『平家物語』(巻第九)「敦盛の最期」
Автор: URAKABE shoichi
Загружено: 2025-11-26
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【あらすじ】
平家は一の谷の合戦で源氏に敗れ、敗走します。
そこで、源氏の武将・熊谷次郎直実(くまがえのじろうなおざね)は、手柄をあげるための敵将を探し、平家の公達(きんだち:貴公子たち)を追走します。
その時、沖の助け舟へ逃げようとする、芦毛の馬に乗った一人の武者を見つけ、呼び止めると、その武者は引き返してきました。
組み伏せて顔を見ると、まだ十六、七歳の若武者でした。
若武者は直実に「ただただ首を取れ」と言います。
直実は、我が子の小次郎の姿を思い出し、その若武者を見逃がそうとしますが、 振り返ると源氏の軍勢が迫ってきます。
前後不覚に陥った直実は、せめて自らの手で討ち取り、その後の供養をしようと、泣く泣く若武者の首を取リます。
若武者の首を包むため、その鎧直垂を解くと、腰に錦の袋に入った笛が差されていました。
夜明け頃、平家陣内から聞こえた笛の音はこの者であったかと、戦場にまで笛を持参する若武者に直実は感涙します。
後に、その若武者が平敦盛(生年十七歳 )だったと知ります。
武芸の家に生まれたばかりの無情な因果に、直実は強く心を痛めます。
これをきっかけに直実は法然(浄土宗)のもとへ出家し、「法力房蓮生(ほうりきぼうれんせい)」と戒名を名乗り、熱心な念仏信者なったといわれています。
ちなみに、「蓮生」とは「泥沼の中でも蓮(ハスの花)のように清らかに生きる」という願いが込められているそうです。
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