【ターボエンジンの燃圧を完全解説！】ターボエンジンの燃圧、正しく理解できていますか？

「アイドリング時の燃圧2.0キロですが、ブースト圧0.7キロの時は燃圧は2.7キロになる」

実はその考え方、間違いなんです。

この動画では、燃料噴射システムの基本から、ターボエンジンでの燃圧管理のポイント、そして実際のテスト方法まで詳しく解説！

1JZツインターボへスワップした130クラウンワゴンを使い、燃圧とブースト圧の関係を「ツインプレッシャーメーター」で検証。燃料ポンプの能力が十分かどうか、一目で判断できる方法を紹介します。

さらに、燃料ポンプの選び方や、高流量ポンプを使う際の注意点についても触れています。

「エンジンスワップやチューニングを考えている方」
「燃圧の仕組みをしっかり理解したい方」

必見の内容です！

正しい燃圧管理でエンジンの性能を最大限に引き出しましょう！

1JZ-GTEターボエンジンの燃圧とブースト圧の関係を理解する
燃圧の基本計算——これは間違い！
1JZ-GTEエンジンの燃圧は、アイドリング時 2.0キロ です。
では、ブースト圧 0.7キロ の時に燃圧は何キロ必要でしょうか？

単純に 2.0 + 0.7 = 2.7キロ と考えた方は、残念ながら 燃圧の仕組みを理解できていません。
しかし大丈夫です。整備士でも間違えることが多く、私自身もそうでした。

通常、燃圧不足によるエンジン不調が起こらない限り、燃圧について深く考えることは少ないものです。

燃圧を意識するようになったきっかけ
私は 自然吸気の1JZエンジン搭載のクラウンワゴン に、
1JZツインターボエンジン をスワップしました。

エンジンは 180ps → 280ps へとパワーアップ。
当然、ノーマルの燃料ポンプでは 能力不足ではないか？ と考えました。

そこで ボッシュ製の高流量燃料ポンプ へ交換を検討。
しかし、そもそも どれほどの燃料供給能力が必要なのか？ を考える必要がありました。

燃圧の仕組みを理解する
EFI（電子燃料噴射システム）の基本はシンプルです。

燃料ポンプがガソリンを 圧送 し、フューエルラインに圧力をかける。
インジェクターのノズルが開くと 燃料が噴射 される。
噴射量は 燃圧 × インジェクターの開時間 で決まる。
ECU（コンピューター）は燃圧が常に規定値であることを前提に計算している。
ターボエンジンでは 加給圧の影響を考慮する必要 があります。
例えば、ブースト圧 2.0キロ の状態で燃圧が 2.0キロ だった場合、
燃料は 一滴も噴射されません！

常に燃圧はブースト圧より高く保つ必要がある のです。

ノーマル燃料ポンプの能力テスト
クラウンワゴン（JZS130）は 外付け式燃料ポンプ のため、
マークⅡのインタンク式ポンプ は流用不可。

では、ノーマルのポンプのままで問題ないのか？
そこで、燃料ポンプの性能を 実際にテスト してみました。

高流量ポンプは 燃圧3キロ時に210L/hや280L/hの流量 を持っています。
でも、燃料タンクの容量は 70L程度。

「1時間で200L以上の燃料供給能力が本当に必要なのか？」と疑問に思いませんか？
実は、燃料ポンプから圧送された燃料は、
インジェクターで噴射された分以外は燃料タンクに戻される のです。

そのため、高流量ポンプを過剰に装着すると、
燃料が無駄にタンクとエンジン間を往復 し、 燃料の温度上昇 というデメリットも生じます。

燃圧テストの実施
重要なのは ブースト圧と燃圧の差圧を維持すること。
このテストでは トラスト製「ツインプレッシャーメーター」 を使用しました。

✅ 赤い針：燃圧
✅ 青い針：ブースト圧

テスト方法は簡単です。
アクセルを踏んでブースト圧が上がると、燃圧の針も 同じ角度で上昇 するか確認。
この角度が 高回転域でも保たれているか？ を見るのがポイントです。

テスト結果と考察
ブースト圧「0」の時 → 燃圧は2.7キロ
最高回転時 → 燃圧は3.4キロ（ブースト圧0.7キロ時）
ブースト圧上昇に対し、燃圧が適切に追従している
つまり、ノーマルの燃料ポンプでも この状態なら問題なし ということ。
ただし、ブーストアップを行う場合は 高流量ポンプへの交換が必要 になります。

燃圧を間違えた方も、これで理解できましたか？
💡 アイドリング時は負圧になっている
アイドリング時、インマニの圧力は -0.7キロ。
これを考慮すると、実際の燃圧は 2.0 + 0.7 = 2.7キロ となります。

エンジンスワップのような作業をすると、
普段の整備では気づかない 「当たり前の真実」 を発見することができますね！