なぜ診断名が違うの? 不安症、社交不安症、回避性パーソナリティ症~ひきこもり
Автор: 精神科医がこころの病気を解説するCh
Загружено: 2025-01-13
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00:00 OP
01:19 うつ病との違いはわかりにくい
03:40 対人不安の治療
07:50 鑑別、合併症の有無
11:53 パーソナリティ機能
15:21 回避による負のループ
17:58 治療
18:54 コミュニケーションとは
21:53 慣れていくこと
23:49 本日の宿題
本日は不安症の解説をします。
不安症、社交不安症、回避性パーソナリティ症、そして引きこもり、ここら辺のお話しをします。
これらは病院によっては不安症と診断されたり、別の病院へ行ったら不安神経症と言われたり、社交不安症と言われたり、回避性パーソナリティ症と言われたり、違う病気なのか同じ病気なのか迷いますよね。
それもそのはずで、診断基準は教科書的には明確に分かれているのですが、臨床的にはどこからがパーソナリティ症で、どこからが社交不安症かという区別をつけにくいんです。
何となく回避性パーソナリティ症の人の方が重くて社交不安症の人が軽いという差はあるんです。
神経症水準なのか、人格障害水準なのかという言い方をしますけど、意外と分けにくいというのがあります。
ひきこもりも同じです。
どこからが病気か分けにくかったりします。
◾️うつ病との違いはわかりにくい
同じようにうつ病との違いというのもわかりにくかったりします。
うつ病というのは、うつがひどい時の急性期とうつが良くなった時の維持期、再発予防期間、良くなった寛解期は違うじゃないかと言われそうですけど、そういう区別の差が、アップダウン差が結構あるんですが、不安症というのは教科書的には低め、ずっと低め安定というか、ずっと低い状態なんだけども、でもやはり波があったりするので、意外とわかりにくかったりするです。
実際、脳神経科学の世界でも、頭の中を開いてみても、扁桃体が同じように活性化しているいうのはわかってるんだけど、どこからが不安症でどこからうつ病かはちょっとわかりにくいんです。
頭の中を開いてもわかりにくいので、まだまだよくわかってない分野だというのがわかります。
いずれにせよ扁桃体を中心とした異常活性化が起きているというのは、うつ病にしても不安症にしても同じで、そういう病態なんだということでしょう。
これから脳神経科学がもっと発展したり、精神医学がわかってくると、違いというか、どういう風に治療したらいいのかわかるんでしょうけど、今のところは考えても考えてもよくわからないということです。
何が言いたいかというと、病名にこだわらないというのが大事だったりします、視聴者さんや患者さんから見てみると。
研究者は違いますよ。
でもそう言うと、障害年金など福祉制度の適応じゃないというのが出てきますと言われるんですけど、その場合は重症度に合わせてうつ病と診断する、うつ病を広めにとるということもあるかなという気はします。
◾️対人不安の治療
対人不安というものについて考えていくと、対人不安というのがこれらの病気の中心なんです。
対人不安、人が怖い、人に対して不安を感じやすいというのがあるんですけど。
どうやって治療していくかということなんですが、心というのは基本的に脳なんです。
遺伝子という、DNAという設計図を元に、タンパク質によって合成されている、その設計図でタンパク質を使って作られた生物学的な機械とも言える脳なので心とは、その脳が生み出している現象でしかないので、脳によって、不安を感じやすい脳や感じにくい脳があるんです。
感じやすい脳の人に対しては、SSRI、抗うつ薬をしっかり入れてあげた方が扁桃体が活性化しにくいよ、つまり不安を感じにくいよというのがわかっているので、薬を入れてあげる。
心は脳だけじゃなくて、脳がハードウェアの問題だとしたら、ソフトウェアの問題もあるわけです。
記憶の問題などがあったりするんです。
過去に嫌な経験をしてたりするともう嫌なのよ、人が。
家族から虐待を受けてた、いじめがあった、色々なことをされているともう人間嫌いになってしまうんだよね、嫌な思いをしているから。
