Kiiro Art Works「Elegance of Silence」2012を映像化

2012年制作の作品「Elegane of Silence」を再構成、音楽を加えてムービーにしました。

ステートメントには当時の心境が綴られています。

制作しながら、なんだか今思い返してみると、とてもつらい日々の記憶が呼び起こされました。

日々の生活の中で、楽しいことや悲しい事、様々なことがあったりしますが、そうした体験した感情が作品に無意識のうちにも反映されていくものなんだと感じています。

コスモスをテーマとした作品を一貫して続けていますが、その中にもこの10年で様々な変化がありました。

こう話してしまうと暗い作品なのかと感じてしまうかもしれませんが、そうしたものではなく、むしろ希望を描いているのです。

暗闇の中だからこそ、感じる光があります。

そうした状況下だからこそ見えた光や、美しさがあるのではないかと感じるのです。

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Statment.
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That moment becomes eternal.

Saw the cosmos being dyed in the dusk when I thought that no value existed in my life. It was that moment. It all happened in that moment, but that light glittering silently felt like if it was shining my heart.

Now, after becoming an adult, I recall the intimate scenery that is different than that when looking at the cosmos. Scenery, which I thought that I care less, after decades,it has now turned into a scene of preciousnessthat appears as a new image. Those experiences give me a speechless impression, and make me think that true beauty exists within the decaying things and distant memories.

Myself when I was once a child does not exist. Yet, from the memories that are being recalled, the child inside me still lives, and everytime when encountering the moment of a cosmos being dyed by sunset, I became capable of being awareof the aesthetic nature of feeling the eternal inside the darkness without showing the entire picture known as the “Elegance of Silence”, a spiritual nature that the Japanese people valued from the ancient times. Thus, like “Noh”, a Japanese tradition including various elements in one move.

When the time comes when it is no longer available, that is, the time to realize that that is what constructs you. Because I went through a time facing pain and sadness, I was able to become aware of the beauty of cosmos. I exist because there was suffering.

I face the cosmos every year to ascertain my existence. I feel the small Cosmo inside little things. I can face it with a new feeling even after looking it any number of times and every year. What one adores can be seen forever. There is always a new discovery.
Kiiro


瞬間が永遠となる。

自分の人生に価値が無いんじゃないかと思った時、コスモスが夕暮れに染まるのを観た。その瞬間。それは一瞬の出来事だったけれど、静かに輝くその光は、まるで私の心を照らしている様に思えた。

大人になった今、私はコスモスを観ている時、それとは別の親密な風景を思い出している。どうでもいい風景と思っていたものが、十年二十年経った時、とても大切な風景に見え新しいイメージとなったりする。そうした体験をした時に、私は何も言葉が出ないような感動を覚え、もう二度と元には戻らない失ってしまったもの、遠い思い出や朽ちていくものの中にこそ、真の美しさは存在するのではないかと思ってしまう。

子供の頃の私はもういない。けれども呼び起こされる記憶の中で、子供の頃の私は今も生き続けていて、夕暮れに染まるコスモスのその瞬間に出会うたびに、日本人が昔から大切にしてきた精神性「秘すれば花なり」といった、全てを見せず瞬間の中に永遠を感じとる美的性質をしっかりと感じられるようになった。それは、１つの動きの中に様々な要素を含めた日本の伝統「能」のように。

手の届かないものとなってしまった時こそ、きっとそれは、今の自分を作り上げてきた大切な物になっていると感じる時なんだと思う。悩み苦しみの状況に対していた時だからこそ、私はコスモスの美しさに気がつくことが出来た。苦悩があって今の私が存在する。

私は毎年コスモスと向き合う。自身の存在を確かめるように。小さなものの中に心の宇宙を感じる。何度観ても、毎年見ても、新しい気持ちで向き合える。好きなものは時間を忘れていつまでも観ていられる。常に新しい発見がある。

Kiiro


2013年制作
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