第289回「熱量とはなにか、長い話ってどうやって描くんですか」【人生思考囲い】
Автор: WEBラジオ『人生思考囲い』
Загружено: 2022-12-30
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★ゲスト…ニャロメロン、ダ・ヴィンチ・恐山
■熱量とはなにか
・お便り「漫画の『熱量』ってなんだと思いますか?漫画の感想や紹介文で、『熱量がある』という表現が使われているのを何度か目にしたことがあります。自分自身でも使ったことがあるのですが、改めて考えてみると『熱量』ってなんなのでしょうか?私は、柴田ヨクサル先生や島本和彦先生の漫画に『熱量があるなあ』と感じるのですが、なぜそう感じるのかと聞かれると困ってしまいます。どちらも勢いやスピード感のある漫画だと思うのですが、それが『熱量』なのかというと違う気がします。漫画の『熱量』とはなんなのか、また『熱量』が伝わる漫画とはどのようなものなのか、お三方のご意見をお聞きしたいです」
・ばき「集中線が激しいとか線が太いとかじゃなくて、作者が自分の作品に自己陶酔してるかどうかがポイントだと思います」→静かなのに熱量を感じる作品→『ヒストリエ』
・中野「お便りに挙げられているような表現は熱量として分かりやすいですよね。俺がもし、このシーンは熱量を感じさせるぞ!となったら、何らかの『過剰さ』を演出するかな~とは思います」→過剰な荒々しさ、過剰なセリフ量、過剰な書き込み…
・手塚「熱量って、受け取った人がどう思うかの話だと思うんで、作品を通じて作者とコミュニケーションが成立する方が熱量を感じやすいんじゃないかと思います」→別に分かってもらわなくていいよ!という態度の作品だと、熱量は受け取って(感じて)もらいにくい
・恐山「熱量って言いかえればカロリーですよね。読者がそれを受け止めて消化する為に、凄くエネルギーを使うような内容は、熱量があると言えるのでは…と思います」→シナリオの面白さ以外の部分で“アテられて”しまうような要素
・メロン「ギャグの熱量の話だと、笑わせようとするほど『必死感』みたいなのは抑えた方が良い気がしてますね」恐山「ダウンタウン世代だ…」→M-1を見て、漫才師一生懸命やってるな~と思うと、笑いから気持ちが離れてしまうかも
・中野「手塚さんのコミュニケーションの話、そうだな~と思いました。俺は過剰さが熱量を連想させると思ってるけど、ただ無軌道にガーッと書かれた線よりも、それがキャラクターの絵だったりとか、なんらかの読み解きが出来る方が熱量は感じやすいんだろうなと…」
・作者のフェチが透けて見える→『スシシスターハンター』にはメガネキャラしかいない→ばき「それって熱量ってことでいいの!?」恐山「栄養の偏りは感じますよね」
・読者とのコミュニケーションが成立する熱量、しない熱量→恐山「こんな表現したら読者を突き放しちゃうかも…って不安を除外しようとすると、鉄板の置きにいった表現にしかならなくて…熱量のある表現にはならない気がします」中野「読者から『熱量ある~!』って思って貰えるように、もう一歩だけあえて鉄板からはみ出しとこうかなァ!」→熱量キャラを装った計算キャラ
・島本和彦先生の作風→熱量のパロディギャグ→恐山「熱量っぽさの裏にある、本質的な陰気さの方にむしろ熱量を感じますよね」ばき「熱量に対しての道化芝居が島本先生の良さですよね」
・手塚「自分の表現って絶対に100%は伝わらないじゃないですか。でも、だったら最初から300%伝えるぞ!という意気込みでいくと、熱量のある表現になる気がします」
■長い話ってどうやって描くんですか
・恐山「最近ワンピースを読み始めたんですけど、こんなに長い話どうやって考えてるんだろう?って不思議に思っちゃって…。仮に10巻くらいの作品だとしても、千ページ以上は書かなくちゃいけないわけですよね?無理じゃないですか!?」ばき「でも恐山さんの書く小説を漫画にしたら、演出とかでページが増えて、単行本3巻分くらいにはなるんじゃないかな~と思いますけどね」
・恐山「最初にこういう話を書こうかな~っておぼろげな全体像を設定しても、いざ始めると、どうしても書きながら考えるフェーズが発生するじゃないですか。それでいて最初に設定した地点に着地しなくちゃいけなくて…。で、それらを様々なスケールで繰り返すのが長編連載の執筆だと思うんですけど、それってアマチュアの作家は滅多にしない試みだろうと思うんですよ。プロになって始めて挑戦するであろう長編執筆なのに、皆どうして上手くいってるの?っていう…」メロン「確かに、みんな読切でデビューするのに、いきなり長期連載出来るの凄いですよね」
