【Sound Visualization】【アートノベルクラシック】#01 Rachmaninoff Etude Tableau Op.39-1 ー 小宮ゆきゑ Yukie Komiya
Автор: Yukie KOMIYA 小宮ゆきゑ
Загружено: 20 апр. 2025 г.
Просмотров: 122 просмотра
曲 Composer:Sergei Rachmaninoff
演奏 Piano:小宮ゆきゑ Yukie Komiya
映像 Movie:小宮ゆきゑ Yukie Komiya
小説 Novel:小宮ゆきゑ Yukie Komiya
MIX:小宮ゆきゑ Yukie Komiya
公式Instagram
https://www.instagram.com/yukie_komiya.pia...
【小説】
夜。最近全然寝付けなくて困る。今日は疲れて帰ってきたのにな、と思いながら寝返りを打つが、どうにも寝られない。いっそのこと窓を開けて夜風にあたろうと、ベッドから抜け出した。
窓を開ける瞬間の強い風で目をつぶったが、そっと開けるとそこは、いつもの何の変哲もない街並み……ではなかった。
何かが街の上に覆いかぶさっているような。黒い靄(もや)が、街を隠しているような感じだ。街も、いつもなら、ここ14階(最上階だぞ。いいだろ)だから結構光が見えるのに、今は淡い、弱い光が所々見える程度だ。
少しの間立ち尽くしていたが、急に空が激しい光を発した。雷?
よく見ると街の黒い靄も一部が強烈に光っている。反射的に光ってからの秒数を数えると、4秒ほどで爆音が鳴り響いた。稲妻で割れた雲の中から、光の粒が零れ出した。それらは、くっついたり離れたりしながらどんどん増えて、何かの生き物のように空を移動した。膨張と収縮を繰り返し、どんどん自分の方へ近づいてきた。少し恐怖を感じて後ろに下がろうと思ったが、何故か体は固まっていて動かなかった。声も出せない。冷や汗が出てきた。速度をゆるめず近づいてくるそいつを見ながら、どうすることもできずにただ立っていた。目の前がぱぁっと光り、そのまま光に包まれてしまった。
ずっと見ていると目が慣れてきて、その光の中にある何かが見えるようになってきた。小さい線香花火のような光が遠くでちらちらと揺れている。定期的に色の変わるそれは、人の鼓動を表しているようだった。
今まで近づいてきていたのが嘘のように、遠くの線香花火はただ揺れているだけだった。それなのになぜか、その光から目を離すことができなかった。さっきまで動かせなかった手が動かせるようになっている。光をつかみたくて手を伸ばすと、そいつはふわっと避けた。意志を持ってる。何度もつかもうとしたが、毎回ぎりぎりのところで指の隙間を抜けてしまう。ほわほわと浮かぶその光は、まるで「ついてきて」と言っているようだ。そっと手を差し出すと、待ってましたというように手の中に収まった。贅沢な奴。
「なんか、お前、生きてる?」
正体を知りたくてつい零れた言葉に光は反応したらしく、さっきまでより激しく光った。
「まぶし……じゃあ生きてるんだ。なんで喋らないのさっきから。眩しいんだけど」
そう言うと、光は少し小さくなった後、ぽわっと大きくなり、音を発した。
《ごめん。最近人間界来てなくて忘れてた。眩しいんだったね》
今までより少し落ち着いた光の、テニスボールくらいの大きさの球体が、揺れながら手に乗っていた。
「お前、誰なの…?」
手に乗った光は、重さこそないが何か圧というか、ぴりぴりと手の表面に感じるものがあった。
《さあ? 分かる時は来るだろうけど》
物語の主要キャラみたいなセリフを吐いたそいつは、手の上が気に入らないのか暴れ始めた。浮いてるんだから自分で移動すればいいのに、と思った。するとその光は、
《別に。気に入らないわけじゃない》
心読まれた? こわ。てか何だその使い古したようなセリフ。ツンデレかよ。
気付くと、今までびっくりするほど光っていた部屋はいつのまにか夜のように戻っていた。でもよく見ると、なぜか全ての家具やら壁やらが真っ黒だ。いつもなら夜でもここまで黒くは見えないのに。
「お前、なんかした?」
《別にー。何にもしてないよ? ただそこにあっただけ》
「その言い方…絶対何かしただろ!」
《してないって。たまたま来たのがここだっただけだよ》
「来て何かしたんだろ!? じゃなかったらこんな…こんな真っ黒じゃないはずだ!」
声はヒートアップするが、何故か心の中は冷静だった。というか、何も考えていなかった。
《一回落ち着こうよ》
「落ち着けないよ! ここ賃貸なんだぞ!」
そう叫ぶと、その光はため息をついたみたいに見えた。
《分かったよ。見せてあげる。時間戻すね》
「ああそうかい、勝手にし…!?」
言い終わらないうちに、窓の外で轟音が鳴った。急だったから驚きはしたが、何だか聞き覚えがある気がした。近くによって外を見ると、さっき見たのと全く同じ光景が広がっていた。光が近づいてきて、部屋に入ろうとした瞬間、意識が途切れた。
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「うわ、今雷落ちた? 近くない?」
「っぽいね…あー、あそこの14階建てのマンション…黒焦げじゃん……」

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