【“古古古米”どんな味？】藤井キャスターが試食 コメのプロも「食べたことない」

29日、ついに2022年産の備蓄米の5キロ2000円での予約販売が一部で始まりましたが、開始直後に売り切れる事態が相次ぎました。一方、30日からは中小のスーパーなどを対象に2021年産の備蓄米の契約が始まりますが、どんな味がするのか、実際に試食してきました。

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29日午後8時ごろ――

小川つぐみ　news zero
「こちらのサイトでは、備蓄米の予約が始まりました」

ヤフーショッピングで予約販売が開始された備蓄米。しかし――

小川つぐみ　news zero
「予定数終了となっています」

およそ20分後には売り切れてしまいました。

29日、国会答弁で過去の政策の誤りを認めたのは“コメ担当大臣”こと、小泉農林水産相。

小泉農水相
「見通しを誤っていたこともあると思います。新米が出てくれば、（価格が）落ち着くと。結果そうではありませんでしたし、そして、備蓄（米）も放出をして下がることには残念ながら、今までなっていません」

一方、強調したのは――

小泉農水相
「週明けには2000円の備蓄米を見るわけです。そして町のお米屋さんに今度は1800円ぐらいのお米が行き渡ります」


週明けには消費者に2000円程度の備蓄米が届き始めるとの見通しです。

では、いつ、どこで購入することができるのでしょうか？

記者
「今、備蓄米を積んだトラックが到着しました」

29日、2022年産の“古古米”が届いたのは宮城県にあるアイリスオーヤマグループの精米工場。

早速、検査を行い玄米から精米作業が行われます。

アイリスオーヤマ・田中伸生執行役員
「品質・味いろいろな懸念の話も聞こえているが、検査した結果、特に問題なさそうということで、安心して商品を届けられる」

6月2日には宮城県内と首都圏の3店舗で、税抜き2000円の“古古米”が店頭に並ぶ予定です。

一方で、29日から始まったネットの予約販売は、わずか45分で売り切れに。

さらに楽天グループも29日、“古古米”の予約販売を始めましたが――

記者
「約10分で売り切れとなっています」

「入荷次第、随時販売を再開する」としています。売り切れが相次ぎ、争奪戦となる中、私たちの手元に備蓄米は届くのでしょうか？

一方、「転売」の対策に乗り出す企業も。

フリマサービス「メルカリ」は29日、備蓄米について出品禁止としたことを発表。ドン・キホーテを展開するPPIHは、週明けにも首都圏の一部店舗で販売を始める予定ですが、購入できるのはアプリ会員に限定し、購入数の制限も行う方針です。

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そして、さらに30日から始まるのが、2021年に生産された“古古古米”をめぐる新たな随意契約です。

28日、国民民主党の玉木代表は――

国民民主党・玉木代表
「1年たったら動物の餌になるようなものを『安く売ります』と言ったって安くでますよ。本当のニーズじゃない」

古古古米について、「1年たったら動物の餌」などと発言し批判が出る事態に。

小泉農水相
「事実としてはそうだとしても、いまこの放出のあり方に取り組んでいるときに、私としてはちょっと残念だなっていう印象です」

玉木代表は自身のXで――

国民民主党・玉木代表（Xより）
「5年持ち越した備蓄米は飼料用米として売り渡すことになっている現行の『棚上備蓄』制度を説明したものです」

などと釈明しました。

気になる味について、お米マイスターの資格をもつ米店の店主に話を聞くと――

内田米店店主
「（Q．2021年産は食べたことは？）ないです。味に関してはまったくわからないです。政府の倉庫に入ってたものなので保管状況はいいと思う」

コメのプロですら“古古古米”を「食べたことがない」と話します。

味に関しての情報が少なく“古古古米”への不安が広がる中はたして、その味は？

29日、農林水産省が開催したのはメディア向けの試食会。

news zeroの藤井貴彦キャスターも参加し、いま流通している新しいコメと2021年産の“古古古米”の味の違いをリポートしました。

藤井貴彦　news zero
「強いライトを当てると一粒のコメの透明感が若干、“古古古米”のほうがかすんでいるように見えました。強いライトを当てないと分からないくらいの差です」

藤井貴彦　news zero
「こちらが今新しい流通しているコメです」「口に入れた瞬間に、やわらかく甘い香りが口の中に広がります。さらに後味としても甘みが残っていますので、一番新しく流通しているお米だなということは食感からも、味からも、香りからも分かりました」

