根深い構造問題が存在します。
■ なぜ今年の新米だけが売れ残るのか
まず押さえておきたいのは、米の価格がここまで高騰している理由です。
米価は通常、天候や収穫量や市場の需給によってある程度変動しますが、今年の値上がりはそれだけでは説明できないほど異常です。
農業資材の高騰、燃料費の上昇、物流費の増大、包装資材の値上がりなど、米作りと流通に関わるすべての要素が値上がりしています。
農家が値段を下げたくても下げられない構造が続き、結果として小売価格も押し上げられています。
■ 消費者の“生活防衛意識”が新米を遠ざける
しかし、問題は価格だけではありません。
今年の新米がここまで売れ残った最大の理由は、消費者心理の変化です。
物価高が長期化し、光熱費・生活費が大幅に上昇したことで、消費者は「本当に必要なもの」「価格の安いもの」を優先するようになりました。
その結果、パン・パスタ・冷凍食品・テイクアウト・総菜など、手軽で安価な選択肢が急増した現代では、米は“必須ではない主食”になりつつあります。
かつては新米の香りや食感を楽しむ文化がありましたが、
いまの生活環境ではその優先順位が大きく下がっています。
つまり、新米の“価値”が相対的に下がっているのです。
■ 値下げできない最大の理由は「年間契約」と「信用」
「売れないなら値下げすれば良い」と思われがちですが、米は簡単に値下げできません。
その最大の理由が 年間契約 です。
多くのスーパーは年間を通して一定量を仕入れる契約を結んでおり、
仕入れ量を途中で減らすことができません。
また、値下げにはもっと根深い問題があります。
それが 産地・JA・卸との“信用リスク” です。
米の世界では、勝手な値下げをすると
・ブランド価値を傷つけた
・相場を崩した
・産地の努力を無視した
と見なされ、翌年の仕入れ条件が悪化したり、取引を切られることすらあります。
米は“絶対に値崩れさせてはいけない商品”と言われるほど、信用で守られた商材なのです。
■ 日本の構造変化が生んだ「深刻な米離れ」
さらに、新米が売れ残る背景には、日本全体の米離れがあります。
日本人の一人当たり米消費量は60年間下がり続け、いまでは全盛期の半分以下です。
これには以下の生活構造の変化が強く影響しています。
・共働き増加で炊飯の手間が嫌われる
・単身世帯の増加で5kgの米が重すぎる
・キッチンの小型化
・外食・中食の増加
・パンや麺の普及
・冷凍食品の急成長
つまり、米を「炊く」という行為そのものが現代の生活と合わなくなりつつあるのです。
この長期的な米離れの上に、今年の新米高騰が重なり、買い控えが一気に加速しました。
■ “新米だけが売れない”理由は消費者の選び方が変わったから
実は、米が全く売れなくなったわけではありません。
売れ残っているのは主に高価格帯の新米であり、
古米やブレンド米、安価なパック米などはむしろ売れています。
つまり、消費者の選ぶ米が変わったのです。
・とにかく安いもの
・量に対して値段が安いもの
・古米やブレンド米でも気にしない
・パック米のほうが便利
こうした価値観の変化が、新米だけを売れ残らせています。
■ 日本の米市場はこれから“二極化”が進む
今回の新米売れ残りは、日本の食文化の転換点を象徴しています。
そして今後の米市場は、高確率で次のように変化していきます。
・安価で便利な米(パック米・冷凍米飯)が主流に
・プレミアム米はこだわり層に支えられ生き残る
・中価格帯の米は選ばれず市場から消えていく
・米売り場は縮小し、代わりに冷凍食品や簡便食品が拡大
・農家はプレミアム化か撤退かの二択になりやすい
つまり米は“毎日必ず食べる主食”から
“数ある選択肢のひとつ”へと位置付けが変わりつつあります。
■ 新米売れ残りは「日本の生活そのものが変わった」証拠
新米が売れ残るというニュースは、単なる販売不振ではありません。
・人口構造の変化
・生活防衛意識の高まり
・調理の手間を嫌う時代
・安価な食品の普及
・生産と流通が変わらない硬直構造
これらが重なった結果、日本の食文化そのものが変わり始めているのです。
新米の売れ残りは“偶然の異常値”ではなく、
時代の流れそのものを反映した必然 です。
Доступные форматы для скачивания:
Скачать видео mp4
-
Информация по загрузке: