＃568

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＃568　男性用着物の格式と種類｜フォーマルからカジュアルまで解説
   • ＃568　男性用着物の格式と種類｜フォーマルからカジュアルまで解説【岡崎市・おおがや...  

着物というと女性の華やかな装いが注目されがちですが、男性の着物にも明確な「格式」があり、シーンに合わせた着こなしが存在します。特に男性の着物は色柄が控えめであるため、一見すると違いが分かりにくいですが、実際には「紋の有無」や「生地」によってフォーマルとカジュアルがしっかり区分されています。ここでは、男性用着物の格式と種類を、フォーマルからカジュアルまで順を追ってご紹介します。
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１．フォーマルな男性用着物
まず、礼装や改まった場で着用される「フォーマル着物」から見ていきましょう。男性の場合、格式は主に「紋の数」と「羽織・袴の有無」で決まります。
黒紋付羽織袴（五つ紋付）
男性の着物で最も格が高いのが「黒紋付羽織袴」です。黒の無地の着物と羽織に、家紋を五つ染め抜き、袴を合わせたものを指します。
これは「第一礼装」と呼ばれ、結婚式での新郎や親族、格式高い式典、葬儀や法事など、最も改まった場面で着用されます。男性にとっての「モーニングコート」や「燕尾服」に相当する正礼装です。
色紋付羽織袴（三つ紋・一つ紋）
黒以外の色無地に家紋を入れ、羽織と袴を合わせたものは「準礼装」となります。色の種類は紺、茶、鼠など落ち着いた色が多く、三つ紋や一つ紋が一般的です。
結婚式の参列や格式あるお祝いの席、公式行事などにふさわしく、黒紋付ほど堅苦しくはないものの、しっかりと格調を示すことができます。
紋付羽織（袴なし）
羽織に紋を入れて袴を付けない場合も、やや控えめながら礼装として扱われます。略礼装に近く、友人の結婚式や改まった会食、茶会などで選ばれることが多いです。
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２．セミフォーマル・準礼装
フォーマルほど堅くはないが、ある程度きちんと感を求められる場で活躍する着物です。
色無地（羽織・袴あり／なし）
紋を入れない無地の着物は「セミフォーマル」として位置付けられます。羽織や袴を合わせると一段と改まった印象になり、観劇やお稽古事の発表会、同窓会など幅広いシーンで着用可能です。
おめし
撚糸を使った織の着物。
同じ先染めの織りの着物でも、「お召し」という種類のものは他の種類の紬類よりも格が上とされ、色紋付と同等の準礼装として着用できます。
これは、徳川家１１代将軍である徳川家斉（1773～1841）が好んで召したことから、将軍がお召しになられたということで「お召し」とまでの名が付き、現在でもこの風習が残っています。
縞柄の袴
縞の袴は男性らしい凛々しさを演出します。無地の着物に縞袴を合わせれば、フォーマル感を残しつつも程よく洒落た装いに仕上がります。茶道や能楽の舞台、伝統行事などに多く用いられます。
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３．カジュアルな男性用着物
日常的に楽しむ着物や、街歩き・趣味の場面で気軽に着られるものが「カジュアル」に分類されます。格式ばらず、個性や季節感を楽しめるのが魅力です。
紬（つむぎ）
結城紬や大島紬などに代表される「紬」は、糸を手で紡いで織られた着物で、独特の風合いと素朴な美しさがあります。基本的にフォーマルではなく「普段着」とされますが、近年はおしゃれ着として人気が高く、食事会や美術館めぐりなどにぴったりです。
木綿着物
木綿は吸湿性・通気性に優れ、気軽に着られる素材として人気です。普段の外出や散策、家庭でのくつろぎ着に最適で、洋服感覚で楽しめます。価格的にも手に取りやすく、着物初心者におすすめです。
ウール・浴衣
夏の代表的なカジュアル着物が「浴衣」です。もともとは入浴後のくつろぎ着でしたが、現在では夏祭りや花火大会などのイベントに欠かせない装いとなりました。帯は半幅帯や角帯を合わせ、素足に下駄を履くのが定番です。
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４．男性着物の着こなしのポイント
男性の着物は女性に比べて種類が少なく、一見すると地味に感じられるかもしれません。しかし、その分「格式をどう示すか」「小物でどう遊ぶか」がポイントになります。
紋の数で格式を示す：五つ紋＞三つ紋＞一つ紋＞無紋
袴の有無：袴を付けると一段格が上がる
素材で違いを出す：正絹（シルク）はフォーマル、木綿やウールはカジュアル
帯や羽織紐で個性を表現：シンプルな着物だからこそ、帯や羽織紐の色柄がアクセントになる
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まとめ
男性の着物には、女性ほど多彩な色柄がない代わりに「格式の段階」が明確に存在します。
最も格が高いのは「黒紋付羽織袴（五つ紋付）」
色紋付やお召・袴付きの着物は「準礼装・セミフォーマル」
紬や木綿、浴衣は「カジュアル」
このように、TPOに応じた着こなしを知っておくことで、男性の着物はぐっと魅力的に映ります。特に現代ではカジュアルに楽しむ人も増えており、普段着として取り入れるのもおすすめです。
着物は「着る人の姿勢や場をわきまえる心」を映し出すもの。フォーマルからカジュアルまで幅広い着物の世界を知ることで、自分に合った装いを楽しんでみてください。