藤井貴彦　news zero
「続いてこちらが2021年産米、いわゆる“古古古米”」「若干ではありますが、香りの広がりは、2024年産米よりは小さいように感じますけど、噛めば噛むほど甘みが出てくる。そして食感のもちもち具合もほとんど変わりません」「私がこれを“古古古米”だと認識して試食しているということもあると思いますが、これを例えば新しいお米といわれても、分からないレベルかもしれません。味と香りと見た目で1番違いを感じる順番としては食べ終わった後の香り、そのあと見た目ですね。ここにわずかな差があるくらいです」

試食会を開いた小泉農水相も――

小泉農水相
「ちょっと硬いかな。これ率直に、ぼくはどれを食べてもおいしくいただけます」

2人とも味・においに「そこまで違和感がない」という感想。専門家は、備蓄米が玄米で保管されていることがカギを握っていると言います。

新潟大学・三ツ井敏明特任教授
「時間がたってお米に含まれている油、脂肪分が酸化をして（においの原因になる）ヘキサナールができるんですけど。それは主に表面ですね。玄米の表面に多いんですよね。だからそれを精米して周りを取り除いてやれば、白米にしてやれば、ある程度それを除けるんですよね」

玄米から精米直後の状態では“古古古米”をおいしく食べられるのだといいます。

試食の後、news zeroのインタビューに答えた小泉農水相。

――ここまでご自身のスピード感はどう感じていますか？

小泉農水相
「自分としては求められている結果を早く出す必要があるということで、6月2日には店頭に並ぶということですので、ご協力いただいた皆さんに感謝したい」

――後に出てくる備蓄米（2023年産古米）の価格に影響を与えてくれたらいいなと？

小泉農水相
「そうならないと、全体の去年から2倍、2.5倍上がっている価格は下がりません。世界のどの国でも手をこまねて放置している国はないと思います。今回は緊急事態ということでご理解いただきたい」

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29日夕方、会議室に集まっていたのは、埼玉県にあるスーパーの代表ら。


「ご参加の皆様聞こえますでしょうか？」「どなたかリアクションしていただけると大変助かります」

30日から始まる、“古古古米”の随意契約に関する農林水産省のオンライン説明会に、参加していました。

そこで明かされたのは、申し込み条件。

それは、精米能力がある小売店、または、見込みも含め、年間1000トン以上、1万トン未満の取り扱いがある、中小の小売業者でした。

スーパーマルヤス代表
「買っといて良かったね精米機」

年間の取扱量は1000トンに届かないものの、備蓄米を取り扱うにあたり事前に精米機を購入していたため、条件をクリア。

申し込みについては――

スーパーマルヤス代表
「（Q．30日に向けて準備は進める？）きょう中に書類をそろえて、あすの申し込み受け付けに備えたい」

スーパーマルヤス代表
「（Q．“古古古米”を販売するとき、どういう工夫をする？）サンプルをお客様に見せて販売したほうがいいのではないかと話していた」

店舗には、29日もコメを買いに来た客の姿が――

一人暮らし・会社員（23）
「（Q．（今後）備蓄米が店に並ぶ可能性があるが？）僕自身、このお店に結構来るので、備蓄米、安いコメが並んでくれたらうれしい」「（Q．“古古古米”が使われて食感が違うかもしれないが？）特に気になったりはしない。値下げされたコメが買えればいい」

3人家族・会社員（50代）
「（備蓄米は）自分が買うかと言われたら買わない。おいしいコメを食べたいから、古いのは味がどうしても…。“古古古米”見たことないので…」

先ほどの、お米マイスターがいる米店も、条件をクリアしているといい――

内田米店店主
「うちの店で売れるコメがなくなっちゃうと大変なので、（備蓄米は）なるべく仕入れたい」

店頭で売っているコメが底をつきそうな状況だといい、新米が出るまでのつなぎにしたいといいます。

ただ――

内田米店店主
「できたら大型スーパーさんみたいに、（2022年産米を）私たちにも売ってほしかった。でも全然売っていただけなかったよりいいので、大臣に感謝しなくちゃとは思っています」

新たな随意契約で放出される“古古古米”は、店頭で5キロあたり1800円程度で販売することを目指すとしています。
(2025年5月29日放送「news zero」より）

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