Yukari Channel

視覚障害者が健常者と同じように働けることを示す動画を発信していきます。
8か月ほど前、精神崩壊しそうになった出来事がありました。長年夢見てきた仕事の採用試験を受けさせてもらえなかった。応募資格は満たしてましたが、人員の関係上、筆記試験の点訳や試験時間延長に対応すると本業に支障が出るから、試験における合理的配慮はできませんって、電話で言われました。訴えられないように、障害者差別解消法を調べた上での安全な答え。
「合理的配慮はできませんっ」て電話が来た時、先方が言ったのが、「この仕事は海外で働いて頂くのが前提ですし、障害をお持ちでそのあたりは大丈夫なんですか?それと、語学力や修士号など、そもそも応募資格がありますからね」と。試験における合理的配慮はしないと言ってる人に、自分が応募資格を全部満たしてるとアピールしても無意味なので、それ以上詳しく言わなかったですけど。
先方も悪気はなかったのでしょう。障害者が海外で働いたり、英語ができたり、大学院でてるわけない。それが世の中の暗黙の認識なんだなって。
 私はこの仕事を3年以上夢見てきた。そのためにキャリアアップしたくて北海道に来て雪を耐えてきた。英語力の証明をするために半年受験勉強した。それがまさか、採用試験を受けられない壁で、全て崩れ去るとは・・・。大学院もこれのために出たのに。返してほしい私の人生を、数年の時間を。
立派な差別だから訴えたほうがいいと言ってくれる人もいました。でも将来就きたい仕事先と戦って、たとえ道が開けたとしても四面楚歌ですし、そこから良い方向へ変わっていく道筋が、戦いからは想像できなかったんです。いくつかフィリピンで障害者の社会参加の道を開く奇跡を起こしてきた私。1度もフィリピン政府と戦ったことはありません。
そうじゃなくて、味方にする、ファンにする、それが石田由香理ならではのやり方なはず。まずは世の中の認識を変える。
もし奇跡が起きて、国会議員や大臣と呼ばれる方々に、私もこの職に応募させてください、試験受けさせてくださいと直談判出来る日が来た時、必要なのは視覚障害者が対等に働けることを証明することだと思ったんです。
何年かかるかわからない。でも世の中の障害者に対する認識をポジティブに変えたい。出来ればこの動画が、後輩たちの、英語版はフィリピンの仲間達の道を開くきっかけになればと思っています。