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「障害があっても一緒に学びたい」 葉月さんが選んだ一般の中学校生活 その課題は?

Автор: HTB北海道ニュース

Загружено: 2024-08-13

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重い障害を抱えながらも4月から地域の一般の中学校に通い始めた、旭川市の葉月さん。
支援体制や学習の方法は、手探りの状態が続いています。障害がある子どもとない子どもが一緒に学ぶために、必要なこととは

中学1年生になった渡邉葉月さん。この日は、新たなスタートを切る、大切な日です。

母・千香子さん「制服もきょうだけじゃなくて、毎日着るからね」
葉月さん「慣れない」
千香子さん「すぐ慣れるよ」
葉月さん「『慣れない』って言ってるけど、内心めっちゃうれしい」
千香子さん「行きたかった学校に行けるっていうのはすごく幸せなことだよね」

およそ4年半前に突然倒れて障害を抱え、通うことになったのは、市内の特別支援学校。
「みんなと一緒に学びたい」。葉月さんの希望が叶い、自宅近くの旭川市立中央中学校に入学しました。小学生の時に交流した友達と、再会することもできました。

葉月さんが所属するのは、体が不自由な生徒のための「特別支援学級」。
大勢の生徒がいる「通常学級」と授業によって行き来することになります。
旭川市では、人工呼吸器をつけた子どもを地域の学校で受け入れるのは、初めてです。
市は、学校で痰の吸引などの医療的ケアを行うため、看護師資格を持った補助指導員を2人配置しました。

しかし、地域の学校は、重い障害のある生徒を受け入れた経験が少なく、受け入れる側と葉月さんの関係の構築は、壁に直面しています。

先月、葉月さんは「障害のある子どもも通常学級で学べるように」と活動する市民団体のイベントに登壇し、胸の内を語りました。

葉月さん「学校に通っていて、よく『養護学校(特別支援学校)とは違うから』と言われるんですけど、私はそれがとてもいやで。自分だって分かってるし。どうしてそういうことを言うのかが分からないです」

この葉月さんのコメントについて、学校側に聞いたところ、特定の生徒への対応について具体的なことは答えられないとしたうえで、文書で回答を受けました。

学校側の回答「特別支援学校と地域の学校とは就学基準自体が異なっており、学校の体制も全く異なっています。保護者等から特別支援学校と同等の支援体制を求められた場合は、違いをまずご理解いただき、共に協力してどのようなことができるかを一緒に考えていくことになります」

1学期は、医療的ケアを含む学校生活への支援や、授業の参加方法について、手探りの状態が続きました。
父・渡邊政宏さん「休み時間になると導尿(医療的ケア)とかいろいろしなきゃいけなくて、絶対退席しなきゃならない。休み時間に友達と交流するってことができないし。
葉月本人が『このまま学校に通っていいのかな』ってボソッと言ったこともあったから」

重い障害があっても、地域の中学校で、みんなと共に学んだケースが、同じ旭川市にありました。
母・平田江津子さん「かず、学校は?」
平田和毅さん「学校は、まる」
江津子さん「勉強は?」
和毅さん「勉強、ばつです。勉強、ばつです」

平田和毅さん、19歳。
最重度の知的障害を伴う自閉症で、知能は3歳程度と診断されています。
それでも、3年間、「通常学級」で過ごした和毅さん。

しかし、当時、学校側の大半は、受け入れを不安視していました。
「学習はどうするのか」「負担が大きすぎて担任が倒れてしまう」。
心配の声があがったと言います。

担任となった、曽我部先生。障害のある子どもを指導した経験がなく、初めは、戸惑いの連続でした。
曽我部先生「障害特性ゆえのこだわり行動とかもいっぱいあったんですよね。蛇口を全開にして、その水が吸い込まれていくのを、声を出して見ていたり」

一緒に過ごすには、どうすれば良いか。
前に進むきっかけは、生徒たちの何気ない一言でした。

曽我部先生「クラスの生徒たちも『かずは面白いです』っていうことを言って。
困ったことは本当にあったんですけど、とにかくかずがそれをわざとやっているわけではない。好きで障害になったわけでもない。
かずの優しい面とか、明るく楽しい面とか、頑張っている面とかが、すごくよく毎日見ていて分かったので」
良さを見つけてはクラスで共有し、生徒を信じて、見守ったという曽我部先生。
和毅さんにも変化が。
少しずつ表情が豊かになり、自分の気持ちを周りに伝えるようになったのです。

父・平田永さん「クラスに所属している意識というものを、他の子と一緒の意識を持っていた。そのことってやっぱり自己肯定感につながっていたんだろうなという風に思うんですよね。」

障害の有無や程度などによらず、全ての子どもが共に学ぶ教育は、「インクルーシブ(排除しない)教育」と言われています。

2014年、日本が障害者権利条約を批准し、インクルーシブな教育がより一層求められるようになりました。

東京大学大学院教育学研究科小国喜弘教授「一人一人がかけがえのない権利を持っているのをどう保障するかが教師の役割ということ。教師だけが頑張るという話ではなくて、むしろここがすごい成長のチャンスを、周りの子どもたちが持てる環境でもあるので、子どもたちと一緒に何ができるのかを考える」

夏休みに入った葉月さん。
心待ちにしていた約束がありました。

中学校でできた友達の心音さん。
心音さん「宿題終わった?」
葉月さん「まだ全然終わってない。終わった?」
心音さん「あとちょっと」
葉月さん「え、すごい」
葉月さん「(心音さんが」プリントとかまとめてくれたり、挟んでくれたり。なんか『できる?』って聞いてくれることが、うれしい」

2学期は、もっとみんなと過ごして、友達を増やすことが目標です。
父・政宏さん「1学期はバタバタしてお友達と接する機会ってなかったと思うんですけれども、なんとか時間をうまく使いながら、教室内でも友達との交流を増やしていってほしいなと思う」

母・千香子さん「『友達がいろんな答えを教えてくれるのが楽しい』って言ってる。お友達とそういうことを共有したり、支え、支えられる、そんな2学期がまた始まればいいなと思ってます」

始まったばかりの中学校生活。課題は山積みですが、一歩ずつ前へ。



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