供給不足と過小評価：プラチナ価格、1年以内に急騰か？

いま、世界経済の「ダッシュボード」には、赤と黄色の警告灯が点滅しています。成長の減速、地政学的な緊張、そしてインフレや規制の不確実性が入り混じる中、多くの産業分野が神経質な状態に陥っています。
このような背景の中で、プラチナをはじめとする白金族金属、いわゆるPGM業界にも暗雲が立ちこめています。
2025年4月3日、南アフリカ・ヨハネスブルグで開催された「PGMs Industry Day」に登壇したメタルズフォーカスの白金族金属研究ディレクター、ウィルマ・スワーツ氏は、こう語りました。
「我々は非常に慎重な段階にあります。信頼は脆弱であり、政治的な不確実性、規制上の不確実性が複雑に絡み合っており、これらすべてがPGM業界の供給と需要の両面に影響を与えているのです。」
この発言は、業界内部からの“警報”とも言えるものであり、価格動向に一喜一憂するだけでは見落としがちな、構造的リスクを浮き彫りにしています。
政治的な不確実性とは、例えば主要産出国である南アフリカにおける政情不安や労働争議の可能性。そして、規制の不確実性は、環境基準や車両排出ガス規制の変化といった、業界の需給構造を根底から揺るがすものです。
PGMの市場は、ただでさえ供給サイドが限定的であるため、こうした外的要因が価格と流通に与える影響は非常に大きくなります。
【タイムテーブル】
00:00　オープニング
02:01　１．プラチナの“復活”は近いのか？—価格1,000ドル超えの可能性
04:09　２．供給不足の連鎖—パラジウムとロジウムにも迫る危機
06:39　３．見過ごされる“過小評価”の真実
08:36　４．供給の25%以上を担う“第2の柱”の脆弱さ
10:51　５．中国の台頭と西側市場の崩壊リスク
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