その場合はデータの問題なので、記憶の問題なので、記憶に対してどうやってアプローチしていくのかというと、記憶の上書き。書き換えというのはできないので、記憶に何かを足してあげることで修正して対人不安を和らげた方がいいよということなので、記憶にアプローチしていく。
記憶にアプローチしていくにはどうしたらいいのかというと、認知行動療法だったり弁証法的行動療法をすることによって、心の問題を論理的に整理することで明らかにする。
不安というのは未知だから不安なのよね。
明らかにすれば不安は減るわけです。
ただの問題になる、葛藤になるので、こういう風に自分の心についても論理的に整理して可視化していくというトレーニングをしてあげたり。
人間って何?なんでそんな非合理的な行動をとるの?不可解な行動をとるの?意味わかんね、ということをいっぱいするわけです、人間って。
そういうのを理解するためには無意識を理解する必要があるので、精神分析だったり、対人関係療法だったり、家族療法だったりで、家族とはどういうものなのか、人間の集団はどういうものなのかを学んだりすることで、納得いきやすい、理解しやすいものに変えてあげる。
あとは不安な時って心臓の動きが速くて呼吸も浅いんです。
なので脳は不安を感じていると逆に、不安を感じていても、呼吸を穏やかにして、心臓の動きをゆっくりに戻してあげれば、頭の不安は減るんです。
これの体得、呼吸による不安のコントロール、気持ちのコントロールをある程度マスターしてあげると良いので、これもいい治療なので、マインドフルネスを中心としたそういう呼吸法のトレーニング、自律神経訓練法みたいなものもマスターすると対人不安にいいかなという感じです。
そうは言ってもハードウェアとソフトウェアの問題だけじゃなくて、周りの環境によって不安を感じやすかったりするんです。
ありますよ、僕もね。
例えば、普段はいいけど、医局カンファに逝ったら緊張する、苦しくなる、どこかプレッシャーのかかるところに行くと緊張する、プレッシャーのかかるイベントにずっと参加し続けていると神経が摩耗して対人不安が強くなるなどありますから、働き方を含めて環境調整してあげるというのも、対人不安を良くするための治療かなと思います。
芸能人みたいにずっと人前に立ってワーッと言われて、賛否両論を受けて、Xで匿名で悪口を書かれたりしてたら、そんな環境に身を置いていたら、ずっといたらやはり対人不安になりますよ。
そういう意味で対人関係調整をしてあげるというのも一つの治療かなということです。
◾️鑑別、合併症の有無
似たような病気もあるので、その鑑別ないし不安神経症や社交不安だけじゃなくて、合併している場合もあるので、合併症の可能性もあるので、ここら辺の注意も大事だよということで挙げます。
例えばうつ病です。
うつ病と不安症が合併してる。
もともと不安症、社交不安がある人がだんだんストレスを蓄積することによってうつ病を発症してしまう、双極症を発症してしまう、統合失調症を発症してしまう、強迫性障害を発症してしまうこともあるし、人が怖いというのが強迫性障害の二次障害でこうなってしまうこともあったりする。
双極症や統合失調症、うつ病などの二次障害として不安症を発症してるんだけど、不安症ないしうつ病の症状で不安になってるんだけど、対人不安が悪化してるんだけど、それが気付かれてなかったりする可能性もあったりします。
あとは知的能力の問題というのも結構あって、精神発達遅滞、つまり知的障害の人たちや境界知能の人たち、発達障害の人たちの中には人間理解というのが浅く、色々なことをしてくるけど何なのこれ、と言って、人間や社会に対してあまりにも不可解なことが多すぎて、自分の脳の処理が追いつかなくて、結果的に人間嫌いになってしまう、不安が強くなってしまうということもあります。
あとはパーソナリティ症ですね。
パーソナリティ症の人たちの中で、人間が苦手になってたりする人たちもいます。
色々なパーソナリティ症がありますけど後で説明します。
対人関係機能が低い人が多いんですね、パーソナリティ症というのは。
病気の定義としてそういうことになってるんですけど。
なのでこういうこともあったりする。
★動画の文字起こしはこちらのnoteに【全文掲載】されています。
https://note.com/wasemenblog
(文字起こし自体がない動画もあります)
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