【戦時下の性被害】95歳が初めて語る　78年間苦しみ続けた戦争の記憶　

終戦直後、ソ連兵に強姦されたという女性の叫びです。
「男の人ってこんなひどいことするもんかなと、
　手を握りこぶしにしてがまんがまんがまんって」
「１７歳だから…泣くことしか知らないじゃない。」
「４人並べて強姦されたこともあったよ」犠牲となった女性は語りました。

２０２３年１０月。女性のもとを訪ねました。
岐阜県出身の安江玲子さん当時９５歳。

語るのは７８年前の満州で起きた凄惨を極めた出来事。
１９３２年から日本が事実上の植民地とした満州。
国策として移住する人を募りました。
その数、全国で２７万人。

玲子さんも岐阜の黒川開拓団に入り家族で満州へ渡りました。

しかし、日本が負けるとすぐにソ連が満州に侵攻。

中国人など現地の人が家や土地を取り返そうと
暴徒と化し襲ってきたといいます。

さらに近隣だった熊本から来た開拓団が
暴徒の襲撃に耐えられず団員２７０人が集団自決を図りました。

黒川開拓団は、総勢６６０人。

集団自決も脳裏をよぎる中、
団の幹部が出した答えは、
侵攻してきたソ連兵に守ってもらうという選択でした。

その見返りは女性。
「接待」と呼ばれ２１歳ぐらいまでの
女性１５人が集められたといいます。

当時、学校の建設を記念してとられた写真。
ここに写るほとんどの女性が駆り出され
玲子さんもその一人でした。

岐阜県白川町黒川地区。

開拓団は帰国後、
女性たちの犠牲を弔うため
「乙女の碑」という像を立てますが
その一方で、
満州での出来事はひた隠しにしてきたのです。

ようやく碑文が建てられ
１５人の女性の犠牲が町の記憶として
残されることとなったのは２０１８年のこと。

戦後７３年もの時がたっていました。

この日、玲子さんのもとを訪れたのは、
岐阜県の黒川開拓団の遺族会です。

戦後７８年がたってようやく受け入れた謝罪です。

家族にも明かしていない満州でのこと。
こうして顔を出して取材を受けるのも初めてのことです。

かつての犠牲を受け入れるようになった
ひとつのきっかけは孫からの手紙。

玲子さんの体験が
本にまとめられる機会があり、
その本を孫が読み玲子さんだと気づいたといいます。



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