【発達障害】発達障害は治療しないとどうなる?【精神科医が13.5分で説明】ASD・ADHD|二次障害|精神科
Автор: こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
Загружено: 15 апр. 2025 г.
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0:00 (1)はじめに
0:17 (2)発達障害(ASD/ADHD)と主な治療
1:20 (3)発達障害は治療しないとどうなる?
2:47 (4)発達障害の二次障害(治療しない場合要注意)
5:01 (5)二次障害に伴う様々な影響
7:11 (6)対策としての早期発見と療育
8:48 (7)療育も万能ではない
10:04 (8)成人発見だと手遅れか?
12:33 (9)まとめ
発達障害(ASD/ADHD)は治療しないとどうなるでしょうか?懸念されるのは不適応や過剰適応の持続に伴っての二次障害(うつ病等)で、引きこもり持続やトラブル反復に至ることもあり、その点から早期発見と療育が近年推奨されています。
ご質問「発達障害は治療しないとどうなる?」について、精神科医が13.5分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
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(1)はじめに
結論から言えば、治療や支援がない場合は二次障害という悪循環のリスクが高まります。ただし、療育にも注意すべき点があります。
(2)発達障害(ASD/ADHD)と主な治療
発達障害とは、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如多動症)に代表される、生まれながらの脳機能の偏りです。幼少期に発見されることが多いものの、中には成人後に診断される場合もあります。医学的には完治するものではなく、持続する特性であり、ストレスからの二次障害には特に注意が必要です。
発達障害の主な治療法としては、特性改善の取り組みがあります。これは特性の影響を改善したり環境を調整したりするもので、幼少期であれば療育が行われます。また、特にADHDに対しては薬物療法も用いられ、特に10代での悪循環を避けるために処方されることがあります。さらに、障害が残る部分に対しては福祉資源の活用も検討されます。
(3)発達障害は治療しないとどうなる?
発達障害を治療せずに学校や社会で生活すると、周囲との「ズレ」がある中での生活を続けることになります。その結果、二次障害としてうつ病や攻撃的な言動が現れ、将来の見通しを大きく損ねるリスクが懸念されます。そのため、近年では発達障害をなるべく早期に発見して療育につなげることが推奨されています。
学校生活では、周囲に合わないままの状態が続き、ストレスが蓄積していきます。その結果、トラブルを頻発して攻撃的な性格になり、道を踏み外してしまうケースがあります。一方で、過剰に適応しようとして一見うまくいっているように見えても、慢性的なストレスが蓄積してしまう場合もあります。
仕事の場面では、さらにそのズレが明確になり、ミスマッチから評価されず、職を転々とすることがあります。過剰適応していた場合でも、ストレスが限界に達してうつ病などの二次障害を発症することが少なくありません。中には、仕事への不適応が慢性化して社会的に孤立したり、引きこもり状態に至るケースも報告されています。
(4)発達障害の二次障害(治療しない場合要注意)
発達障害では、不適応やストレスから、うつ病などの二次障害を生じることがあります。これは元の障害と同様に生活に大きな影響を与えますが、発達障害自体と比べると予防や対策の余地がある面もあります。この二次障害をいかに予防し、改善するかが社会適応において重要な要素になります。
二次障害の例としては、まず「うつや対人不安」が挙げられます。特に受動的に過剰適応する傾向がある人に、これらの二次障害が出やすいです。この場合、うつ病や社会不安障害に準じた治療を行いますが、環境選びも重要になります。
次に「他者への攻撃的な言動」があります。これは外向きの二次障害で、周囲との関係でトラブルが頻発し、さらなる不適応の悪循環に陥りやすくなります。慢性化すると一種の人格変化のようになり、対処が極めて困難になることもあります。
ADHDの場合は、「DBDマーチ」と呼ばれる現象が知られています。これは、ADHDの衝動性などから不適応が続くと、さらに衝動性が増して攻撃的になり、次第に反社会的行動にも発展していく可能性があるものです。そのため、ADHDでは特に10代までの時期に必要に応じて薬物療法を導入し、この悪循環を防ぐことが重視されています。
また「衝動行為」も二次障害の一つです。これは初めは自分でカバーするための「自己治療」的な面もありますが、次第に習慣となって反復され、影響や危険性が強まることがあります。対処法としては、別の行動で置き換えることや、状況に応じた頓服薬の使用などがあります。
(5)二次障害に伴う様々な影響
二次障害が強まると、その後の人生にも大きく影響します。
慢性的な精神不調
二次障害としてのうつ病などが慢性化し、年単位で精神的な不調が続くことがあります。これが悪化すると、様々な精神疾患が合併した「重ね着症候群」の状態になり、困難がさらに強まります。複雑化した要素が絡み合うため、一般的な治療の効果が出にくく、不調が長引きやすくなります。
(参考:重ね着症候群)
