トルコの古代遺跡を巡る＝地中海沿岸の都市でローマ時代を体感

トルコの地中海沿岸に位置する都市アンタルヤとブルドゥルを訪れ、興味深いローマ時代などの遺跡を巡った。

　アンタルヤは地中海に面した高級リゾート地。昔から貿易で栄え、外国人観光客の３人に１人が訪れる人気スポットだ。夏は４５度にも達するトルコで一番暑い町でもある。

　アンタルヤから東に約４０キロ、車で約１時間走ると、世界でもっとも保存状態が良いと言われる古代劇場「アスペンドス」に到着する。建造は約２０００年前のローマ時代。１万５０００人収容でき、地中海周辺では最大級。今でもイベントで利用されているというから驚きだ。劇場の中央に立ち歌ってみると、心地よく音が響き渡る。

　地中海に面したシデは、ローマ時代に奴隷貿易などで栄えた港町。アンタルヤから東に６０キロほどの場所にあり、アポロン神殿が有名だ。青い海のすぐそばにそびえ立ち、夕日に照らされると、白い柱が鮮やかに赤く染まる。

　ミュラ古代都市遺跡群では、急峻（きゅうしゅん）な岩山に作られた数々の墓と、古代劇場を見ることができる。劇場で演じていた俳優の表情が彫られたレリーフが数多く出土している。

　アンタルヤの旧市街カレイチは、カラフルな傘が空いっぱいに並ぶ光景に目を奪われる。ここはケバブ屋さんとカフェが並ぶシェムシェリ・ソカク通り。カフェの店員によると「以前、ここには誰も来なかったが、傘を飾ったらたくさんの人が押し寄せるようになった」という。

　ブルドゥルの標高約１７００メートルに位置する「サガラッソス遺跡」は、天空の神殿と呼ばれる。ヘレニズム時代以前に栄えた古代都市で、１９９０年に発掘が始まり、現在も作業が進む。特に修復された泉が有名だ。かつて図書館だった場所は、モザイク調のデザインが美しい床面を保護するため、屋根が設けられている。手つかずの遺跡といった様子の古代劇場は、最上部から山並みの絶景を望むことができる。（協力＝トルコ共和国大使館・文化広報参事官室）

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