・読切と連載の違い、難しさ→中野「読切はテーマとか問題を設定して、それらの変化や解決までを描けばそれでいいんですけど、連載でそれをやると話がそこで終わっちゃうんですよね。だから基本的には、連載って遅延が必要で、その遅延をいかに魅力的に描けるかの技術が求められるんだと思ってます」→ラブをコメで遅延させるのがラブコメ
・中野「多分、どんな遅延を描くか=どんなジャンルで描くかだと思っていて…読切はジャンルをそこまで意識しなくてもヒューマンドラマ的な流れで成立するけど、長期連載には遅延=ジャンルの設定が求められる…という点が、違いであり、難しさだよな~と思います」
・メロン「『ベルリンは鐘』を描いていた時、ギャグを入れると話が全然前に進んでくれなくて滅茶苦茶困ったんですよね。ストーリーの楽しさも描きたいのに、例えばゲームセンターを舞台にしたらまずクレーンゲーム、次はエアホッケー…みたいな感じで、ギャグだけでその回が終わっちゃうんですよ!」恐山「メロンさんのギャグは特に話を止めるギャグですからね」
・『ゴクシンカ』は続けようと思えば100巻続けられるのか?→手塚「僕も長期連載の描き方が分からなかったので、ゴクシンカは毎回読切形式で描いてるんですよね。次回に何が起きるかは僕にも分かってないです」恐山「オシシ仮面と同じ作り方だ」→全体を見た時に矛盾が出ないようには気をつける
・手塚「僕が今意識しているのは、キャラクターとストーリーは相反するもので、綱引きをさせた方が良いという事です」→ストーリー的には〇〇だけど、キャラの感情的には☓☓だよな→そのニつを戦わせることで、目的地までの間をあっち行ったりこっち行ったりする
・恐山「ワンピースを読んでると、たしかに伏線や構成の見事さを感じるんだけど、同じくらい滅茶苦茶適当だなこの漫画!とも思うんですよね。アラバスタ編でも、急いで移動しなくちゃいけない!って展開の時に、デカくて速いカニがいたから大丈夫!とかで解決するんですよ」→ギャグ描写による無理やりな展開→実は全体の整合性を保つために巧妙に配置されている
・恐山「ワンピースにおけるギャグの要素って添え物じゃなくて、実は作品のシナリオの根幹を支えているんだなと思います」中野「デカいカニが急に出ても大丈夫な世界観や作風が構築出来てるってことですよね」
・変に真面目だと砂漠横断編とかを描き始めちゃうかも→ばき「デカいカニが必要なら躊躇なく出す勇気が必要!」
・恐山の作風→小説ではストーリー、漫画では詰め込みショートギャグ→コミPo!を使ったポリゴンでシナリオ重視の作品を描く難しさ
・コミPo!を見るとくーろんず、クリスタの3D男性モデルを見ると風呂男を連想する
・恐山「ある程度の長さの作品を編集者さんと打ち合わせしたこともあるんですけど、ひとつとして企画がモノにならず…どこかで衰弱死してしまいました…」
・『君の戦争、僕の蛇』はどうやって長い話を書いてる?→中野「君蛇は読切にしようと思えば出来るだろうし…とにかく面白い遅延を意識して頑張ってる感じです」ばき「中野さんは遅延よりも話を畳む技術が上手いよな~と思います」→遅延にあまり興味がないのが中野の弱点説→中野「日々挑戦です」
・手塚「長期連載は主人公が精神的…人間的な成長を果たすと終わっちゃうので、そこは描くのを我慢して、それ以外の部分を成長させてる気がしますね」→こち亀やゴルゴは主人公が成長しない
・メロン「ロードムービーが一番良いんじゃないかな。主人公が訪れた土地の困りごとを解決して、人々の変化を描いて、そしてまた新たな土地へ…っていう」→ワンピースもその形式
・主人公の成長のリセット→清麿が悪夢でアンサートーカーを失う→YAIBAは扱う剣を変える事でリセット
・恐山「私は作品のコンセプトやアイディアの部分に一番面白さを感じるタイプで、それを描いていく過程の部分は贅肉的に感じちゃうところがあるんですけど…」→戸塚たくす『ゼクレアトル〜神マンガ戦記〜』→作品コンセプトの露出具合が凄い
・恐山「贅肉がついた方がね、セクシーな漫画になる」
・中野「多分、長編を描く際にはコンセプトやテーマよりも、デカいカニを描くことに喜びを感じられるようになる方がいいんですよね…」恐山「私、まだ自分のデカいカニを見つけられてないのかも…」
・手塚「テーマを自分の中でしっかりブラさずに意識しておければ、過程がいくらブレても一貫性のある話に見えると思うんですよね。」メロン「テーマね…考えたこと無いな…」→金田さんはテーマがあるでしょ!→『毎回エッチな目に合う』ことさえブラさなければセレブじゃなくなっても構わない
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