発達障害に様々な二次障害が重なった状態を指します。うつ病などの精神疾患のほか、パーソナリティ障害的な人格変化も合併することがあります。一度重ね着状態が進むと対応が難しくなるため、そうなる前の予防が望まれます。
慢性的な適応困難
二次障害の影響で仕事ができない状態が続くなど、慢性的に社会適応が困難になることがあります。特にうつ病などを合併すると、慢性的な引きこもり状態に至るケースもあります。日常生活にも支障をきたし、援助が必要になる場合もあります。
(参考:引きこもりと発達障害)
発達障害に二次障害でうつや社会不安などが慢性的に合併し、症状が複雑化して慢性的な引きこもりに至りやすいことが指摘されています。
トラブルの反復
二次障害として攻撃的な言動を合併すると、対人トラブル反復の危険性が高まります。発達障害の特性と人格変化の両方が合わさると、さらにリスクは高まります。トラブルが積み重なると対策が困難になるため、そうなる前の予防が重要です。
(6)対策としての早期発見と療育
発達障害による二次障害の深刻な影響を避けるため、早期発見と療育の重要性が高まっています。二次障害が強まる前に早期発見し、療育によって必要なスキルを身につけながら二次障害を防ぐ方法です。近年の発達障害診断増加の背景には、こうした早期発見のための啓発活動があります。
早期発見と療育で行われることの例
個別や集団での働きかけ
行動分析を基盤として、特性を持ちながらも適応につながる活動を増やしていく取り組みが継続的に行われます。
環境調整
合理的配慮を行いながら周囲の理解も求め、環境から生じる二次障害をできるだけ防ぎます。
ペアレントトレーニング
本人だけでなく親も関わり方を学ぶことで、親子間の軋轢から生じる二次障害を予防します。
早期発見と療育で期待されること
適応技術の獲得
脳が柔軟な時期に特性をカバーする工夫を学び、身につけることができます。
二次障害の予防
ストレスの持続や不適応の繰り返しを防ぐことで、うつ病との合併を防ぎます。
自己肯定感の保護
学校などでの失敗体験の繰り返しによる自己肯定感の低下を、療育によって防ぐことができます。
(7)療育も万能ではない
療育は効果が期待できる一方で、万能ではなく弱点もあります。年齢的な問題から、どうしても本人より周囲が主体になりがちで、本人の意思がなければ効果が半減します。また、周囲が前もって挫折を防ぐことで、別の弱点が生じる面もあります。
療育の弱点になりうる点
主体が本人以外
どんなに精密な療育プログラムでも、本人に意欲がなければ効果につながりにくい面があります。
周りの金銭的・精神的リスク
家族などが「何とかしなければ」という思いから高額な方法を次々と試してしまうことがあります。逆に押し付けになってしまうリスクもあります。
強い主張を学びにくい
前もってサポートすることで「言いすぎて不適応になった」という経験がないことは、一見良いことですが、後に予想外の影響を生むこともあります。
(8)成人発見だと手遅れか?
成人後発達障害が発見された場合、確かに療育の機会を逃し、すでに二次障害の合併が多いなど、不利な点は多いです。しかし、困難な中でも自分で試行錯誤して生き抜いてきた経験は強みにもなります。成人の場合は「主体は本人」であり、実体験からの危機感と覚悟が変化のきっかけになることも十分あり得ます。
成人発見で不利になる点
療育が行えない
脳が柔軟な時期に系統的にスキルを獲得できなかったという不利は確かにあります。
二次障害の合併
成人の場合、多くはすでに二次障害を合併しており、特性への対応と二次障害への対処の両方が必要になります。
診断と受け入れの葛藤
成人では診断が一種のこれまでの自分の否定につながる面があり、心理的打撃が大きく、受け入れが難しい場合もあります。
成人発見で強みになる点
主体性と熱量
成人では自分が主体であり、これまでの葛藤が逆に変化への原動力になることがあります。
逆境を生き抜いた経験
特性改善の取り組みには辛さも伴いますが、これまでの経験からの覚悟が大きな力になります。「サバイバー」としての視点が活きてくることもあります。
試行錯誤の経験
「言いすぎて嫌な思いをした経験」と「過剰適応でつらくなった経験」の両方を積んでいることが多く、現実的な社会適応の方法を模索する経験があります。これは、療育で先回りしすぎると「言いすぎる」という経験がないため、どうバランスを取るべきか迷うケースよりも有利な面があるかもしれません。
(9)まとめ
発達障害は治療しないことで不適応の繰り返しから二次障害や引きこもりなどのリスクが高まります。そのため、近年は早期発見と早期療育が推奨されています。早期発見と療育によって二次障害を防ぎながら、特性をカバーするスキルを柔軟な時期に獲得し、適応の可能性を高めることが期待されます。
一方で、療育も万能ではない点があります。また、成人になってから診断を受け、すでに二次障害を合併していたとしても、これまでの経験と主体性を活かして取り組むことで改善の余地は十分にあります。
発達障害の治療や支援は、二次障害の予防と対処、そして本人の強みを活かした社会適応を目指すものであり、その人に合った方法を見つけることが何より大切です。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
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【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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