検査キットが不足 医師「医療機関に優先供給を」

感染急拡大が止まらない中、検査キットの不足が深刻です。症状があっても検査ができなくなる恐れも出てきています。

■待機期間が７日へ短縮

２７日のＢＳ－ＴＢＳ「報道１９３０」に出演した岸田総理は濃厚接触者の待機期間について次のように述べました。

岸田文雄 首相：
「オミクロン株の特性、さらには数字的なリスクの度合いを確認した上で、（待機期間を）短縮する方向で努力しています」

濃厚接触者の待機期間は１月、「１４日間」から「１０日間」に短縮されていましたが、複数の政府関係者によると、さらに「７日間」に短縮する方向で最終調整していることがわかりました。

■感染が急拡大 不足する検査キット

２７日の東京の新規感染者数は１万６５３８人。３日連続で過去最多を更新しています。

都内のＰＣＲ検査センターには長い行列ができていました。

検査を受けた人：
「週末に講座を受講する予定があって」
「自分が安心したいのもあるし周りも安心かなと思って」

都内の団地では高齢者などのため、大型バスを使った移動式の無料ＰＣＲ検査が行われていました。

感染者の急増で今、深刻化しているのが検査キットの不足です。

発熱患者の診察を行っている都内のクリニックでは、３歳の子どもが受診していました。父親がコロナに感染し、その後症状が出たそうです。

院内で検査を行ったところ、結果は「陽性」でした。

この日も発熱患者の受診が相次ぎましたが検査キットが無くなりつつあり、困っています。

クリニックの院長：
「ＰＣＲ検査キットが残り６個です。これだと多分明日か明後日には全部なくなります。抗原検査キットの残りが約１週間分くらいです。その後はもう入ってくる見込みが今のところ無いと言われています」

すでに検査対象は絞り込んでいますが、このままでは今後、症状のある患者も検査できなくなる可能性があると言います。

クリニックの院長：
「できたら市中で症状ない方に無料でやっているものを医療機関に回していただけると助かるなと思います」

薬局でも・・・

薬剤師：
「もう完全に売り切れてしまっています。朝の段階で１０個ぐらいはあったんですが、もう昼には無くなっている状態ですね」

「抗原検査キット」が品薄に。入荷の見通しも立っていないといいます。

■土日返上で生産するも・・・

生産現場はどうなっているのでしょうか。

全国に「抗原検査キット」を出荷している大分県のメーカーは工場の稼働時間を深夜０時まで延長し、土日返上で生産を続けています。更なる増産を検討していますが、人手不足もあり、追いつかない状況です。

抗原検査キットメーカーの製造部長：
「基礎疾患のある方など苦しんでいる人が最優先で使えるように購入を検討してほしい」

今後の検査体制について２７日、後藤大臣は・・・

後藤茂之 厚労相：
「有症状に対する行政検査を行う医療機関、自治体、配布薬局等へ優先的に配布をしていく。全体として十分な供給を確保していきたい」
（27日23:50）